ハンバーグ
1日の終わりに待ち受けるワナは、こんな感じです。
母は、ハンバーグを作るのが好きだ。
フライパンでひき肉を炒める。
みじん切りした玉ねぎを入れ、さらに炒める。
塩こしょうで味付けをし、ナチュラルチーズをふりかけ、ふたを閉めて蒸す。
…………。
お気づき頂けただろうか?
この手順で、普通のハンバーグは作れない!
*****
そのハンバーグと出会ったのは中学生の時。
「今日はハンバーグよ~。」
母のご機嫌な声が聞こえる。
私は台所に行きながら思った。
(へぇ~。料理苦手な母さんがハンバーグとか。頑張ったんだな~。)
そして、我が目を疑う。
「……!!??これ、何!??」
私の思考は混沌の海に沈んだ…。
(なんだろう。ハンバーグって楕円とか丸とか…とにかく丸まっていて、デミグラスソースとかソースがかかってて…。あれ?ハンバーグって何だっけ?これがハンバーグ?おやぁ!?私の概念間違ってたかな!??)
このハンバーグを初めてみたときは驚いた。
どうみても肉と玉ねぎの炒め物…。
大事なことなのでもう一度。
どうみても肉と玉ねぎの炒め物。
「……どうして丸めなかったの?」
「パン粉がなくって。」
「買ってくれば良いんじゃない?」
「丸くするのが面倒くさっくって。」
「もはやハンバーグではないような…。」
「何言ってるの!材料はハンバーグよ!」
「ほっほうぅ……。さいですか。」
「文句があるなら自分で作りなさい。」
「……くっ!!(卑怯な!!)」
*****
いつの間にか姉が素晴らしいネーミングを付けた。
『オープン(自由な)ハンバーグ』
なんて素晴らしいネーミングでしょう!!
お姉さまは天才ですか!?
『オープンハンバーグ』
なんて自由な響きでしょう…。
ナイスですよお姉さま!!
……もういい。
もういいのだ。
食べられるだけで十分幸せだ。
それ以上を望むのは贅沢と言うものだ。
うちのハンバーグは自由です!!
解き放たれているのです!!
もういい。
もういいのだ……。
ご飯とみそ汁と漬物があれば十分幸せです。
それ以上は望みません。
私は悟りを開いたのだった……。
母が「今日はハンバーグでいいわね~?」
と言って出てくるハンバーグは『これ』です。
ビックボーイでハンバーグを食べたときはビビりました。
その場で友人に「うちのハンバーグはさぁ~」と言ったら
人目はばからず大声で笑われました。ですよね~。




