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いつか空につりあう日  作者: 白銀トオル
おまけ 番外編
39/39

国境支部の祝福

2016.03.05 更新:1/1


国境支部のアニキたちによる、おまけの小話です。合間のちょっとした読み物にどうぞ。


◆◇◆


【いつか空につりあう日】を読んで下さりありがとうございます。

皆々様から寄せられパンパンに厚くなったこの心のネタ帳を、どう解き放ってくれようか。そんな風に虎視眈々と狙いながらプロットを組み立てる日々です。


私生活が多忙になってきましたが……創作してなきゃ息できない病なので、のんびり活動していきます。

 アルシェンドの国境線を守る国境支部に、その日、激震が迸った。

 鍛え抜かれた――いや、鍛えすぎて高確率で悪漢に間違えられるようになった国境の騎士たちは、表情を崩し、あるいは驚くあまり叫んだりとして、各々が驚きを露にした。


 ――――国境支部が誇る最速ペアの騎竜、竜人テオルグの背に乗る、第二の騎者が現れた。


 いや、もっと別の言い方をするならば。


 ――――鋼の竜人テオルグに、どうか我が背へと願い告げる、異性が出来た。


 その衝撃は、有事の際の前線基地となる役割を持つ要塞の隅から隅まで駆け抜け、堅牢な佇まいをビリビリと震わせた。比喩なく、本当震えた。主に騎士たちから上がる絶叫のせいで。

 鋼とまで呼ばれる、あの竜人に。精鋭揃いの国境支部の、最速の騎竜に。騎士団上位の実力と美しさを持ち、ついでに鋼の顔面とまで最近呼ばれるようになったあの男に。

 背中を許す異性だなんて。


 並みの事では動じないはずの国境支部の騎士たちは、ひとしき騒いだ後の現在――――




「ついに離反者が現れたな……」

「どうして鋼の顔面が……」

「俺たちだって夢を見たい……」



 ――――葬儀の最中のような、沈痛な空気に包まれていた。


 そこは国境支部の憩いの場の一つである、大食堂。ただし現在は、打ちひしがれる男たちの葬儀場である。窓の向こうに広がる、支部を取り巻く豊かな自然の景色のみが実に穏やかだった。


「ああ、知ってたさ。いつかそうなるだろうとは……」

「でも、何で、何で鋼の竜人だったんだ……」


 食堂内のそこかしこで、情けない声が呟かれる。別テーブルの一角では、エールを煽る動作でコーヒーを飲み干す面々も居る。まるで自棄酒。

 誰一人として口にしないが、世間一般ではこれを《薄気味悪い》という。


「おーおー凄い光景だなあ。強面たちが揃いも揃って」


 そんな空気など全く気にも留めず、底抜けの明るさをもって踏み入れたアシルは、躊躇なく笑い飛ばした。彼は重い空気をその足取りで払いながら、カウンターでコーヒーを淹れ啜り始める。暗雲立ち込める食堂に、僅かだが光が戻った。


「テオに可愛い恋人が出来て良かったじゃないか。素直に祝ってやれよー」

「そりゃあ俺たちだって、めでたい事だって分かってるさ」

「でもよ……でもよォォォ……」


 だって、しかも、その子は。


 散々、悪漢に間違われ続けてきた強面の騎士たちにとっては、非常に貴重な“花”だったのだ。




 毎年、心身の鍛え直しを課せられるものがやって来るという、この業界で曰く付きの国境支部。そんな事情が存在しているためなのか、この地に集う騎士は精鋭揃いであるが同時に個性派揃い。そして何故か、強面かつ体格の良い、非常に威圧感を伴ったものが多い。

 おかげで、騎士の制服を着ていても悪漢と間違えられる上に、その悪漢や犯罪者たちに泣かれる始末。ただ見下ろしただけで、地面に這いつくばり命乞いをされるとはいかに。


 ――――こっちの方が泣きたいわ。


 その悲しみを訓練にぶつけて発散し、さらに鍛えられるという連鎖。国境支部の精鋭の男たちは、心の中で滂沱のごとき涙を流す日々を送っていた。


 そんな彼らの前にある日、花が現れた。

 国境支部では全くの無縁だった、小さくて柔らかな雰囲気の、何とも言えないほのぼの感を纏う、可憐な“花”が。


 今まで誰も足を運んでくれなかった公開訓練日に、突然現れた花、もとい背丈の小さな娘は、テオルグとアシル――国境支部を曰く付きにさせる大部分の原因――の知り合いだという。

 それを知った後の男たちの行動は凄まじい速さであった。

 あの小柄な娘が、国境の街の外れに佇む庭付きの喫茶店の従業員である事や、テオルグのガーデンパーティー事件に浅からず関わっていた事など、あっという間に支部の隅々にまで情報を伝えた。その興味と好奇心は堂々と発揮され、彼らはそれ以降、何とか彼女と繋がりを持とうとした。



 だって、あのテオルグやアシルと知り合いなら……。


 俺たちにだって、お知り合いになれるチャンスがあるはずだ!!



 アシルは分かるとしてあのテオルグとも普通に会話する娘なら、ちょっと(実際には物凄く)強面な自分たちだって仲良く出来るはず。国境支部の男たちは、そんな事を真面目に考えた。アシルはまだしもあのテオルグ、という部分に彼らの闇を感じさせるが、長きに渡る謂われのない不当な扱いに心は荒んでいたのである。

 規律違反にならない範囲で自由時間には喫茶店へ出向いたり、街中でもしも見かけたら紳士的に挨拶をしてみたり、彼らは何とか悪漢のイメージを和らげようと試みた。

 その甲斐があったのか、驚いて身を竦ませる仕草を時々見せた娘は、次第にふわりと控えめに微笑んでくれるようになった。


 たかが笑顔。

 されど笑顔。

 それだけで、荒んでいた国境支部の男たちの心は、どれほど救われた事か。


 あの鋼の竜人テオルグの様子を変えた娘、という好奇心は。

 武骨な国境支部暮らしの数少ない癒し、という希望の象徴へと変化していた。



 ……もっともセシリーへのそれ以上の過度な接触は、テオルグが許さなかったので本当にささやかなものだった。

 また、アシルの実妹らしい娘ともどさくさに紛れて仲良くなろうとした騎士も居たが、普段はなかなか見せる事のない猛禽のごとき獰猛な笑みを浮かべた実兄によってそれもまた叶わなかった。


 俺の妹とセシリーちゃんに近づきたいなら、俺を倒してからにしろよ――――高らかに宣言したアシルの姿は、騎士も泣いて逃げ出すほどだったと今も語り継がれる。




 ともかく、国境支部の男たちにとって、セシリーは貴重な存在であったのだ。

 食堂のそこかしこで、またも情けない声が上がる。もちろん全ての所属する騎士が葬儀を背負っているわけではないので、呆れた苦笑も同時に方々からこぼれた。

 アシルは肩を竦め、皮肉るような笑みを唇に乗せる。


「お前ら、忘れてるんじゃないのか。俺なんか泣いて喜んだのに、感謝の言葉じゃなくてグーパン貰ったんだぞ。俺の方が悲惨じゃないか!」


 どやあ。アシルは自らの親指で、自らの胸元を指さした。不服そうな口調であるが、それはアシルの自業自得である。


 竜人、しかもテオルグの告白場面に思い切り邪魔を入れたという話も、ほぼ同時に国境支部を駆け巡った。のちに、アシルとその彼を止めようとして図らずも割り込んでしまった騎士たちは、怒り狂ったテオルグ(白竜バージョン)に追い掛け回されるという大変な地獄を見たという。後者の騎士たちはまだしも、アシルには誰一人として同情しなかった。

 それでもなお懲りた様子の全く見られないアシルに、あやつの心臓はどこまで逞しいのだと、同僚たちは震え上がる。ここまでくれば数々の蛮行も偉業になるだろう。


「まあ、羽狂いとか、崖崩れの時とか、そうなるだろうなあとは思っていたけどな」


 あのテオルグが、隙を見せ、弱みを吐露して、すがりついたのだ。それがどれほどの事なのか、分からない彼らではない。


 葬儀じみた薄暗い空気に、普段の賑やかさが舞い戻る。まだ一角ではびしゃびしゃと情けない声が上がるけれど、彼らとて祝う心は間違いなく持っている。ひとしきり喚いた後、テーブルから起こした顔は幾らか復活していた。


 セシリーは貴重な存在であったが、それは異性に向けるような感情の類ではない。どちらかと言えば、妹あるいは娘を見つめるような心境に近い。

 びしゃびしゃと情けなく突っ伏した理由は、嫉妬、もしくは羨望が妥当だった。


 あまりにも情けないが、これでもアルシェンドに仕える騎士団の精鋭たちである。


「ところでアシル、その格好は何だ?」


 ふと、一人の騎士が呟いた。アシルはコーヒーを飲み干すと、ようやく尋ねてくれたと笑った。

 食堂にやって来たアシルは、普段身につけている騎士の制服ではなく私服だった。


「今日は貴重な休みの日なんだけど、実はこれからお呼ばれしてさ~」

「お呼ばれ?」

「どの部隊ですか? それとも支部長ですか?」

「何処の支部の連中とやらかしてきたんだよ」

「説教じゃねえよ! 何でお前らいつも俺をそんな扱いにするんだよ!!」


 呼ばれる=説教の図はアシルの定番である。

 そうじゃなくて、とアシルは一呼吸置き、上機嫌に唇をつり上げる。


「実は今日、セシリーちゃんが初めて白竜の方のテオに乗る日なんだ」

「うおッまじか!」


 ちらほらと驚きの声が上がったけれど、食堂に居た騎士たちは全員、表情を緩めた。情けなく突っ伏していたものたちも、興味深そうに笑っている。


「騎乗装具を付ける補助と、大丈夫だとは思うけど念のための監督だ。これから装具とか一式持って出掛けてくる」

「なるほど。街の外とかですか?」

「ああ。テオはもう行ってるっぽいから、俺はのんびりと歩いて行くさ」


 せめて補助につくまでの間は、二人っきりで居て欲しいしね。殊勝にもそう告げたけれど、面白がっている事は明白である。アシルの表情はニヤニヤと緩んでいた。


「テオがどんな姿をセシリーちゃんに見せているのか、堂々と観察してきてやるぜ! 報告を待ってろよ野郎共!」

「あんたも懲りませんねーこないだ怒られたばっかりでしょうに」

「あんまし無粋な事はするなよ~」


 騎士たちに注意されながら、アシルはひらりと手のひらを振り、食堂を去っていった。脳天気な笑い声が小さく消えていった頃、食堂に残された騎士たちは顔を見合わせた。


「何だかんだ一番喜んでるのってやっぱりアシルだよな」


 悪戯っぽく笑っていたが、いつにも増して陽気な明るさを浮かべていた。

 アシルとテオルグは訓練生時代からの付き合いだという。長い時間を共に過ごしてきた盟友として、唯一背中を許された戦友として、心から喜んでいる事は間違いない。


「それにしても、あの・・テオルグが、ついに背中を許したか」

「これで二人目になったわけですけど……ついに許しましたねえ」


 それがどういう事なのか、竜や竜人と深く関わる彼らだからこそよく理解出来た。


「本気だな」

「ああ、本気だ」


 誇り高く高潔で、決して他者に膝を折らない、竜という種族。その代わり、背に乗せると決めた暁には、自らの翼が折れて飛べなくなるまで生涯を通し守り抜く。その誓いを、彼ら竜は、決して違える事はない。一度でも、ほんの一瞬でも、迷う事はない。それが、空を根城として長きに渡って君臨した竜の矜持であり――――全種族随一とまで言わしめる、竜の愛情でもある。


 ――――竜人が背に乗せる者は、盟友と身内、そして伴侶のみ。


 竜の誇りを抜きにしたとしても、テオルグは特に下手な嘘と冗談を口にする事のない男だった。これまでアシル以外に許さなかった背をセシリーに差し出したという事は、本気以外の何ものでもない。


「正直ちょっと、いやかなり、意外だったな」

「何でだ?」

「だってあのテオルグさんだぞ? 背中に乗れる奴なんて、アシル以外に居ないって思ってた」


 騎士の一人が呟くと、「それは確かにな」と多くのものが頷いた。

 けれど、それとは対照的な言葉が意外な方面から上がった。


「……私は、少し分かる気がします」


 今年度、新たに国境支部へ配属されたキルテと、他の新人騎士たちだった。


「言葉にはしづらいですけど、でも、納得するというか」

「腑に落ちるというか」

「そうそう、それだ」


 キルテを含む新人騎士は、互いに顔を見合わせうんうんと頷く。


「……なんかお前ら、急にテオルグに懐いたよなあ」

「ここに来たばっかりの時は、国境支部最速の騎竜テオルグの事を《下竜げりゅう》なんて生意気言ったくせになあ」

「ちょ、それはもう忘れて下さいよ!」

「ちゃんと謝って気持ちを入れ替えたんですから!」


 慌てて取り繕う新人たちに、どっと笑い声が上がる。


「……でもさ、俺、一つだけ気になるんだけどさ」

「何だよ、急にあらたまって」


 声を潜めたその騎士に、皆が目を向ける。彼はしばらく躊躇うように視線を逡巡させたが、意を決して呟いた。


「……セシリーお嬢様とテオルグさんて……何歳だっけ?」



 ――――ようやく取り戻した賑やかさが、しん、と消え失せる。



 あの二人の年齢、だと。不意に騎士たちは声を抑え、互いの顔を窺う。


「……いや、テオルグは、アシルと年近いんだろ? 訓練生の時、同期だって言ってたし」

「三十はいってないだろ。二十六とか、その辺りじゃないかな……」

「……それで、セシリーお嬢様は、確か……」

「えーと、十六歳、だったか……?」


 予想するにその年の差――――およそ、十歳。


 ごくり、と男たちの太い喉が上下する。


 一般的に結婚出来る年齢は、女性は十五歳からとされ、男性もその前後と広く言われている。ただ由緒ある家柄ともなれば、十歳にも満たぬ幼い内から婚約関係を結ぶ事は珍しくなく、また十歳どころでない年の差カップルや夫婦という言葉も存在している。国境の街でも耳にする。

 なので、テオルグとセシリーについても決しておかしな事ではなく、もちろん悪い事でもない。

 ないのだが。



 ……十歳。


 ……十歳か。



 かたや、鋼の異称を付けられた、長身な黒髪の男。

 かたや、小さな花をほのぼのと飛ばす、小柄で華奢な少女。

 目線の高さがまず合わない、体格から雰囲気まで激しく別方向を向く二人が、各々の脳裏に浮かび上がる。いや、むしろあの容姿でたった十歳差だけというのは驚きかもしれない。


 小さな低い唸り声がちらほらと上がり始めた時――――その空気を浚うように、別の言葉が放たれる。


「え? 何か問題でもあったか?」

「別に普通だよな、うん」


 十歳という年の差の、その表現しがたい重みなど全く含んでいない、あっけらかんとした口調だった。

 まじかよ、と目を剥いて視線をやった時、彼らは悟った。不思議そうにするその男たちは、獣人や亜人などの異種族であった。


「見初めた相手を奪われないように、小さいうちから印をつけとく奴も多いし」

「欲しいもんは欲しいっていう気持ちに、年齢なんか関係ないしなあ」

「むしろそれでまごまごして奪われちゃあ雄失格だ」

「……何だろう、久しぶりに文化の違いを感じたぞ」

「感覚の違いってあるんだな」


 思わぬところで判明する仲間たちの意外な考えについ関心する。


「……まあ、なんだ」


 誰かが一呼吸を置き、口調をあらためる。


「あの二人が上手くいくなら、それで良いって事だな」


 今も彼らは鮮明に覚えている。

 雨上がりの大地の上、大きな身体を丸めて小柄な少女に縋り抱きすくめる白鱗の竜人と、華奢な腕を必死に回して無事を喜び涙をこぼす少女の、不恰好な、けれど割り込む余地のない抱擁の光景。

 あれがきっと、彼らの寄せ合う想い全てを表しているのだ。


 これから先も、長く続いてゆけば良いと願う。人と竜、もっとも近しい場所にいるのは他ならぬ騎士団に属するものなのだ。


 ……と、心の中では思っているのだが。



「でも、これからはセシリー嬢に話しかけるたび、テオルグに睨まれるわけか……」

「この顔を怖がらない貴重な存在だったのにな……」


 治まっていた溜め息混じりの情けない声が再び上がった。結局そこに戻るのかと苦笑いが深まる。


「……いや……でもそれは、考え方次第じゃないのか」


 唐突に呟いた騎士に、多くの視線が集まる。


「なに、どういう意味だ」

「……むしろこれを、好機と捉えれば良いんじゃないのか」


 好機、だと。思ってもみない事を耳にし、それぞれの表情に驚きが走った。

 「そうだ、好機だ」鷹揚と頷いた男の口元には、笑みが浮かんでいた。


「テオルグは、国境支部の同じ仲間。同じ仲間なら――――仲間を見守る事に、理由なんて要らないはずだろう?」


 食堂に一瞬の緊張が走る。ハッと開いた騎士たちの眼には、微かな希望が宿った。


「つまり……テオルグという仲間とそのイイ人と、紳士的に仲良くするのに悪い事なんてない!」

「おおッ」

「ついでに何か良からぬ事が起きそうになったら、全力で彼らの仲も守れる!」

「おおおおッ!」


 我、天啓を得たり。その場に居た騎士たちの顔を一言で表せば、正しくそれであった。しみったれた葬儀の気配は彼方にまで吹き飛び、歓喜に踊りだしそうな空気へと早変わりする。


「そ、その手があったな!」

「発想の転換か! お前、天才だな!」

「俺、お前の事ずっとバカだって思ってたよ!」


 同じ支部で任務を共にする仲間と、その大切な人と、ごく当たり前に交流し手助けする。


 つまり――――同じ支部の仲間は俺たちの仲間。仲間の友達は俺たちの友達。紳士的に仲良くしつつ、二人を見守ろうぜ! という事である。


 開き直って堂々とするアシルと何も変わらない、凄まじい極論。この場に冷静なものが一人でも居たら、お前ら全員がバカだ、と言ってくれたのだろう。が、残念な事に指摘してくれるありがたい存在は何処にもなかった。


「よし、なら俺たちは、こっそりと影で二人を応援するぞ! 末永く一緒に居て貰うんだ!」

「そうしたら、花のない国境支部と、泣かれる日々からおさらばだ!」


 男たちは拳を天井に突き出し、野太い歓喜の雄叫びを上げる。

 アシルがアシルなら、部下も部下。

 何処からかそんな言葉が聞こえてきそうな風景が、食堂に広がった。




 その後、彼らはあらためてテオルグへお祝いの言葉を述べた。


「――――末永く、爆発して下さい!!」




そんな国境支部のアニキたちによる、最終話【37】の影であった話。

読んで下さりありがとうございます!


アニキたちという大変暑苦しいサポーターを得た二人の今後が、幸多からん事を願う。アシルが大量生産されただけのような気もします。

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