24話 疑問
―――その日の夜
私はお父様の部屋に来ていた
「失礼します、お父様」
「あぁ、どうしたんだ?」
お父様は少しだけ書類を書いていたであろう手を止めて私の方に顔を向けてくれた
「お聞きしたい事があって参りました」
お父様はすぐに視線を手元にある書類に戻し、書きながら答える
「なんだ?」
「本日クラウデレと会った際に疑問に思ったのですが、クラウデレは一体何処の家の子なのでしょうか?
送迎に馬車を使えている所や彼の話を聞くに、どこかの商家の子とかですか?」
お父様は書いていたペンをピタリと止めた
「あー......あぁ、まぁそんな所だ
今は気にする必要はないよ。
お前も彼の事を気に入っているようだから
今後は彼もローセル公爵家の者になる。
そのうち分かるだろうから、その時を待ちなさい。」
お父様は少し焦ったように答えてくれた
心做しか、お父様の額には冷や汗が伝っているように見える。
怪しい、怪しすぎる。
でもこう言うって事は今は言えないような事情があるって事だ
だったら、どれだけ聞いても答えてはくれないだろう。
まぁ、そもそも会う前に言わない時点でおかしかったし。
今は諦めるしかないね。
「......そうですか。分かりました今はそれで納得しておきます。」
お父様は明らかにホッとしているようだ。
「で、ではお前の執事は彼に任せよう。手配しておくから。今日は疲れたろう。ゆっくり休むんだぞ」
そこまで隠すクーレの家の事は気になりはするが
結局私の執事決めをしなければいけないのは変わらない。
であれば、ちょっとでも仲良くなったクーレにやってもった方が私も気が楽だろうし。
「はい、ありがとうございます。
おやすみなさいお父様。」
今は気にしないようにするのが一番かもしれない。
今後クーレとは私の執事として長いつきあいにあるはずだ。
その中でわかることもきっとある。
まずはクーレのいる生活に慣れるところからかな。
仮面を見ても驚いて顔に出ないようにするとか......ね?




