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ボンスタ(二) -朝のはじまり-

恋愛タグ入れてみたくて書き始めました。

朝四時、最近早寝が過ぎるのか、目覚めも早い。顔を洗ってウォーキングという散歩に出かける。

今年がいくら暖冬だろうと、この時間は寒い。格好は運動着らしいジャージの上下だけど、その下は寝間着のままだ。

どうせこの後洗うのだし、寒いし、そもそも誰も見ないし。

ダメだ、どうしてもこの格好に罪悪感なようなものに言い訳が出てくる…いやこれは合理的なはず。

合理的、それはなにより優先すべきこと。うん、間違ってない。

首に巻いたマフラーと指先から暖まるハイテク手袋は、この時間に強く吹く山からの冷たい風を遮ってくれる。

きっと今わたしはすごく変な格好だろう。両手で顔を覆い指の隙間からだけ前をみる。

とはいえ、ここは田んぼが広がる田園地帯。頭と足首に巻いたLEDは誰も照らさない。

15分も歩くと完全に覚醒する。目はぱっちり開くし、寒さでひきつっていた頬も柔らかさを取り戻す。

そしていつも働いている事務所が見えてきた。二階建ての建物は一見しっかりした作りに見えるが外に階段のあるプレハブだ。

まだ明るいのは今日も徹夜が続いてるのだろう。

その明かりにかすかに照らされているのが初代の事務所(プレハブ)

人数も増えたし格好も大事と建てた今のプレハブはちょっと高級。台所はもちろんシャワー室まであり、ネットワークケーブルはばっちり床下を通っている。

対して初代は気密だけはしっかりしてる。隙間風が足下を這うことはないし、かといってストーブをたいて中毒になるようなこともない。

だがそれだけだ。今は資料という名の週刊漫画と使い倒されたPCが置いてある休憩室になっている。サーバー用だとかで一台動いてるPCもあるのだそうだけど、あの山はどれが動いているのやら。

さて、化粧もしてないし誰かに見付かる前に帰ろう。

五時前、あぁ〜〜〜んん〜〜。朝風呂はいいねぇ〜〜ェ♪

ふう、ポカポカ。冬は倒れる危険があるのでスッとは立たない。湯舟の(へり)で一呼吸。

着替えはこの時間になると同居人たちが起きてくることがあるので恥ずかしくない格好。足元がモコモコしていてもこれは必要措置。恥ずかしくない恥ずかしくない恥ずかしくない…慣れた。

そして戦いの前の一息。ふぅ。


六時、ぐつぐつぐつ、タンタンタン。

鍋の中にはにんじんと里芋。出汁?しらんなあ〜。

カコッパカッカコッパカッカコッパカッカコッパカッ。

卵をお椀に割り入れ、

カシャシャシャシャ。

卵は角じゃなく平坦なところで割りましょう。殻が出ないです。お椀を使うのは洗い物削減。

刻んだニラを入れて、

ジュワーッ。

フライパンの上に一気に入れた四人前の卵が踊り出す。

カシャカシャ。

最初のうちはすぐにかき混ぜ小さなダマを作っていく。ダマの数が増え固まりになってきたところで火を弱める

後はオムレツ、トントン、トントン、ヒノノニトン。

ぐっふ。完成。中ふんわりオムレツ。

さて、これを四等分するのが難題だ。

しかし、知ったことじゃねえ。朝からそんなの気にしてられるか。

そして煮だっていた鍋の火を弱めて、パララパッパパー。

「ダシ入りお味噌ぉ」

適量といいつつ適当に、お玉で直接取って卵で使った箸で鍋の中で溶いていく。

ふう、もうひと頑張り。

カコッパカッカコッパカッカコッパカッカコッパカッ。

オムレツ第二段。こちらはさっきよりダマを多めに〜。むふふ、ふんわり〜。

こちらも四等分して。

「いただきます」

むほっ、ふんわり〜な出来立ての玉子を食べられるのは調理者の特権。

作るのが早いんじゃない。起きるのが遅いのが悪い。うんうん、正論。

いまさらごま油入れるの忘れていたのでマヨネーズで味足し。

完☆全☆正☆義☆悪☆滅☆完☆了

うん、意味分からないけどマヨ様は偉大ということで。

ズズズッと味噌汁飲んで、白米かっくらい〜のでお膳を下げて、フライパンを温めごま油お〜ん。香りが広がったら、さっきのオムレツにタラーッ。

ということで、今日の朝食当番終了。

え?おかずが少ない?冷蔵庫に納豆も豆腐もキムチもあるし。わたしはもうおなかおきましたし。※)


いまさらだけどここは会社の寮のようなもの。昼と夜は各自で都合つけるけど、朝は絶対食べろ。味噌汁と玉子焼き!というのが寮訓。

朝だけは持ち回りで当番となり、今日の当番がわたしだったわけだ。


うーん、それにしてもまだ七時過ぎ早起きが過ぎた。まっいっか。足のモコモコ取って、上着をはおる。お仕事モードに変身。

といっても行き先はコンビニ。資料という名の漫画を買おう。車のキーを持ち寮らしきを出る。

ハイブリッドなんてなんのその買い換えがエコなどという虚言なんて振り払い今日も走るよハイリンガー。※)初代が出たのはもう30年前、四輪駆動の軽は需要があるのか無いのか。排気量の増えたこのモデルでこそ完成型だろう。当時として画期的なのは後部座席の2WAY仕様。一つは背持たれを前に倒して積載量アップ。もう一つは後ろに引き倒すことで柔らかベッドの出来上がり。多少長さが足りないが足を曲げたり、斜めで最高の寝心地。

その寝心地を味わったのも五年前の88ヶ所巡りのときに一度だけだけど。

エコだなんだと言っても、確かに乗り換えた方が環境に良いのだろうけど、でもね、まだ走れるの。燃費、排ガスというけどね、新しいその車、各パーツが作られ、運ばれ海越えて、組み立てられてはいどうぞのその過程よりも環境に悪いかな。

それよりなにより後部寝台が最新型ではなくなってるのはどういうことか!

寝たまま走って事故でもあったのかな。

そんなこんなで着きました。

♪あなたの後ろに貞江マート♪(く〜るきっとく…)

。※)ローカルでありながらあのホラー映画とのコラボは見事だなあ。この場所を友達に知らせないと………。

うぅ、怖かった。

さてとヤングなやつは実費でどうぞ。少年系と月末発売の月刊誌、あとは…飯テロ用に朝ごはんな漫画とクッキングな漫画を追加。

コーヒーも買ってっと。


そして事務所(初代)に到着。

靴を脱いでマットのような絨毯にあがり、マッチを使ってストーブ着ける。足を伸ばしてヒザ掛けかけて、本棚を背持たれに買ってきた漫画を広げて自堕落モード突入。これより出社時間まで一時間ちょい、だらけ、入ります。


と、スマホの画面に更新マーク。

今まさにいるここで作られているゲームに更新が。

あれ?なんかあったっけ?


とここまでがわたし、久松永(ひさまつなが) 慶子(けいこ)の地球での最後の記憶です。

えーと、漫画読んでて、あっやばい、遅刻!なんて外に出てみたら、なんか、目の前に寮があるの。あと事務所(ちょっと高級)

そのほかにはなんにもないの。田んぼだった周りの景色はカラカラの大地。

あれ?これどうなってるの?



※)おなかがおきる = おなかがいっぱい という方言

ハイリンガー 当然架空。丘を越えてハイキングがコンセプトの四輪駆動車。初代は後部座席のない2シート。短い車体はそのままにロボットの操縦席に合体するアニメCMは当時の子どものあこがれ。

貞江マート もちろん架空。どんなコラボかなあ。

恋愛?そんなタグ入れてねーし、なんかただの朝メシだけのまたプロローグになっちゃった。

ちなみに主人公は彼女だけでなく最低5人は用意したい。

全然未定ですが。

ほんと、恋愛タグ入れたくて書き始めたはずなのに…。

次書くときはきっと異世界から始まる。たぶん。

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