9話
9話
にるにるです。
私はいま、歌って踊れるミュージシャンを目指しています。
未来から物質を持ち込むことはできないので、
記憶を頼りに、音楽を再構築しています。
ただ問題があります。
肺活量が少ないとか、
歌唱力に問題があるとか、
ダンスに躍動感がないといわれます。
当然です。
なぜなら肉体は3歳児なので、
即戦力にはなりえません。
しかも、子供特有の現象として、
大人には聞こえない、超高音が聞こえます。
精神を患い、幻聴が聞こえてるのか、
などと本気で心配されました。
さらに屈辱的なことに、
「ニコニコプンプン」に出ませんかなど、
人のプライドをズタズタにする依頼まで来ます。
お父ちゃんの前では、本性がばれるのが嫌なので、
「にるにる~。」などと動物的な、
可愛い感じで行動します。
毒舌がばれるので、会話はしません。
もう少しましになるまで。
本来の自分でないものを演じているので、
仕事でも家でも疲れます。
100億年生きてるので、ハープやトランペット、
琴、二胡などたいてい演奏できます。
ギターでも、インクウェイやインベリテルを凌駕しています。
幼稚園では、ハーモニカやリコーダーで
アルカンやフィニッシー、ラスマニノフや
ショパンのトリプルエチュードを
演奏していると、男女両方に恐怖の対象として見られ、
友達がいなくなりました。
この時代は、ボイスレコーダーや
サンプラー、シンセサイザー、ミキサーが独立しており、
パソコンのシンカーソングライター50.0で
作曲や編曲をするようには行きません。
ボーカル用エフェクターを使用しても、
男性の声は出ません。
悲しいです。
初音○クが欲しいので作っています。
パソコン全盛の時代と、平成初頭では、
感覚が違いすぎて、センスが合いません。
「うぉおぉおー」と叫んでるところを見られても
変に思われないので、自宅のスタジオでは、
全力で歌っています。
踊りのほうは、肉体的感覚として覚えているので、
才能は認められています。
シャクソン並みに踊れます。
ある日のオーディションで、
思いっきり、ロリコンっぽいおっさんに
「採用されたかったら、ホテルにいこうよ~。」
とか言われたのですが、
日本での広報は系列会社の「雷通」と「白報堂」の
どちらかなので、ニャーニャにそのことを伝えると、
そのおっさんは、翌日、解雇されていました。
その後その人は、刑務所に入ったようです。




