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Doubt common sense ~名選手が必ずしも名監督とは限らない~  作者: ぷやっさん


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21/72

第21話「後半開始 ― 王者の切り札、投入」

前半終了。

スコアは 南東京 1-0 関東大瑞穂。

瑞穂が70%以上ボールを持ちながら、

一度も南東京のゴールを脅かせなかった。


■ 実況席のざわめき

「ここで前半終了のホイッスルだ~!

南東京高校が開始30秒のゴールを守り切り、1点リードで折り返します!」

木村が興奮気味に続ける。

「栗林監督、関東大瑞穂高校は攻めあぐねた印象でした。

そろそろ原因を教えていただけますか?」

栗林は、少しだけ間を置いて言った。

「答えは……」

そこで映像は切り替わる。


■ 南東京ベンチ ― 鳥海の読み

宮本がボトルを手に話しかけてくる。

「個人での打開力がない。監督の言うとおりですね」

鳥海は頷く。

「1軍と2軍ではメンバーが違うから心配だったが……

1軍にそもそも“打開できる選手”がいない。

だからプラン通りだ」

宮本も納得している。

「抜かれる心配がないので、スライドも受け渡しも楽でした。

体力もそこまで使ってません」

選手たちの顔には手応えがあった。

「このまま守り切る。

あとはカウンターだけ狙え」

「はい!!」

選手たちは後半に向けて動き出す。

だが――鳥海の表情は少し曇っていた。

(気になることが一つある……)

最悪のシナリオを想定し、

鳥海はある選手を呼んだ。


■ 瑞穂ベンチ ― 志波の焦りと決断

志波は頭を抱えていた。

(どうする……このままじゃ点は取れない)

そこへ背後から声。

「悩んでるな~」

振り返ると、栗林が立っていた。

「すいません……ふがいないサッカーで」

志波は頭を下げる。

栗林は笑って言った。

「いい経験してるだろ。

格下だと思って油断し、対策され、先制される。

鳥海の思い通りだな」

志波は言い返せない。

「だからこそ、思い切って試せる」

栗林の目が鋭く光る。

「……わかりました」

志波は覚悟を決めた。

「凌馬を呼んでくれ」

マネージャーが呼びに行く。

「なんでしょうか?」

現れたのは、

背番号10――志波凌馬。

「凌馬。後半から出るぞ」

「出ていいんですか?」

驚きと喜びが混ざった声。

「負けるわけにはいかない。頼むぞ」

ラストピースが動き出した。

「わかりました。アップします!」

凌馬は走り出した。


■ 実況席 ― 後半開始前

栗林が席に戻る。

「どんな話をされてきたんですか?」

「覚悟を決めてチャレンジしろ、とだけ言いました。

後半は期待していいですよ」

木村が声を張る。

「両チームの選手がピッチに戻ってきました!

関東大瑞穂高校、選手交代があるようです!」

アナウンスが響く。

「後半から出場するのは――

背番号10番、志波凌馬選手。

ポジションは右ウイングです!」

木村が続ける。

「志波コーチの弟さんで、今年入学した1年生……

栗林監督、この選手は?」

栗林は微笑む。

「下級生ですが、いいものを持ってますよ」


■ 南東京ベンチ ― 鳥海の警戒

「鳥海監督!」

控え選手が駆け寄る。

「なんだ?」

「相手、選手交代です!」

鳥海は静かに言った。

「もしその選手がウイングなら……気をつけろ」

控え選手たちが首をかしげる。

「なんでですか?」

鳥海は短く答えた。

「この状況を変えられる選手――

つまり“一人で打開できる選手”ということだ」

その瞬間、アナウンスが響く。

「背番号10番 志波凌馬選手、右ウイング」

鳥海の目が細くなる。

(来たか……最悪のシナリオ)


後半開始の笛が鳴る。

南東京 1-0 関東大瑞穂

後半、運命の45分が始まった。

ウンスがこれからの激闘の始まりを告げた。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!

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