おまけと俺たち
「よし、開けるぞ」
ミキオはお菓子の箱を開けようとしていた。
中を覗いて取り出して見ると、ミキオはガッカリした様子を見せた。
「またハズレだよ」
ミキオ達が開けたのは、お菓子の「ショコエック」。
丸っこい形のチョコのお菓子なのだが、ミキオ達のお目当てはおまけである。
このショコエックはおまけがついており、それがかなりのハイクオリティとSNSを中心に話題になっているのだ。
なので、ミキオ達もこのショコエックを買って、おまけを集めているという訳なのだ。
「よし、次は俺だな」
カズはショコエックの箱を開ける。
恐る恐る箱を覗く。
「うわ、ダブっちゃったよ」
カズは落胆した。
「よし、次は俺だな」
タクローがショコエックの箱に手を伸ばす。
「頼む、タクロー。もうお前しかいないんだ」
「絶対に当ててくれよ」
ミキオとカズが祈る。
「そんなに祈られても…」
タクローは苦笑いしながら箱を開ける。
「お、これは…」
タクローが声をあげる。
と同時に、ミキオとカズも前のめりになる。
「…外れた…」
タクローがガッカリした声で言う。
「こっちもガッカリだよ!」
ミキオがキレる。
「ミキオ、なんでキレてんの?」
タクローがまた苦笑いを浮かべた。




