(株)千木リース (後)母
あれ以降、彼等から連絡はない。夫に関しても、支払いの確認はあっても、当初予定していたメールは届かなかった。
私自身、彼等の顛末などに興味はない。ただ、あの子達の幸せを願うばかりだ。
「で、顛末だけどねー」
「だから、興味ないって言ってるでしょ!」
いや、言ってはいないか。というか、考えを読むな。
ただ子供達に関しては、最悪の一途を考えてしまう自分もいる。片棒を担いでいることも考えると、興味ではなく責任として受け止めるべきなのだろうか。
私自身、聞かぬことも業務上の責任であることを失念し、彼女の続ける言葉を止めることが出来なかった。
「結論から言えば、お家騒動になったよ。父母と子供の間に血縁関係を確定できないってね」
「確定できない?」
片隅で何かしらの問題を抱えるとは考えていたが、曖昧な現実に疑問は加速した。
血縁関係がないのではなく、確定できないとはなんだ。何故、あるなしで答えが出せないのだ。
「75%くらいは、2人との血縁を確定できた。ただ、残り25%程他人の遺伝子が組み込まれている。だから、確定ではない。そういう結果らしい」
「提供者の遺伝子が入り込んだ…」
「検査までは。でも、それに類する状況にはなっているだろう。」
完全ではないのは、栄養などはあくまで妻が与えたからなのかどうか。専門的な部分はわからない。
ただ、帰り際妻が母にはなれていなかった。それが答えなのだろう。
私の苦悩を嘲笑うように、玲子は静かに頬を上げ、こちらを覗き込む。
「なぁ、あの子の母親っていったい誰なんだろうなぁ」
静かに笑う彼女を他所に、ドアが静かに叩かれる。
額の汗が振動に反応した。
「精神は身体に入りますか?」




