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桜と俺たち
ミキオ達は放課後、学校から家に帰っていた。
道路脇には、桜が咲き誇っている。
「めちゃくちゃきれいだな」
ミキオがそう言うと、
「ホントにきれいだな」
とカズも同調した。
「こうして見ると、お花見したくなってくるな」
タクローが言うと、
「今度やるか?」
とミキオが言った。
「お、いいね。やろう」
カズが言った。
「もう、春なんだな…」
タクローがもう一度桜を見る。
桜はこれ以上ない綺麗な状態で咲いている。
「あれからもう2年ぐらい経つのか…」
ミキオが物思いにふける。
あと1年でミキオ達は卒業し、それぞれの道へ進む。
そのことを実感してきた。
「今度の土曜日でどう…? 」
ミキオが花見の予定を提案してきた。
「うん、それなら空いてるよ」
カズが了承した。
「うん、俺も土曜日なら空いてるよ」
タクローも了承した。
「よし、じゃあ土曜日な!」
ミキオはそう言うと、自転車の速度をあげた。
「おい、ミキオ、そんなにスピード上げたら危ないぞ!」
カズとタクローも懸命に後を追った。




