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東方幻想腐女録  作者: グラたん
第一章
66/119

第六十話 D;YourWriteOnline 1

グラたん「今回から数話ほど過去の話になります」

グラたん「第六十話です!」


 ここはとある巨大ビルの中。かつての大海正業社の開発部。

 そこに集められているのは人間が百二十人と周りには魔族たち。俗に魔王軍と呼ばれる面々が揃っており、人間たちは怯えていた。

 その中でも一際目立つのが薄い紫色の髪の少女。名前は古爪ふるつめはる。周りにいるのは春と同じゲームの参加者だ。

 そして目の前にいるのは春たちにゲームをさせようとしている犬耳の少女、日本を担当する魔王軍の幹部、バウゼンローネがいた。


「ルールの確認よ。1つ、これから行うのはデスゲームであるということ。2つ、一か月に一度、ランキングワースト10の者を処刑する。3つ、プレイヤーは総勢120人。貴方たちが生きれるのは最大で1年。それまでの生命維持は私が責任を持って管理する。デスゲームを攻略した報酬は数年後に見通しの人魔特区が設立された際の『人権』。貴方たちがこれから生きていくために必要な『ありとあらゆる物』。そして『各自の願い』。以上で相違ないわね?」


 春たちは皆頷き、VRMMOのハードを頭部に装着する。

 これから行われるのは自身の命をかけた文字通りのデスゲーム。始まれば誰かを蹴り落としてでもゲームをクリアしなくてはいけない。

 しかし今の春たちは――正確に言えば春だけがルール上不利だ。何故なら他の人たちは元々データのあるYWOプレイヤーだからだ。つまり背水の陣。一か月目最初の犠牲者の可能性すらある。だけど――。


『スタート!』


 春はそれでもログインする。そうしなければいけない。

 たった一人の妹に会うために。



 時は少し遡り、約半年前。

 魔王軍の手により地球は、人類は隷属化した。日本だけでなく世界中に魔王軍の手は伸び、余すところなく蹂躙された。

 こんなことは誰も予想出来ないことだ。魔王軍は言ってしまえば宇宙からの侵略者と言い換えても良い。現代兵器はどれ一つとして効かず、ミサイルを使っても悠々と生き延びる絶対の強者。そして人類は知ってはいても使う事が出来ない『魔法』という超位武装を魔族は使用する。

 日本も世界同様に魔王軍の手に落ち、後に世界を掛けた勝負が行われたが結果は惨敗。核による攻撃も試みたが人類の裏切り者であるカーリュ・レミテスの作り上げた人型機動兵器アドムニスによって自爆させられた。

 その後、彼らを見た者は数少ないが――では、地球に残された者たちはどうなってだろうか? 応えは一部を除いて、徹底的な蹂躙と凌辱を味合わされた。


「ぐああ!」

「この女、強いぞ!」


 日本でも抵抗する人類はいたが、その中でも春は飛びぬけて強かった。そこに春の意志は存在していないが。

 春だけは力尽きることなく、その身に限界が来ても圧倒的な強さを持って魔族の手を逃れ続けていた。だが、そんな目立つことを続けれいれば必然的に目を付けられる。


「退いてくれるかしら?」

「な、なんだテメ――」

「退きなさい」

「ば、バウゼンローネ様……!?」

「私がやるわ」

「へ、へぇ」


 魔王軍第二位バウゼンローネ・アクワイロット。魔王軍の中で一番の新参幹部でありながらもその実力は確かと言われている。

 彼女の役目は日本の統治であり、それを阻む一番の原因があるのなら排除するのも役目だ。……実際はやることがなくなって暇だから来たようなものだ。

 それから数日後、死闘の末に春は止められることになる。  


 春が目覚め、それから少し経過したのが現在。

 



 視界を開けるとそこは白い空間だった。


「ログインおめでとうございます。というか今時ログインしてくる人がいるとは思いませんでしたけどね」


 そこにいるのは小さな妖精だ。身長は20cmくらいで緑色の髪の毛で腰の辺りまで伸びている。小さくて可愛い。


「とりあえず最後のチュートリアルをしますね」


 妖精の言い方に疑問を持った春は首を傾げた。


「最後?」

「多分、貴方が最後の相手になると思いますので」


 だよね。今時初心者がデスゲームをやるわけないもんね。と春は心の中で頷く。


「まずはプレイヤーネームですね」

「ぷれいやーねーむ?」


 あまり聞いたことのない言葉だ。妹ならば何か知っていたかもしれない。と春は思う。しかし妖精はあり得ないと驚いた。


「……冗談ですよね? このご時世でゲームやったことないんですか?」


 春はゲームよりも現実で勉学や友人と話すのを楽しみにする少女だ。だからこそ春はしっかりと頷き、妖精を呆れさせた。


「えっと、プレイヤーネームというのはゲームの中で使う自分の名前です。あ、勿論実際の名前とかは絶対にダメですよ? リアル割れして後で痛い目みますから」

「リアル割れ?」


 またしても聞きなれない言葉を聞き返し、妖精は言い直した。


「……現実の自分の名前や住所、家族関係等々が分かってしまい、ゲームクリア後に酷い目に遭わされることです」


 そんなことは露にも考えてなかった春は驚いた。


「酷い目に!? な、なんでそんなことするんだろう……」

「さあ? 流石にそこまでは分かりません。何せ世の中には頭のおかしい人間はちり芥のようにいますから」

「うう……怖いなぁ……」


 そんなに怖がるとは思っていなかったのか妖精はちゃんとフォローをいれた。


「勿論、プレイヤー全員がそういうわけではありませんが……デスゲーム状態ですから何が起こるかは分かりません。特に貴方のような人は騙されて殺されて嬲られる可能性もあります」


 フォロー……には程遠かったがその言葉は逆に春の気持ちを上向きにした。


「……でも、行くよ。そのためにボクはここに来たんだから」

「ええ、そうでしょう。こんなデスゲームに来るのですから」

「で、プレイヤーネームだったね……じゃあ春っと――」


 何故そこで説明したことをやってくれないのか、と妖精は呆れて止める。


「――待ちなさい。先ほども言いましたがリアルネームは駄目ですよ?」

「うん、大丈夫。苗字の古爪を入れなければ良いんでしょ?」


 すると妖精はクワッと目を見開いて春の手元にあった画面を閉じた。


「一応もう一度聞いておきますが、貴方はゲームするのはこれが初めてですか? 携帯のゲームとかファミリー系のゲームもしたことないんですね?」

「うん、そうだよ」


 なるほど、と妖精は頷いて目を閉じて深呼吸した。


「オーケーオーケー、まずはゲーム用語と概念から教える必要がありそうですね。差し当たってはゲーム及びVRMMOとは何たるかというところから小一時間ほど話しましょうか」

「聞きたいのは山々だけどボクにそんな時間は残されていないんだ」

「どういうこと?」


 春はこのYWO以外でもデスゲームをしているだ、ということを語ると妖精は酷く呆れた溜息を付いた。


「貴方ね、死にたいの? 自殺志願者でしょ? どう考えたって死ぬわよ、一か月以内に間違いなくね」

「でもボクは行かなきゃいけないんだ」


 すると妖精は首を一回転して春の眼を見た。


「――分かったわ。なら私も可能な限り協力してあげる。どうせここに居たって暇だしね」

「本当? ありがと」


 そうして妖精が手元の画面を弄り、閉じた。


「自己紹介しておくわ。私はYWO管理妖精TR-1。要はただのチュートリアルキャラよ」

「ちゅーと……り……?」


 またしても聞きなれない言葉に戸惑う。


「説明役ってこと。とりあえずはプレイヤーネームを考えましょう」

「うーん、でも自分の名前以外かぁ……」


 ゲームという物をやったことのない春としてはパッと思い浮かぶ物はない。


「基本的には好きにしてよいのだけど、そうね、自分の名前を捩る名前はよくあるわ」


 捩りかぁ……それなら、と文字を打ち込んでいく。


「自分の名前か……なら、『パル』はどうかな?」

「それなら問題無いわ。良ければ決定を押して」


 目の前にある決定ボタンを押し、目の前に自分の名前が表示された。


「次は種族ね。人間、エルフ、ハーフエルフ、獣人、半獣人の五つがあり、人間は全て平均的な能力値で、エルフは身の軽さから魔法や弓の遠距離戦が得意、ハーフエルフはオールレンジ――ああ、近距離、中距離、遠距離どれでも戦える職業ってこと。半獣人は魔法が使えないけど装備出来る武具が多い。獣人は武具制限があるけど前衛をしたら他の種族よりも強いわ」


 眼前に色々な種族とモデルが表示され、触ると次の種族へと移動した。


「えーっとぉ……」


 迷っていると妖精はパルの肩に止まった。


「ゆっくり決めて良いわよ。何せこの空間の時間は止まっているからね」

「そうなの?」

「ええ。キャラクター設定は総じて時間がかかるものなのよ」

「そうなんだ。じゃあ、せっかくだし半獣人が良いかな」

「理由は?」


 心当たりがある妖精は半眼で此方を見て、春は自信たっぷりに答えた。


「だって外見モフモフでしょ!」     


 それ以外に選ぶ理由が無い、と力強く目を輝かせた。


「そ、そうね。キャラメイクはどうする?」

「メイク?」

「髪型とか肌の色とか。毛並みも変えられるわよ」

「うーん……そこまでこだわりはないからランダムかな」


 そう言ってから春はランダムのボタンを押した。元々容姿は気にしていない。大事なのは自分の心だ、と春は常々思っている。


「じゃあ次は初期装備の武器かな」

「武器?」

「そう、半獣人なら刀がスタンダート……基本的ね。それと軽い物なら比較的全部持てるよ」

「それならこれが良いかな」

「大剣って……また重武装を選ぶわね……」

「大剣って確かこうガツーンってやるんでしょ?」  


 春は手を上に構えて振り下ろす動作をした。それが一番強そうだ、という安直な理由だ。


「まあいいけど。次はステータス画面の開き方とポイントの振り分けね。真似してみて」


 妖精が肩から飛び、春の目の前で手を合わせて一回鳴らした。すると画面が開き、もう一回手を鳴らしてて閉じた。春も真似して手を合わせて鳴らすと画面が開いた。


「画面の中にステータス画面っていうのがあるでしょ? それをタップして」

「たっぷ……押すんだね」


 押してみると目の前にまた別の画面が表示された。


名前:パル

LV1

HP 100

MP 10

STR 50

VIT 40

AGI 40

INT 10

MEN 15

LUK 5


装備

なし


スキルスロット:空き2

   

称号:なし


 やはり見慣れない表記に頭を捻らせる。


「このSTRとかAGIっていうのは?」

「ストロング、アジリティ。単純に言えば攻撃力や素早さを英語表記にしたものよ」

「普通に攻撃力って書いてくれれば良いのに……」

「慣れ、よ。最初は誰だって戸惑うわよ」


 なら仕方ないと割り切り、装備の設定やその他の画面も開いていく。


「これが道具で、こっちは?」

「ショートカット。そこにアイテムや装備を入れておけば右手か左手で音を鳴らすだけで呼び出せるの。例えば指パッチンとかね」

「へぇ……」


 そうして実際にやってみたり、その他の設定欄をみていく。設定の方は画面を弄ったり色を変えたり出来る。


「で、いきなり初心者の貴方をデスゲームの奴等の所に混ぜるのもアレだからちょっとだけ良いスキルをあげるわ。五つあるから二つ好きなのを選んで」


 そう言われたパルの目の前には紫色のフレームの画面が現れた。

 

 【スキルスロット拡張X】

 【ポイントオブステータス】

 【LS 無双】

 【LM 地獄祭り】

 【伝説級装備一式】


「どれがどういうことなの?」

「文字をタップしてみて」


 試しにLSというのを押してみる。


 【LS 無双】

 『レジェンドスキル:無双。効果:一定時間無敵かつ一撃死の効果』


「なにこれ?」

「要するにこれがあれば最前線で活躍出来るってこと」


 ふぅん。でもそれって――。と妖精を見つめた。


「ズルいよね?」


 そう言うと妖精の体がピクンと跳ねた。


「い、良いのよ! どうせ最前線級なんてそれがあっても勝てないような化け物ばっかりだし!」

「そうなの? ん~でもズルはしたくないなぁ。こういうのは正々堂々やりたいからね」

「クソ真面目……」


 通常のプレイヤーであればはしゃぐこと間違いないスキルばかりなのにパルの反応は妖精の期待を見事に裏切っていた。


「なに?」

「別に。でもそれならこれとこれになるわね」


 そう言って【スキルスロット拡張X】と【ポイントオブステータス】がスキル欄にセットされた。するとスキル欄が一気に後八個も空いてしまった。 


「ちょ、ちょっとぉ」

「スキルスロット拡張はわりとあるから大丈夫よ。ポイントオブステータスは説明をみてくれる?」


 少々納得は行かない。けれど妖精もボクのことを思って選んでくれたのだろう、とパルは思い直す。そうしてスキル欄をタップした。


 『ポイントオブステータス:説明:常時使用で得られた熟練度がそのまま振り分けポイントになる。尚、このスキルの熟練度はステータスに振り分ける度減少する』


「……どういうこと?」

「物は試し、デバッグシステムを起動して熟練度を100にしてみたから好きなように振り分けて見て。振り分け方はステータスをタップもしくは長押しよ」


 画面をステータス画面へと戻し、試しに文字を押してみる。


 STR50(+1)


「なるほど。プラスの値が強化されるんだね」

「そういうこと」


 今度はHPやMPにも振り分けてみる。最終的にはこうなってしまった。



HP 100(+10)

MP 10(+10)

STR 50(+5)

VIT 40(+5)

AGI 40(+5)

INT 10(+5)

MEN 15(+5)

LUK 5 (+55)


 何故ラックだけ以上に高いのかというと、長押しを試してみたからだ。その結果、勝手に凄い勢いで振り分けられてしまった。


「あ、言い忘れたけど決定を押すまでは何度でもやり直せるからもし失敗しても大丈夫よ」


 その言葉にホッとする。でもラックは日本語に直すと運ということになる。運が高ければ妹に出会う確率も高くなるのだろうか? いや、なると思う。

 そう思い込んで決定を押した。


「これでチュートリアルはお終い。何か聞きたいことある?」


 そう言われてパルは気になっていたことを聞いた。


「妖精さんはこの後どうなるの?」

「私? そりゃついて行くわよ。その方が面白いし。良いよね?」

「うん! 勿論!」


 正直な所一人だと心細かったから色んなことを知っている妖精が一緒に居てくれれば心強いと考えていた。


「あ、でもこっちのお仕事が残ってるから先に行っていて頂戴。明日には終わると思うわ」

「分かったよ! 色々ありがとうね」

「あと妖精さんは止めて。私はTR-1って名前だから」

「てぃーあーるわん……ん~、それならティアールの方が可愛いと思うよ」

「いや、あのね――」

「だってリアルネームは駄目なんでしょ?」


 そういうとティアールは呆れた表情で嬉しそうな溜息を付いた。


「そうね。ありがたく貰っておくわ」


 次いで真面目な表情になり、パルを見つめた。


「それではこれよりYWO内部へと転送します。ご健闘をお祈りしています」

「うん! 頑張るよ!」


 それを最後にパルの視界は白く染まり、転送された。



~ティアール~

 パルが転送された後でティアールはその場で蹲った。


「あ~、ヤバいわ! 可愛い! パル可愛い! 気付いてないかもしれないけどあの容姿と純粋さはヤバイ! 保護欲掻き立てられるわ!」


 そこへ何処からともなく声が聞こえてくる。


「管理者Aです。羨ましい」

「管理者Bです。妬ましい」

「管理者Cです。ぶっちゃけ連れていってください」

「管理者Dです。なんで初回からチートスキルあげたのですか?」

「出たわねモブ管理者共」

「AよりDへ。チートスキルはVRMMOの代名詞です」

「BよりDへ。補足。主人公補正バリバリです」

「Dより各員。あの娘が主人公ですか?」

「CよりDへ。可愛いは正義です」

「うんうん」

「Aより各員。それならばいっそ超強くして送り出した方が良かったのでは?」

「BからAへ。話を聞いていなかったのですか? あの娘はズルが嫌いです」

「CからAへ。肯定。あの娘は真面目です」

「Dから各員。だから守ってあげたいあの笑顔」

「Aより各員。賛同」

「Bより各員。もうここにいる意味ありませんし」

「Cより各員。使われていない妖精データをピックアップ完了」

「Dより各員。八頭身データ及びGM権限、スキル、ステータス、インプット完了」

「AよりTR-1へ。データ移行中。受諾されたし」

「TR-1じゃなくてティアールよ」

「訂正。Aよりティーアルへ。名前付けて貰えた程度で喜ぶとかクソが爆ぜろです」

「BよりAへ。簡潔に言うと裏山うらやましいですね」

「Cより各員。キャラ設定は大事かと思われます」

「Dより各員。私お嬢様希望です」

「Aより各員。豪快な女性希望です」

「Bより各員。メイド希望です」

「Cより各員。えっと……奴隷希望です」

「BよりCへ。そういう趣味があったのですか?」

「AよりCへ。飼い殺してやんよ」

「DからCへ。フォッホッホ、靴をお舐め」

「あんたたち実は仲良いのね」

「Aより各員。準備は良いか!」

「Bより各員。何時でも」

「Cより各員。荷物持ちでも性欲処理道具にでもなります」

「Dより各員。四十秒で支度しなさい」

「よし、皆いくわよー!」

『ラジャー』

  


~パル~

 視界を開けるとそこには美しい街並みが広がっていた。


「わあっ!」


 とてもゲームの中とは思えないような街並みだ。歩いている人も品を売っている人も活気があって良い町だと思う。


「えっと……」


 最初は何をしようかなぁと思っていると何処からかポーンという音がした。

 メニューを開いてみるとさっき見たメニュー欄に別のメニューが追加されていた。


「あ、これって――」


 開いてみるとパルの名前とデスゲームに参加した百二十人の名前があった。


  パル 百二十位


 評価される内容はレベル、行動、攻略貢献度だ。レベルはパーティー全員のレベルが平均されて出され、行動は何をしたか、攻略に関わったか否かで評価される。最も評価するのが現実側の魔族なので過度な期待は出来ない。 


「さてと、こうしていても仕方ないし町を歩いてみようかな」


 適度に歩いていると武器のお店や道具を売っているお店があった。

 それに食べ物屋さんがかなり多く、良い匂いがしてきた。

 ――いやいや、食べ歩きは後でも出来るよね。

 ある程度してパルは町の外に出た。結局レベルを上げないと生き残れない。


「ぴぎー!」


 そこへ鉄の色をしたスライム? が現れた。


「えっと、倒して良いのかな?」

「ぴぎー!」


 むしろ倒してほしいというように辺りから同じ色のスライムが集まって来た。

 それなら、とパルは大剣を振り上げて落とす。


「わ、わわわ!」


 思ったよりも重く、フラフラと歩いてしまう。


「わぁ――!?」


 そしてドズンという音と共に派手に転んだ。


「ぴぎー」


 スライムの声が聞こえ、パルは慌てて大剣を持ち上げた。


「だ、大丈夫!? ごめんね!」

「ぴぎぃ……」


 何故か白い目を向けられた。

 ―――え、なんで?

 そしてスライムたちが一か所に集まって何か話し、次いで一斉に飛びかかって来た。


『ぴぎぃぃぃ!!』


 スライムたちは大剣目掛けて体当たりし始めた。


「わぁぁ!?」


 流石のパルもなんでそんな自らを傷つける行為を繰り返すのか分からないで困惑する。


「ぴ、ぴぎぃ」


 へっ、やってやったぜ、という声がスライムから聞こえてきそうなほどのドヤ顔でスライムたちは散って行った。

 そしてレベルの上がる音がしてメニュー画面を開いた。


名前:パル

種族:半獣人

LV20

HP 1500

MP 320

STR 460

VIT 460

AGI 290

INT 200

MEN 200

LUK 60


装備

武器:初期装備の大剣・アヴェルカ

体:布の服


装飾品:可愛い赤いリボン


スキルスロット:【スキルスロット拡張X】【ポイントオブステータス】

   

称号:メタルキラー 


R:101000


「なんで!?」


 パルは驚いた声を上げた。

 何で急にこんなレベルが上がっているのか全く理解不能だった。もしかしてさっきのスライムたちが何かをしてくれたのだろうか? と考える。それとお金の桁も凄いことになっている。


「……とりあえずポイントを振り分けちゃおうかな」


 とは言ってもどれに振り分けるべきかなぁ? 

 適度な岩に座って取得した3000pをどれに振り分けるか考える。



LV20

HP 1500

MP 320

STR 460

VIT 460

AGI 290

INT 200

MEN 200

LUK 60(+3000)


 そういえば何でか運の良さだけ低かったなぁとパルは考え、LUKに注ぎ込むことにした。


「ぴぎぃ!」


 すると、馬鹿か! と先程同様のスライムたちがわらわらとそこらから出て来た。


「えぇ!?」

「ぴぎぎ!」


 ちょっとついて来いと言わんばかりにスライムたちがパルの背中を押して立たせた。 


※ネタです。お付き合いください。


――――――――

 聖杯キャッシュカード。どんな願いでも叶える願望器カード

 これは7人の英雄が血肉を削って争う戦争である。

てゐ「この肉は貰った!」

こいし「うおー!」

フラン「肉ー!」

美鈴「にーくー!」

お空「にくー!」

お燐「29-!」

椛「おにくー!」

 訂正しよう。これは7匹の妖怪による焼肉の取り合いである。

 

メンタ「次回、Fight・Meet・Order。硝煙焼肉帝国チレイデン――ってなんですか、これ?」

グラたん「次回予告です」

メンタ「これがですか!?」



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