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10-1音*.♪❀♪*゜ 真神学園

真神学園────。


桜歌皇国に初めて設立された、ヴァンパイア専用の魔法学校は、とても壮大だった。


「わぁぁぁ!おしゃれ〜♪魔法学校はやっぱり、お城だよねー!」


マイナは瞳をキラキラ輝かせ、学園を見上げる。


広大な土地にそびえ立つ学園は、まるでおとぎ話にでてくるような優美なお城で、細やかな金の装飾が、あちこちにバランスよく施されている。


柔らかな煌めきを放つ金細工は、上品でとても美しい。


────そんなお城は昼は純白に、夜は月の光を受けて白銀に輝く。


神秘さと知性を兼ね備えた、幻想的な雰囲気を持つ、荘厳な魔法学校だった。


「さすが、ユキとマイナだね。二人に頼んで正解だったよ。何度見ても、美しい────。二人とも、素敵な学園のデザインをありがとう」


スイは二人に視線を向けると、ユキはニコリと笑う。


「むしろこちらこそよ、スイにぃ。私達二人の合作が、こうやって形になるのは、とても嬉しいわ」


ユキの言葉に、マイナは頷き微笑んだ。


桜歌皇国は、イルヴェリーナ皇国の第三代目魔王ミリアーナとその子孫である、マイナ達カミノ家兄妹によって創設された国────。


元人間のヴァンパイア達が、暮らしやすいように創られたこの国は、異空間に存在している。


まだその体制は整備中で、人数制限が設けられているが、ゆくゆくは解除されるはすだ。


望めば人間も住める国にするつもりだという。



──── 人間とヴァンパイアが手を取り合う世界。



その一歩が、この国なのだ。


 

魔界とは違い、元人間のヴァンパイアでも通いやすい真神学園は、ヴァンパイアの能力についてや基礎の初級魔法から難しい上級魔法まで、個々のレベルに合わせて学んでいく。


身につける教養は、魔界にある魔法学校と同じで、魔界、天界、人間界などについて学習し、知識を広げていくのだ。



全ては自由であるが為に────。



。❀·̩͙꙳。。❀·̩͙꙳。。❀·̩͙꙳。。❀·̩͙꙳。。❀·̩͙꙳。。❀·̩͙꙳。。❀·̩͙꙳。




学園を囲う、おしゃれな造形のフェンスには、等間隔にリボンが結ばれている。


(かわいい〜。この飾り……お兄様たちが、手ずから作ったんだよね?)


学園を引き立てるように、他にも様々な形のペーパーフラワーが、飾られていた。丹精込めて作られたカラフルな花々は、本物と同じぐらい美しい。


(綺麗だな……私も一緒に作りたかったよ〜。……そうだ!来月、お兄様のお誕生日の時に作ってみようかな?)


マイナは、そっと飾りに触れ……家族内の誕生日パーティーのセッティングを思い浮かべた。


(ケーキにプレゼント!他にもいろいろ用意しないと……今年は、どんなのにしようかなー?)


脳内で必要なものをリストアップしていく。


毎年みんなで作り上げる誕生日パーティーは、兄妹にとって大切な一大イベントだ。


(去年よりもさらにパワーアップした、素敵なお誕生日パーティーを準備しなくちゃ!楽しみにしててね、お兄様)


マイナは、ちらりとスイを見上げた。


────ふと、隣から声が聞こえてくる。

視線を移すと、ヒヅキとミヅキが呆然と立ち尽くしていた。


「スケールデカすぎないか……?」

「何人、入るんだろう……」

「…………」


ユヅキは眠そうにぼやけた瞳で見上げ、ボーッと見つめると……そっと瞼を閉じる。


「うぉーー!やっぱすげーな!魔界にある、一番大きい名門校の魔法学校と遜色ないじゃん」


ショウの楽しげな声が響く。


「当たり前でしょ。誰が作ったと思っているのよ。私達にかかれば一瞬よ!……って言いたいところだけど、創造以外は三日かかったのよね……完成に」


ユキがそう言うと、ショウは疑問を浮かべた。


「三日?創造以外も何も、全て魔法だろう?せいぜい多めにみても、一時間じゃねぇーのか?」


基本、魔法とはイメージの具現化だ。

想像することで、魔法が形となり現れる。それは、どんな魔法であろうとも変わらない。


ゆえに、創造力が豊かな人ほど、魔法に優れているのだ。


マイナとスイ、そしてユキの三人が創造魔法で桜歌皇国を創ったことを知っているショウは、一瞬でできるはずだと考えたのだろう。


────それは間違いではない。


「空間や建物なら、すぐに終わったよ〜。創造魔法を使えば一瞬☆付与魔法で構造強化や保護魔法もかけて、合わせて5分もかからなかったかな〜」


ほんわかと、まるで何でもないかのように告げるマイナと反対に、ショウは軽く目を見開くと面白そうに笑った。


「へぇ〜、さすがだな!プロの建築魔導士より、めっちゃはえーじゃん!いや、それ以上か!」

「当然じゃない!ほぼ全部、マイナが創造魔法で創ってくれたんだから!あっという間に終わったわよ〜。本当に一瞬!私たちは、微調整を手伝っただけ」


ユキはマイナを抱きしめると、ぴたっと頬をくっつけた。


「なんたって、私の妹は天才だもの〜!!」


すりすりと頬を寄せるユキは、嬉しそうに声を弾ませる。マイナはくすぐったそうに笑うが、すぐにショウと三つ子は「「「俺(僕)たち、の!!妹だ(だよ)!!!」」」とユキにつっこんだ。


だが、ユキは一瞬動きを止めると、弟たちを挑発するように勝ち誇った笑みを浮かべ、その瞳には冷笑が宿っていた。


「っ!?」


表情と同じ……冷たい凍てつくような魔力に触れたショウは息を呑む。


すぐにユキは興味を失うと、また妹の頬を堪能し始めた。その間も、ショウと三つ子の周りだけ気温が下がり、マイナスへと変わっていく。


兄たちの周りに漂う、ユキの魔力によるものだろうう。


優しいひんやりした空気がこちらまで流れてくるが、おそらく兄が立っている場所だけ異なる。


────極寒だ。


平然と立ってはいるが、呼気の凝結が見えるほどだった。気温が下がり続けた結果、とうとう足元や服などが凍り始めていく。


「さむっ!信じられねー。この男女!!」


ふるりと背筋が震え、ショウは両腕を抱える。


拳を握り締め、ショウもユキに向けて魔力を放つが……悲しいことに、ユキは気にも留めない。

そのことがさらにショウの気を逆撫でする。もし漫符が見えていたなら、頭には怒りマークが浮かんでいたことだろう。


「まったく……しょうがないね……」


二人のやりとりに呆れ、スイは苦笑する。


「本当に」

「なんだと!?」


ユキがため息を吐きながら同意すると、ショウは叫んだ。




⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎に魔力を注いで(ポチッと押して)応援頂けると嬉しいです。❀·̩͙꙳とても励みになります໒꒱·̩͙⋆.*


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