転⑨
⑨玄徳の危険センサーが 最大限に達したまま 当日を迎えた 店は繁華街 昔々はもっと賑々しかったであろう通りの地下一階にあった 潜って行くとドアーがあり押し開けると いかにも絵に描いたような ボーイが畏まっていた 貸し切り飛び入り来客歓迎との事だったせいか 特に名乗りを上げなくても サッと奥へと案内をされた 店内はやや細長く その真ん中辺に ハチクマの息子が数人の仲間たちと一緒にいた やぁ おいっす よく来てくれた まぁ座れや 適当に まだまだ来るとは思うが 他にも では 通路を挟んで 入り口右手側 もう少し奥へと陣取った 入り口が見える席に座る オードブルだろうか 先程のボーイがサッとテーブルに提供した 玄徳は頭にまだ靄がかかったように薄ぼんやりとしていたが 急にハッとした 名乗った訳ではないのに 先程のボーイは 本田様といって提供していった ハチクマの息子の指図ではなさそうだ とすると 狙いすましたかのように 入り口から現れ出たものがいた ようこそ皆様 濱崎から参りました エトランゼのオーナー 蘭世でございます ひとしきりハチクマの息子に挨拶した後 本田の席へと歩み寄ってきた 玄徳の危険センサーは完全に振り切れて吹っ飛んでいた




