終業式と俺たち
「今日で年度末らしいぞ」
ミキオが突然言った。
今日はミキオの家に集まっている。
「え?いきなり何を言っているの?」
カズがキョトンとしている。
「いや、だから今日は3月31日だろ。だから年度末だなぁって」
「だからって何で今言うんだよ」
カズが呆れた声で言った。
「明日からは俺たち3年生になるだろ。だから今のうちに振り返っておきたいなぁって」
「だったら、最初からそう言えよ」
カズがツッコんだ。
「カズって最近俺に厳しくない?」
ミキオがたじろいだ。
「いや、気のせいだよ」
カズが口笛を吹く。
「早速、1年を振り返ってみようよ」
タクローが話を本題に戻した。
「今年、何があったかな…」
3人は1年間にあったことを思い出してみた。
「…何も覚えてないな」
ミキオは苦笑いした。
「俺もだよ」
タクローも苦笑いした。
「結構覚えてないな」
カズは頭をかいた。
「まぁ、それほど充実してたってことじゃないの?」
ミキオが強引にまとめた。
「そうだな」
タクローが同意した。
「なんか強引だな」
カズがまたミキオにツッコんだ。
「カズ、新年度は俺に優しくしてくれよ」
ミキオがそう言うと、3人は一斉に笑った。
7日後は始業式である。




