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浄化される黒き太陽

 イエロー、ブラック、グリーンの閃光がオイルプラント内で煌めく。

 輝、竜史、カッパライダーは自身の刃を感情のままぶつけ合う。


「のおっ! ぐうっ……うらぁ!」


 カッパライダーの胸を横一文字に切り裂き、カウンターで右頬を殴られつつ蹴り飛ばす。べっ! と口の中にたまっていた血を吐き出す。


「奥歯が欠けたぜ……ぐぅ!」


「休んでる暇はないぞ輝。おらぁ!」


「オメー等、俺がオイルタンクに当たらないよう努力してんの考えろよ」


 体勢を崩しつつも竜史の斬激を防ぐが、剣圧に圧され後退した。

 ぐっと足に力を入れ、覇翔月破の構えをとった。

 刹那――。

 輝の前に黒い竜が大口を開けて襲いかかろうとしていた。


「サンライトクリムゾン」


「後ろはオイルタンク……くそがぁ!」


 黒竜の喉元から覇翔月破ですくいあげ、黒竜を天井へとそらした。ズゴォ! と天井が破壊され、コンクリートが降り注ぐ。

 空中にいる輝は背後を振り返る。オイルタンクの一部が損傷し、石油が漏れ出していた。漏れ出した石油に火がつき、燃え始める。


(オーラの余波が当たったか。そろそろケリつけねーと俺がもたねぇ……)


「どこを見ている?」


「しまっ!?」


 ズザァ! と竜史のサンライトスラッシュが炸裂した。


「くァ~ッ! カッパファントム!」


「いい加減燃え尽きろ! サンライトクリムゾン!」


 左手にサンライトを圧縮し、黒竜を放った。

 ズババババッ! と互いの技が炸裂しあい、消滅した。

 それを待ち構えるように竜史とカッパライダーは空中で刃を交える。ドサッと輝は地面に落下した。


(全身が夜天光に乗っ取られてる割りには、黒いオーラの中に元のオレンジのオーラも混ざってる……もう少しのきっかけで竜史の奴は元に戻るかもしれねーな。だが、夜天光の力は中東を消滅させるだけの巨大な力だ。あの精神支配を乗り越えるには、並大抵じゃ無理だ。やっぱ、夜天光の強さの謎を解かないと無理か……?)


 その瞬間、竜史のサンライトスラッシュがオイルホールを完璧に破壊し、オイルプラント全体に火の手が周り始めた。この調子で行けば、他のホールが誘爆するのも間近だろう。

 首を鳴らしつつ、左目を抑えた輝は立ち上がる。

 ドゴォ! と竜史とカッパライダーは互いに一撃入れ合い、ぶっ飛んだ。

 ブオオオッ! と炎は広がり続け、三人を照らす。倒れた二人が立ち上がるのを輝は睨みすえた。


「ルナティックいい表情だなァ! くァ~ッ! 殺すぜェ!」


「殺すのはオレだカッパライダー。お前も殺すがな」


「これで終わるぜ。この技は力技では防げない」


 すぐさま、竜史は輝の足元を見た。そして、叫ぶ。


「カッパライダー! 輝の目を見るな! 朧を使う気だ!」


「くァ~ッ! そりゃ、やべェ!」


 言われたカッパライダーも輝の足元を見た。

 口元を笑わせる輝は、


「その状態で戦うのか? 大変だな。朧をくらう恐怖を味わいながら戦ってくれ。行くぜ!」


『――!』


 一字三月を二人に向けて放つが、空中に飛び回避される。

 しかし、輝はもう一度、一字三月を放った。だが、剣を振った勢いで回避される。無傷のオイルタンクに向かって黄色い閃光が走り、穴が空いた側面から石油が溢れ出る。

 空中の二人はオイルタンクの真上にいた。


「そこはダメだぜ?」


 その笑うような言葉と共にオイルタンクは爆発し、竜史とカッパライダーはふきあがる炎と共に天井を突き破り、上層階の方へ吹き飛ばされた。


「奴等なら上へ昇る炎に呑み込まれながらも戦ってるだろ。カッパと死の炎の極限状態……この組み合わせなら夜天光の支配を乗り越えるきっかけになるだろ。後は知らねぇ」


 ズゴゴゴゴゴンッ!

 爆発の余波でまだ無傷のオイルタンクも爆発をおこし炎を上げた。

 輝はよろけてひざまずいた。


(気力でゴードの時使った朧の影響を抑えていたが、もう耐えられねぇ……。心臓が軋みやがる。どんだけの寿命をもってかれた? くっ!)


 連戦で朧の影響に耐えられなくなった輝は左胸を抑える。

 地下のオイルプラントの温度は一気に上がり、人が生きる場所ではなくなる。


「さて、俺も逃げなきゃならねーが、逃げ道がねぇな。どうしたもんか……3四朗助けてく……!」


 酸素も微かになり、焦る輝の脳裏に浮かぶ3四朗の笑顔をかき消すように炎は溢れる石油の力を得て暴走したように燃え上がり、やがてオイルプラント全体を燃やし尽くした。

 絶叫を上げる竜史は、サンライトを全開にし、視線の先の太陽を見た。

 キラリと輝く太陽は竜史の黒く侵食された身体を浄化し――。

 その炎はサンライトキャッスル上空へと突き抜ける。


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