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最後一気に時系列飛ばしましたがこのお話で無事に完結です。

短編と言っておきながら思いのほか長くなってしまいましたが、多くの方に見ていただけてとても嬉しいです!


感想を下さった方々、評価やブックマークして下さった方々、本当にありがとうございました!!

 月日が流れ、引っ越してからあっという間に9年が経過した。

 9年も経てば人も成長するもので、妹の鏡花は現在15歳の高校一年生。好みはあれども誰もが可愛いと思う程の立派な美少女に成長しました。

 性格もゲームとは全く別物、素直なままでお兄ちゃんは本当に嬉しいです。


 そして現在、ゲーム本編開始まで残り一年をきったわけですが。





 鏡花が成長すれば勿論私も年を取る。

 20歳になった私は天ノ宮学園の大学に通いながら自身の能力を活用して仕事アルバイトもしている。


 将来私は贈り物持ち犯罪対策部隊という贈り物持ちが関係する犯罪の取り締まりなどを仕事とする組織に就職することが決まっているため、現在訓練も兼ねて仕事を手伝い中なのである。


 …とまぁ、そんな私の近況はなど置いといて。

 鏡花と白露のことである。


 鏡花と白露はゲームシナリオ通り無事に贈り物を授かり小学4年生から転入と言う形で天ノ宮学園に通っている。


 白露も伯父夫婦と共にこちらへ引っ越してきた自宅通いの一人である。

 しかも、たまたま私達が住むマンションの隣が空き部屋となったのでそちらに移り住んできたという奇跡的な偶然っぷりである。

 ってか、うちの父といい、憲次さんといい…よくそんな金持ってるな。


 しかし、小さい頃にはあんなに仲良く遊んでいた二人だったが、今ではライバル意識があるのか睨みあっていることが多い。

 せっかく鏡花のライバルキャラフラグをへし折るために色々してきたのに、とはじめはハラハラしていたのだが…



 ガチャガチャと玄関から鍵を開ける音が聞こえる。

 噂をすれば、私の可愛い妹が帰って来たようだ。


「お兄ちゃん!今日のお弁当もすっごく美味しかったよ!!」


 「ただいま!」と家に帰って来た鏡花はリビングにいる私を見るなり抱きつきながら言ってきた。

 小さい頃同様頭を撫でながらおかえりと返事していると、見覚えのある顔がひょっこりリビングの扉から現れた。


「おじゃまします。…あのさ、潮兄さん。今度の週末空いてる?ちょっと欲しいものがあって付き合ってほしいんだ」


 おずおずと遠慮がちに紡がれたその声に私は苦笑しながら返答する。


「いらっしゃい、白露。土曜日は予定がありますが日曜日なら空いていますよ?白露は何が欲しいのですか?」


「えっと、「ちょっと!!」

 私の返答がお気に召したのか、白露が私の質問に嬉しそうに答えようとした時、私に抱きついていた鏡花がいきなり声を上げた。


「白露君ずるくない!?私だってお兄ちゃんが忙しくて最近一緒にお出かけできてないのに…。そこは普通遠慮する所でしょ?」


「何がずるいの?鏡花は妹だからいつも家で会えるしお弁当だって作ってもらってるでしょ?ずるいのは鏡花のほうじゃないか」


「そういう問題じゃない!」


「そういう問題だよ。たまの休みくらい僕に譲ってくれてもいいと思うんだ。…潮兄さんもそう思うよね?」


「だ・か・ら!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだって小さい頃から何回も言ってるのに!なんで白露君が兄さんって呼ぶの!?」


「僕の場合は年上としての尊敬と親しみを込めてだから。血縁関係上そう呼んでいる鏡花とは違うから別にいいでしょ?」


「もうっ!良くないから言ってるの!!」


 当事者である私を置いて繰り広げられるマシンガントーク。

 なんだかんだで楽しそうに言いあうので別に止めたりなんかはしない。

 いつものことなのでもう慣れっこなのだ。

 それに、二人仲良く家まで一緒に帰って来くる仲の程の良さはとっても微笑ましく思うしね。



 私はリビングのソファーに掛けていた腰をよいしょと持ち上げるとキッチンにある冷蔵庫の元へ向かう。


「今日は授業が無くてお休みだったので、二人の好きなチーズケーキを作ったんです。良ろしければ紅茶も淹れるので三人で食べましょうか?」


 冷蔵庫からあらかじめ作って置いたチーズケーキを取り出しながら二人へ声をかける。

 私の手にあるチーズケーキを見た瞬間二人は言い合いしていたことも忘れ、お互いに向き合う。

 そして、再びチーズケーキへ視線を戻すと顔を綻ばせながら頷いた。


 鏡花の悪役系ライバルキャラ化は今のところ阻止できている。

 代わりに可愛い妹の鏡花はブラコンになり、攻略キャラである白露もブラコン(?)になるという予想していないことになってしまった。

 でも、私も慕われるのは嬉しいし、何より二人が楽しそうに笑うので良いかなと思うことにしている。




 さて、それでは最後にヒロインさん。

 今更出てきてこの関係をぶち壊そうだなんて考えていないよね?

 私の可愛い妹と弟が泣くようなことがあったらただじゃ済まさないから。

 これまでせっせと優等生演じて貯め込んだコネや人望、私に使えるもの全部使ってでも阻止して報復してやんよと心の内で黒い笑みを浮かべる私も十分シスコンでブラコンなのだろう。


 まぁ、鏡花いもうと白露おとうとも可愛いから良いんだけどね!!


ここまでお付き合いくださりありがとうございました!

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