転⑦
⑦やぁ どうしたの そのバイク 貴方 お免状はあるの 有るには有るんだが 期限が切れてしまっていて 更新するのも面倒で メットを外す アタマを掻いた そのアタマに 女史のブックセットがヒットする 貴方ねぇ いい加減 まぁ いっか あたしも最近 皆んなから避けられるようになってしまっているし もうひとつメット有る 進は待ってましたとばかりにメットを手渡す 女史は後ろの席に跨った ナウ ゼッツ 文化祭で 全裸マッパ祭りが開かれようとしていた 完全にモグリで 当局の許可はなし 野郎どもがショウユアティシュと呼ばはると ナオンどもはショウユアディックと 叫び返す まぁ早い話 野郎ナオンどちらも皆恥ずかしがって 脱ぎ切らないでいる中 女史の脱ぎっぷりは際立っていた 昂然と顎を上げて行進する様は 海の向こうも さるものと思わせるものがあった まぁ 進や鳳雛みたいな 例外もいたが 伏龍なんぞは恥ずかしがって遠巻きに見守っているだけだったが 完全に目の玉がホの字になっていた 後から鳳雛が呑ませ方が足りなかった失敗したと言わしめたくらいだった コレが 構内限定とはいえ 大問題となった 参加者を全員 退学放校処分にせよとの声が 俄に湧き上がった 教授陣はモチロンのこと 厄介なことに 濱崎の政府からも査問を受けたという 話だった 野暮用で未参加だった堀部が 火消しに動いた 間もなく騒動自体がなかったかのように 静まり返った が 構内は何処か澱のようなものが溜まっている様に思われた そんな息が詰まりそうな環境で 何かが壊れかかっている様に思われた 何かと理由をつけてはいや理由なんぞ無くても戯れ群れ合ってた 塊が バラバラになろうとしていた 大人になるということ 卒業の足音が近づいていることとは そういうことであったのであろうか なんとはなしに流れ行く日常に楔を打とうと動くものがいた 先ずは伏龍 女史に果敢にアプローチ アタックするものの 玉砕 最後は合気道だか なんだかの 気合で投げ飛ばされて終わった まぁ道場で道着を着ての 百回連続受け身を3セット喰らっての沈没だから まぁ 本望であろう 鳳雛は何故か急にダイエットに目覚めたらしく全身タイツを履いて俄ダンスに没頭したが やはり似合わないことはやるべきでは無かったらしく全身痛み止めの貼り紙だらけになって自然消滅した 堀部は父親の手伝いとかで学外にいることが多くなり滅多に学内で見かけることは無くなった ハチクマの息子は育ち盛りの娘達を抱え請負の仕事を増やしていた そんな中での進のアクションだった 何処へ行くつもり 山間部は取り締まりが厳しそうだから シーサイド海岸沿いに行こうかと 静濱はチト遠いから その手前の何処かで ゆっくりのんびりと 風に吹かれようかと OK泊まりは無しでお願い 夜はやっぱり自分の部屋でゆっくりしたい 了解 最初に当たりをつけていた ドライブインは平日のせいか閉まっており 午後の大分遅い時間に 道っ端の雑貨屋さんで 食料調達するハメになったのは誤算だったが 浜辺で風に吹かれるのには 丁度良かったかも知れない 他愛もない話を 女史希望でリングァフランカで話をした 久しぶりの会話だったので 思いのほか話は弾んだが キリがないので途中で打ち切り 来た道をそのまま Uターンして 戻って来た バイクはモチロン 堀部のもので 道順だと堀部宅が先 女史の家は後になる 流石に暗くなって来たうえに 長距離の移動で疲れも出ていた ちょっくら 堀部宅で休んで行くか 堀部宅のアパートでバイクを停め キーを郵便箱に投げ込む 代わりに郵便箱からアパートのキーを取り出して 女史に見せてみせる 女史も当たり前のようにアパートに二人でなだれ込んだ 翌朝 堀部がアパート宅に戻って来て バイクの返却を確認したが 部屋のキーは無く なんとはなしに 部屋の外を確認して 何かを感じ取ったのか そのまま 又何処かへと消えていった




