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東方幻想腐女録  作者: グラたん
第一章
31/119

第二十九話 後天性体調不全症候群

グラたん「第二十九話です!」

 暗黒な日記帳を読み終わったパルたちはそっと閉じ、引き出しの中にあった合鍵を手に魔法空間へと入り、額に白い布が被せてあるパチュリーたちの元へときていた。

 見れば、パチュリーの顔色は死人のように白くなって今にも死にかけていた。


「えっぐ……パチュリィィ……」

「……ぐすっ」


 レミリアとフランも家族同然であるパチュリーの容体に泣き、魔理沙とメンタたちはパチュリーの検診を始めていた。


「先生、原因は何ですか?」


 メンタは至って真面目な顔で検診を終えた魔理沙に症状を聞いた。


「後天性体調不全症候群だ……」


 格好良く言い張るがようは過労だ。しかしてゐもあながち馬鹿に出来ないというような表情で魔理沙を見ていた。


「な、治るんだよな?」

「彼女の症状は末期……助かる見込みはもう……」


 無論、面白半分冗談半分という最高に質の悪い演技だ。

 それとは別に咲夜、パル、早苗、イナバの四人は普段のことを考えて叱咤した。


「情けないわね。たかが一か月ちょいでしょ?」

「うん、一か月ちょいだね」


 咲夜とパルのダメ出しに始まり、早苗とイナバも粗を見つけては突っ込んでいく。


「普段から動いてないから余計に体力を使ったのね。ほら見て、部屋の隅に埃がある。手抜きでないにしても詰めが甘いわね」

「あ、でも料理は上達しているみたいですね。中々ですよ」


 その声が聞こえたのかどうかは分からないがパチュリーは譫言うわごとを呟いた。


「……そうじ……せんたく……ごはん……そうじ……せんたく……」

「可哀想に……こんなにやつれて……」


 その中で唯一擁護するのは霊夢だ。しかし彼女なりに考えた結果として何も出来ることが無いため特に何もせずに椅子に座っている。

 一方で咲夜たちは、というと……。


「あ、洗濯物の皺をちゃんと伸ばしてない。皺があると畳むとき大変なのに」

「洗い物も洗剤を使ってなかったようね。汚れがちゃんと落ちてない」

「こ、これ! このまな板、豚肉を切ったままになってる。食中毒起こすかも!」


 色々と目に余る箇所があり、容赦のない指摘を加えていく。


「お前等、ちょっと止めてやれ! パチュリーだって精一杯頑張ったんだぞ!」


 魔理沙のフォローもあるが咲夜たちは呆れ顔で振り返った。


「でも……」

「これは……」

「ダメね。それにお風呂にも入ってないみたい。髪の毛や肌の艶にこしもないわ」


 特に同性としても髪の手入れや風呂に入っていないという事態は多いに見過ごすことの出来ない問題だ。


「ボクちょっとお風呂沸かしてくる」

「私は着替え持ってくるわ」

「では、魔理沙は魔法空間の解除。メンタとてゐはお嬢様たちを外に連れて行って遊んできて」


 各自の判断で事は勝手に進み、パルたちの手によってパチュリーは風呂の方へと運ばれて行く。それと同時に咲夜の無慈悲極まる発言にメンタたちは狂喜し、怪しい手つきでレミリアたちに迫った。


「了解です!」

「へーい」

「腐腐腐、幼女の肉幼女幼女」

「ふへへへへへ」

「な、や、や――――っ!」

「な、何この人たちぃぃ!!」


 レミリアたちは全力で抵抗して魔法空間から紅魔館の外へと逃げていくがメンタたちも容赦なしに追いかけていく。

 時にグングニルが投げられようともメンタは知っていたように避け、フランはレヴァーテインを構えて突撃するがメンタの千を超えるスペルカードを突破することは出来ずに撃墜されて取り押さえられ、フランを逃がそうとして特攻をしかけたレミリアもてゐの不意打ちを食らって地面に落とされ――――……。


「いやぁぁぁああああああああああああああああ!!」


 二人の悲鳴だけが紅魔館に響き渡った。



 時は経ち、紅魔館の一部屋の寝台でパチュリーは寝かされており、その介護役として今は魔理沙が傍に付いていた。


「……ん、もう朝……。まずは洗濯して朝食作らないとね……」


 そんな中でパチュリーは譫言うわごとを呟きながら起き上がる。時間も今は昼間のため錯乱しているのは間違いない。


「落ち着け」


 傍にいた魔理沙も本を置いてパチュリーの顔にぬれタオルをぶつけ、意識を逸らさせる。


「へぶっ。……な、なにフランさ――って、魔理沙?」

「よっ。久しぶりだな」


 片手を上げて挨拶するとパチュリーは訳が分からずに困惑する。


「な、なんでここに?」

「そりゃ、咲夜とパルの付き添いだ。とりあえずもう働かなくて良いんだぜ。寝てろって」


 二人の名前を聞かされ、パチュリーの眼に宿っていたハイライトがフッと消えた。


「……ああ、夢を見ているのね。そうよ、ここに魔理沙はいない。都合の良い夢を見ているだけ。さ、早く起きないとレミリア様たちがお腹を空かせて待っているわ……」


 何処かの世界へと旅立ったパチュリーの肩を掴んで揺さぶるがあまり効果はない。


「こらこら待て待て! 私はここにいるし、咲夜もパルも後オマケに早苗に霊夢にメンタにてゐもいる! お前は疲れすぎてるんだ! 少し休め!」


 ガクガクガクガクと揺らしているとそろそろ交代の時間ということでやってきたメンタたちが部屋の扉を開けた。


「あ、目覚めたみたいですよ」

「おー、やっとか」


 メンタとてゐの言葉に続き、早苗と霊夢も入って来る。


「二日間も眠っていましたからね」

「あんだけ働けばそうなるわ」


 次いでレミリアとフランも飛び込んできてはパチュリーに抱き着いた。


「パチュリー!」

「パチュリー!」


 その奥からは咲夜とパルの姿もあった。


「そうよ。色々苦労かけちゃったみたいね」

「お疲れ様、パチュリー。さ、これ飲んで」


 パルの持って来た温かいコンソメ野菜スープを手にとって少し口を付けて飲み込み、パチュリーはホッと息を吐いた。


「……美味しい。体が温まるわ」

「もう、頑張り過ぎよ。でも、ありがとう」

「えへへ。なんかもう、良いかな…………」


 咲夜の感謝を受けてパチュリーは満足げに微笑み、危うくカップを落としかけてパルが手に取り、パチュリーの体が床に倒れる。


「……おいパチュリー? おい? おい!」


 あまりにも不自然な倒れ方に魔理沙は肩をゆすり気付けするが全くと言って良い程効果は無く、様子を見ていたパルたちの顔も少し青くなる。


「ちょ、ちょっと大丈夫!?」


 パルは思わず呼吸を確かめたが、完全に無いことを確認してから声を上げた。


「わわっ! ぱ、パチュリー息してない! というか心臓止まってる!?」


 パルの言葉に場はパニックになる。


「おい嘘だろ!?」


 今度は心音と脈を取るが、そのどちらも動いてなかったためにパルも見た事の無いくらい焦りを感じて咲夜に振り返った。


「脈が動いてない! 心拍数ゼロ! さ、咲夜ぁぁどうしようぅ!?」

「わ、わ、私が……早く帰って来なかったから……」


 この中では唯一冷静を保って居られそうな咲夜がパニックに陥り、それを見た魔理沙があんぐりと口を開けた。


「やべぇ! 咲夜が使い物にならねぇ!」

「さ、早苗!」


 パルも咲夜は無理と判断して早苗を見るが、その早苗もパニックに陥って口元に手を当てていた。


「あ、あ、うう、ああ……」

「こっちも使えねぇ!? せめて能力使えよ!」


 次いでレミリアとフランも幼児退行してしまい、イナバもあたふたして使えない。


「うわーん!」

「ぎゃー!」


 混沌とする場に一喝を入れたのは霊夢だった。


「うっさいわ!! 泣く前に動きなさい! 魔理沙! 今すぐにパチュリーを仰向けにして顎は上に! 舌を飲み込ませないようにしなさい! パルとイナバは交代で心臓マッサージ! 咲夜は使えないから退いて! ほらそこの泣き虫姉妹も退きなさい! てゐは氷水用意! 早苗は奇跡用意! 出来ないなら何でもいいから電化製品持ってきなさい! 出来ればドライヤー! メンタは理性を操ってパチュリーを仮死状態にしなさい! ほら動け! 急いで!」


 霊夢のほぼ的確と言える指示に全員が一斉に動き出す。


「お、おう!」

「はい!」

「はい!」

「いつもはクソニートなのに人命掛かったら急に輝くとかマジ主人公補正高いですね!」


 メンタの軽口に余裕のない霊夢は鬼の形相で命令する。


「メンタ! さっさとやりなさい!!」

「怖っ!? 能力発動! ってこれネクロマンサーですよね!?」


 事実ネクロマンサーに近いが、今はそんなことを言っている場合ではない。


「ドライヤーありました!」


 部屋を出て行った早苗がドライヤーを三台持って来てしまったが霊夢は躊躇うことなくコンセントを差し込み、次の指示を出す。


「ドライヤーは下に向けて温めて!」

「持って来たぜ!」


 てゐが氷水を持って来ると霊夢はそれをひったくり、顔に氷水をかけた。


「死人の顔と表面に氷水かけるとか鬼ですか!」


 メンタの喜々とした表情に霊夢は真面目な顔で反論する。


「何言ってんの。氷水は顔面にぶっかけた方が良いって相場が決まってるのよ。パル、ちょっと手、放して」

「う、うん」


 心臓マッサージを続けていたパルが一度手を離して少し距離を取り、霊夢は勢いよくドライヤーの電源コードを引っこ抜いて、氷水で濡れはじめた心臓部に突き立てた。

 当然ながらそんなことをすれば放電は免れず、凄まじい電撃が辺りに四散した。


「うわぁ!?」

「トドメ! トドメ刺しましたよ間違いなく!」

「馬鹿言わないでよ! 死んだ人間でも十五分以内ならまだ生き返られる。水ぶっかけた心臓部に電気流し込めば何とかなるって『月間・紅葉新聞』に書いてあったわ」


 その前後には多分、と恐らく、が付与されているため全員が渋い表情をして霊夢を見る。霊夢は一度咳払いして最後の工程に入ろうと言葉にした。


「あとは人工呼吸だけど……」


 誰がやる? と問う前にメンタとてゐがウハハーイと両手を上げた。


「キスタイムですね!」

「舌を飲み込ませちゃいけないからディープな方だよな!」

「あんた等、そういう所は知ってるのね。で、やる人ー」

「イエス!」

「オレオレ!」


 メンタとてゐが手を上げると霊夢はそっぽ向いて魔理沙を指名した。


「他! 魔理沙!」

「指名かよ!? ……ま、知らない仲じゃないし別にモゴモゴモゴモゴ……」


 満更でもなさそうな朱の気に霊夢は数歩距離を取った。

 ――カメラ用~意!

 ――任せろ!

 その背後でメンタとてゐの二人がカメラを片手にベストポジションに着こうとして魔理沙が指差した。


「あ、それとそこの馬鹿二人が背後に持ってるカメラ押さえとけよ」

「没収」


 霊夢も気付いてカメラを取り上げ、馬鹿二人はぴょんぴょんと跳ねて奪い返そうとする。


「ちくしょうカカロットゥ――!」

「ヤメ、ヤメロ――!」


 しかしどうあっても届かないのを悟ると二人は目を見開いて構えた。


「ならばせめてこの脳裏に焼き付けてやりますよ! 今年の夏コミ用のネタにしてやります!」

「今日こそ瞳孔開け幻想記録三十三分十二秒を超えてやるぜ!」


 どこまでも腐な二人に魔理沙は嘆息しつつ、霊夢は指示を出した。


「もういいからさっさとやりなさいよ。本当に死ぬわよ?」

「ええい! 分かったぜ!」


 それなら、ということでパルはメンタとてゐの腕を掴んで部屋の外へと歩き出した。


「さ、メンタもてゐも外出てようか?」


 次いで早苗とイナバがレミリアとフランを担ぎあげた。


「レミリアさんとフランさんも、ね?」

「え、ちょ、パル姉!? お願いですから見逃してください!」

「や、やだ! やめてくれ! これから良い所なのに! ってか全力抵抗しているのに引きずられてるんだけど!?」

「チィ、美味しいシチュエーションが……」

「よこっら。じゃ、咲夜も連れて行くんで後はご自由に」


 最後に霊夢が泣きじゃくっている咲夜を担いで手を振って退出した。


「……お前等なぁ」


 一人残された魔理沙は扉が閉まるのを完全に見計らってから愚痴った。



 夕食を食べ終えて外の陽も完全に落ち、夜がやってきた。今は紅魔館の居間で各自ティータイムを楽しんでいた。


「……気になります」

「超気になるな」


 それでもメンタたちはブレずに言い放ち、パルが宥めた。


「まだ言ってるの? 今はそっとしておいてあげようって霊夢も言ったでしょ?」

「それはそうですけど……」


 そこへ早苗が居間の扉を開け、その手にはお風呂セットを持っていた。


「お風呂沸いたよ~」


 パルも呼応して立ち上がり、メンタたちにも入浴を促した。


「はーい! あ、せっかくだしメンタたちも一緒にいく?」


 無論、二人のテンションはハイになる。


「うえーい!」

「ウハハーイ!」


 一番身近にいるパルがそんな提案をしたことに早苗は驚いて一歩後退る。


「ちょ――パル!?」

「早苗もどうかな?」


 パルは何てことないというように誘い、早苗は少し考えてから頷いた。


「……まあ、監視という意味では必要だから一緒にいきます」


 何かと理由を付けねば負けだと思った早苗は思い立って行ってみたがメンタたちはそうは思わない。


「そういう時は素直にウハハーイって言えば良いんですよ」

「へっ、これだから箱入り巫女様は」


 てゐの言葉は思わぬ所に被弾して、霊夢が立ち上がって抗議した。


「だ、誰がクソニートよ!」

「誰もそんなこと言ってませんよ!?」


 早苗のツッコミが入り、パルは可笑しそうに笑みを浮かべた。 



 紅魔館のお風呂は室内風呂ではあるが、咲夜とパチュリーの無駄に凄い画期的な能力の無駄使いによって半分ほどは露天風呂と化している。勿論、外観は夜景で綺麗だがあくまでも空間屈折程度にとどめているため現地の場所に誰がいようが今の彼女たちの姿を見るものは何処ぞの黄金のマガツキュウビ以外には居ない。

 そのお風呂でも問題は起きていた。


「……なあ」

「……なんでしょうか」

「あれは……核爆弾か?」

「水爆の間違いですよ。ええ」


 てゐとメンタの謎の問いかけと指の先にあるのは見る人がみれば鼻血を噴くのは間違いない巨乳。一応湯あみ着を着ていると言ってもパルと早苗の其れを見てイナバと咲夜はまだしてもメンタとてゐとレミリアは敗北感を覚えていた。


「はふぅ」

「良いお湯~」


 ちなみにフランはあまり関係がなさそうに、気持ちよさそうに湯舟に浸かっている。

 そんなパルたちを置いてメンタたちは言葉を繋いでいく。


「……我々の完敗ね。明日から牛乳飲むわ」

「そうですね。そう思って苦節五年くらい色々試行錯誤したんですけど成果は身長が伸びた程度でこっちはさっぱり絶壁スカスカです」

「師匠もそうだけど、何食ったらああいう風になるんだろうな?」

「ぶっちゃけオレはパル姉と一緒の食べ物を十数年くらい食べてますけどこれですよ。へっ」

「私なんて師匠と同じ物を千年単位で食ってるぜ」

「ピーエーディーも限度ってものがあるし……」

「盛り過ぎると逆に不自然だし」

「それに加えてあのスタイルの良さと来たら羨ましいですよ」

「それにあの肌の艶とこし。ありゃ間違いなく毎日手入れしているぜ」

「パル姉と同じクリーム使っていますけどね」

「毎日鍛えているんだけどな」

「本当、こればかりは不公平ね」

「マジで師匠に大きくなる薬作って貰おうかなぁ」


 はぁ……と三人は溜息を吐いて固く『風呂を出たら牛乳飲む』と誓った。

 その間、パルたちはというと……。


「なんかメンタたちの視線が怖い……」


 メンタたちからの一斉集中砲火を受けて気まずそうにしていた。時折早苗からも怖い視線を受けてどうしたら良いものかとパルは悩む。

 ――パルのスタイル良いなぁ……私も二の腕ぷにぷにだからなぁ……。

 早苗はそう思って自身の二の腕を掴み、パルの良く鍛えられて胸以外の贅肉一つ無い体付きを嫉妬し、心の中で泣いた。



 風呂を上がって、皆が就寝した後でメンタとてゐは魔理沙たちのいる部屋の前と集合していた。


「なにはともあれ、ですね」

「皆が寝静まる丑三つ時……私たちは動き出す」

「行きましょうか」

「腐腐腐……あ、そうそう。これ渡しておくぜ」

「これは?」

「通信用の木札だ。木札と言っても実際は術式を込めてあるから鉄より硬い。弾幕をガードすることにも使える優れものだ」

「良いんですか?」

「通信手段が無いと夏コミに支障が出るかもしれないからな」

「分かりました。ではありがたく貰っておきます」


 そこで一旦会話を切ってカメラの録画を押し、扉を押し進む。


「そーっと、そーっと」

「カメラよーし。我々探検隊は遂にここまでやってきたぜ」

「……ごくり」


 その背後ではレミリアが赤い目を更に紅くして生唾を飲み込んだ。メンタとてゐも少し驚いたが予想の範疇だ。


「おいメンタ。何か増えてるぞ」

「旅は道連れ世は情けですよ。ウェルカム、此方側へ」


 そういってレミリアを快く受け入れて少し左右に分かれてレミリアのスペースを作る。


「お、見て見ろ」


 てゐの指差す方向にいるのは魔理沙とパチュリーだ。


「くー」

「すー」


 同衾している……だけならきっと腐腐腐の妄想で終わっただろう。しかし彼女たちは見た感じ半裸っぽく、メンタたちはどうこう騒ぐことなく黙々と撮影作業を続けた。


「……」

「……」

「……」


 やがて満足したのかそっと扉が閉められ、三人は大図書館の中にある魔法空間へと入り、しっかりと鍵を閉めて溜めていた息を吐き出した。


「もう、良いですよね?」

「ああ」

「ええ」


 一つ頷いて、彼女たちは叫んだ。


「ヤバイですよ! あれは洒落にならないですよ!」

「マジだ! あいつらマジだぜ!?」

「何々!? あいつらそんな関係だったの!? 初めて知ったんだけど!」

「あれが、あれが真にあるべき姿ですよ! オレたちが求める究極の姿です!」

「だが待て! 魔理沙は確か霊夢のことも狙っていたってことはそう遠くない内に戦争が起きるぞ!」

「もう誰得よ! イエス、私!」

「あ、鼻血が……」

「うっ……あれはエロい。生はヤバイ」

「腐腐腐……パチェがアレなら私だってもう隠さないわ。腐っていると言われようとも今日見た事を今後永久金輪際ネタにしてやるわ」

「腐腐腐……同士がまた一人増えましたね」


 腐腐腐――と不気味な笑い声と魔理沙たちの姿がバッチリ映った映像を鑑賞しつつ三人の夜は更けていく。



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