エピローグ:世界で一番幸せな地獄
一月後。
垂直都市の最上階に追加された『第8階層:天上庭園』。そこでは、元天使たちがエプロンを締め、元魔王たちと一緒にパンドラの「卒業式」の準備をしていた。
「パパ! 見て、空がとっても綺麗だよ!」
パンドラが、新しく手に入れた虹色の羽でふわふわと空を舞う。
隣ではルルが影の羽をバタつかせて追いかけっこをし、ルシファー様が「やはりパンドラの羽は宇宙一だ」と一眼レフ(機神クロノス製)で連写している。
「管理人。……結局、天界まで飲み込んでしまったな。もう『垂直都市』ではなく『垂直世界』と呼ぶべきではないか?」
「名前なんて、どうでもいいですよ。……私は、娘が笑って、皆さんが元気に働いて(絶望して)、そして毎日美味しいご飯が食べられれば、それで満足です」
私は、山積みの書類(新階層の予算申請書)を前に、パンドラが淹れてくれたお茶を啜った。
【通知:全業務、完了】
【現在の状況:世界は平和になり、地獄は賑やかになりました】
【管理人のステータス:幸せな疲労】
【備考:パンドラの箱の最後に残っていたのは――やっぱり、最高の家族でした】
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