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【第1話】ファーストミーツ①

完全に自己流の推敲なので読みづらかったらすみません。

とりあえず完結目指して執筆していきます('_')

 突然だがカミングアウトさせてほしい。

 僕のクラスには()()()がいる。

 彼女の名前は絵入杏えいりあんず


 これはそんな宇宙人に出会った僕たちが、彼女に侵略されていく物語である。



 --------------------------------------------------------------------


「今日から君が転入するクラスの担任の藤崎だ、よろしく」

「えーっと、さっそく確認で申し訳ないんだが、名前の読み方・・・抜戸楽ばつどらくで合ってる?」


 寝ぐせだらけのぼさぼさ頭をボールペンで無作法に掻きながら藤崎と名乗る担任は確認の意味合いもこめて僕に聞いてきた。


「あ、はい。それで合ってます」


 珍しい苗字だねと無精ひげを指先でチリチリと弄りながらつぶやく。


「苗字もめずらしいんだけどさぁ・・・」

「今日の転校生、ほかにも二人いるはずなんだけど、なぜかいまここにいるのは君一人だけ」


 どういうことなのかね・・・、と気怠そうにぼやく。


「えっ、ほかにも転校生っているんですか?」


 高校二年の二学期の始まりというよくわからないタイミングで、同時に三人が同じ高校に転入というのはかなりのレアケースだと思う。


「そうそう。だけど一人はつい先日暴力沙汰で謹慎処分食らって今日は登校できず、もう一人は寝坊して遅刻ときたもんだ」


 ・・・なんというか、ほかの転校生二人はなかなか破天荒なのかもしれない。


「まぁ寝坊助さんのほうはもう家出たって連絡あったからだんだん到着するとは思うんだけどね」


 先生と雑談しながら歩いているうちに教室の前に着いた。


「じゃあ朝のホームルーム始めるから呼んだら入ってきて自己紹介よろしく」

 生徒名簿をひらひらとさせながら先生が教室に入っていった。


 教室の中から朝の喧騒が聞こえてくる。

 そんなざわめきを落ち着かせるため「まぁとりあえず君たち着席しなさいよ」と藤崎先生の催促が入る。

 徐々に静まる教室内の状況に応じるように僕のほうも急に緊張してきてしまった。


「う、なんだか胃が痛くなってきた・・・」

 いったん気持ちを落ち着けようと深呼吸をする。

 息を吸い終わったのとほぼ同時に遠くのほうから女の先生らしき声が聞こえてきた。

 えっ、絵入さーん! 教室はそっちじゃなくて反対よー!

 声の聞こえたほうを見ていると、しばらくして曲がり角から人がヌッと出てきた。


「っ・・・!?」


 スカートを履いていることから察するに女子だと思うんだけど・・・。

 ・・・女子と判断するまで少し時間がかかったのには理由があった。

 いったいどこを通ってきたのかあちこちに落ち葉や木の枝をつけて、なぜか髪の毛は台風に巻き込まれたかのように散らかっており顔の確認ができなかったのだ。


「・・・・・・」


 無言のまま僕の立っている教室の後方入り口付近に立ち止まりきょろきょろとあたりを見回す。

 2―Bとかかれたクラス表札を見て少し安堵したような仕草でふんふんと一人でうなずいている・・・。

 パッと見はあの有名な和製ホラー映画のメインキャラクターとも見間違えそうな風貌だ。

 直前に得ていた他にも転校生がいるという情報がなければ僕は恐怖で失禁していたかもしれない。


 ・・・え? 転校生だよね?


 そんな彼女を直視して硬直していると教室を脇目に彼女がこちらに歩いてきて距離感をつかめずにそのまま僕に激突した。


「いたっ!」

「ぐえっ!」


 前髪で視界が遮られて前方が見えていなかったのだろうか。


「だ、だれ・・・?」

 もう一人の転校生が不安そうに周囲を見回しているがぼさぼさの髪のせいで一向に僕の位置に気づけないでいる。


「君も転校生だよね?」


「あ・・・う・・・」


 相変わらず僕の位置を今一つ特定できないためか若干不安そうに彼女がうなずく。

 お互いに体勢を直したところで教室の中から僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「僕も今日転校してきたんだ。多分僕の次に呼ばれると思うからここで待ってなよ」

 初対面でショルダータックルをかましてきた転校生に声掛けをして教室に入ることにした。


 建付けの悪い教室の引き戸がガラッと音を立てる。様々な好奇の視線が僕に向けられていたが、直前に起きた強力すぎるイベントの影響で先ほどまであった僕の緊張はどこかにいってしまった。

 緊張と同時に自己紹介しようと思っていた内容もどこかにいってしまったようで当たり障りのない面白みのない自己紹介で終わってしまった。

 教室の生徒の反応も比例して当たり障りなく・・・、男子からは「なんだよ男かよ」とちょっとムッとくるリアクションをされたのであった。


 まぁ、僕のことなんてこの際大した問題ではない。

 ・・・問題はこの後だ。


 僕は先生に「遅刻したもう一人の子も着いたんですけど・・・」とざっくりした概要を伝えたが、


「まあ無事に間に合ったってことでいいんじゃないの?」なんてとぼけた返事が返ってきた。

 うん・・・まぁ確実に無事ではなかったと思うんだけど・・・。

 初対面でのインパクトにおいては文句なしの100点満点をたたき出すに違いない。


 まぁ僕の自己紹介中に多少なり身だしなみは整える時間はあったし・・・。

 淡い期待を抱いてちらっと廊下のほうの扉を見ると、スモークの入ったガラス越しに見える彼女のシルエットが先ほどから何一つ変わっていないことに気が付いた。


「じゃあさっそくもう一人紹介しちゃうぞ~」

 実際に見ていない藤崎先生が呑気なテンションで廊下にいる絵入さんを召喚した。

 未来予知ができなくてもどよめきが想像に容易い。


 ガラッと教室の入り口が開かれる。

 ほぼ同時に藤崎先生の口も開かれ、ビシッと石化したかのように固まる。

 水滴をしたたらせた亡霊のような転校生がぬらっと教室へと入ってきた。


「ひいっ・・・」

「不審者じゃないの!?」

「おっ、おいやべえって・・・」

 その他にも多くのスクリーム・・・


 教壇の隣にぬぼぉっと直立する彼女を横目に藤崎先生がやっと我を取り戻した。


「お、おおう・・・。ピンポイントで台風に巻き込まれたのかよって風貌だな・・・」


「転校生の絵入・・・だよな? 自己紹介が終わったら更衣室で予備のジャージに着替えてくるんだぞ・・・」


 先生を一瞥して転校生がぺこっと軽くお辞儀をした。

 途中で飽きられた僕の時とは違って教室中が彼女の一挙一動に注目している・・・。

 黒板の前に移動すると黒板消しで先ほど書いた僕の名前をワシワシとかき消した。

 そしてするすると色々なチョークを見回したのち、なぜかなくなりそうなくらい短い薄緑のチョークをひょいと摘み上げ、【絵入杏】と黒板に書いて正面に向き直った。

 とっ散らかった前髪の隙間から「えいりあんずとよみます」という声が聞こえた。

 と、ここでクラスの奥のほうにいた性格のきつそうな一人の女子が「エイリアンだってさ~、やばぁ~」と茶化すように周りの友達に話しかけていた。

 明らかに絵入さんに聞こえるように言っていたようだが本人は特にリアクションはなく黒板に書いた自分の名前を消していた。


「よろしくな絵入。・・・ところで」

 先生がおそらくみんなが気になっていたであろうことを聞いた。


「その左手でぶら下げてるものはなんだ?」


「・・・?パンの耳ですが?」

 そんなのは見りゃわかる。教室のみんなの心の声が聞こえるようだ。


「いや、なんで携帯してるのか気になってな」


「非常食」


「そ、そっか・・・備蓄は大事だもんな」

 いまいちテンポの合わない会話を繰り広げる担任と生徒。


「それじゃあ自己紹介の流れで質問だ絵入。趣味とかはあるのか?」

 藤崎先生も彼女に興味があるんだろう。・・・僕の時には特になかった質問をした。


「趣味・・・」

 少し考えるようにうつむいて、すぐさま何かを思いついた様子で顔を上げた。


「い、生き物を観察するのが好きです。動物でも、さ、魚でも、鳥でも、・・・人間でも。」

 そう言った後に片方の口角だけ若干あげてふっ・・と笑った。

 最後のは彼女なりのホットなジョークだったのかも知れない。

 ・・・まぁ教室の空気は極点並みに凍りついていたが。


「さ、さあて・・・二人の自己紹介はこんなところでいいか。今日はもう一人転校生がいたんだがいろいろ事情があって数日休んでから来る予定なのでよろしくな」

 まだひとつしか質問していない藤崎先生だったが、自分の担当するクラスに変人が入り込んできたしまったことに対する懸念のせいか、ここで僕たちの紹介を打ち切った。

 そして絵入さんはクラスの保健係とおぼしき人物に更衣室に案内されていった。

 僕は僕で指定された自分の席に着く。

 席に座って気が付いたが前と右隣の席が空いている・・・。

 これは・・・なんというか・・・、

 確実にほかの転校生も前か隣だよね。

 朝のホームルームが終わって藤崎先生がいったん教室から出て行った。

 それと同時くらいに絵入さんがクラスの保健係と一緒に戻ってきたのが見えた。

 絵入さんに怯えているのだろう・・・。先導する保健係のいかにも不安そうなオーラが遠目にもはっきり見て取れる。

 教室に戻った絵入さんにみんながアンテナを立てているのも一目でわかった。

 しかし当の彼女はそんな好機の視線を気にする素振りもなく、教室の入り口で一度立ち止まり教室内をキョロキョロと見回して何かをためらっていた。


「あ、すまん。席の場所をまだ伝えていなかったな」

 戸惑う絵入さんの様子に気づいた藤崎先生が絵入さんに席の場所を伝えた。


「一緒の転校生で抜戸がいただろう。その隣だ」

 ・・・やっぱりな。

 なんとなく予想はついていたが二分の一の可能性で悪いほうを引いたような気分になった。

 教えてくれた藤崎先生に軽くお辞儀をしてに絵入さんがこちらのほうにとぼとぼと向かってきた。

 びしょ濡れの髪はどこかで乾かしてきたのだろうか、さっきより表情がよく見える。

 こうしてみると普通の女の子なんだけど転校初日から制服じゃなくてジャージという状況がシュールさを引き立たせているのであった。


読んでくださってありがとうございました。

興味があれば続きのほうもよろしくおねがいしますm(__)m

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