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陸上自衛隊 特殊作戦群 第三小隊 西表島 山中 ②

風見 龍真 (かざみ りょうま) 射撃手  陸士長

鬼塚 朱雀 (おにづか すざく) 擲弾手 一等陸士

 

 西表島の未踏の密林。その地は、自然の圧倒的な力に支配されていた。暁月彰人は、この大自然の中で自分がただの訪問者でしかないことを痛感していた。分隊が踏みしめる地面は、何百年もの間、人の手が触れたことのない原生林の一部だ。


「気をつけろ、滑りやすいぞ」と剣崎一真が低い声で警告を発した。彼は分隊を先導し、その鋭い目で常に周囲を警戒している。暁月はその後ろで前方に集中しながら歩いていたが、隣にいた風見陸士長が突然立ち止まり、場に緊張が走った。風見の視線の先には、とぐろを巻く大蛇がいた。


「動けない…足がすくんじまった」と風見の声には、恐怖が色濃く滲んでいた。後方にいた鬼塚一等陸士は、風見が極度の蛇嫌いであることを思い出し、冷静に指示を出す。「深呼吸しろ、風見。視線を外さず、ゆっくり後退するんだ…焦るな」


だが、鬼塚自身も内心では緊張を隠しきれない。そんな中、剣崎が前方から戻り、一瞬の躊躇もなく蛇をライフルの銃身で谷底へと叩き落とした。「ここでハブに噛まれたら命はないぞ」と、冷静に言い放つ。


分隊は再び動き出した。副分隊長の剣崎は、重い7.62ミニミ機関銃をしっかりと構え、冷静さを保ちながら前進を続ける。その姿に、暁月は彼の揺るぎない信念と強さを感じ取った。


一方、分隊長の炎城は、無言で風見に圧力をかける。「こんなことで怖気づいてどうする?」という視線が、彼の厳格さを物語っていた。風見はその視線に応え、なんとか足を動かし始めた。


分隊は再び密林の奥深くへと進んでいく。暁月は、自然の脅威と隊長たちの厳しさに直面しながら、自らの役割を果たすべく、緊張を内に秘めて前進を続けた。



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