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2-3. The Disturbing School Life The False Love

何とか投稿できました。

以降もなかなか投稿速度が上がらないと思いますがどうかご容赦ください。

 放課後。

 授業を終えた私は図書室の奥の書庫を訪れています。


「うーん。ないですねえ……。」


 静まり返った図書室奥の書庫には私がパラパラと紙をめくる音だけが聞こえてきます。

 名門として知られているエレシアでも新学期早々にまで書庫まで行って調べものをするなんて人はいませんでした。


 その代わり隣の自習室からはそれなりに人の気配を感じられます。

 授業内容についてこれない学生が多数利用しているようであまりにも利用者が多いために予約制になっているとはゆらちゃんがいっていましたが……これは余談ですね。


 さて前回私に絡んできたシャーラさんはこの場にはいません。

 正直、放課後までついてこられることを覚悟していたが幸いそんなことはありませんでした。


「それではエメリー私は今から生徒会に行くので失礼しますわ。くれぐれも私のことを周りにいわないように」

「言いませんよ……。消されますし。」


 とのことでシャーラさんは現在生徒会を絶賛活動中です。

 生徒会とは生徒による自治組織で、校内行事の運営に関わる組織ということは入学式のオリエンテーションで話がありました。


 もっとも、入学直後の新入生が生徒会に入るというのは異例中の異例らしいのですが、新入生のトップの成績で入ったことと校長に直談判を行い熱心に頼み込んだことが功を奏して認められたらしいです。

 ……頼み込んだ?いえ、彼女の性格からして校長相手でも関係なく命令したんでしょうね。何しろ隣国の皇族ですし、校長先生も何かあれば国際問題でしょうから中々断れないでしょう。

 シャーラさん曰く、


「皇族たるものこの程度の学校を掌握できて当然ですわ!!」


 とのことです。(話を聞く限り生徒会長に学校を支配する権利はなさそうですが)


  


 いえ。彼女のことは置いておきましょう。

 この場に彼女がいるのは少々都合の悪いことですから。


 実際のところ私は勉強のために読書をしているわけではありません。


「えーっと。神の眼、神の眼っと……。」


 【剔抉の眼】について調べています。


 とはいえヒントは全くないので神というから宗教について調べています。

 【()の眼】というくらいキーワードから世界で最も信奉されている【セリス教】について調べてみようと考えていたにすぎない。

 なのでそれほど期待はしていませんでしたが、何かせずにはいられません。この眼のせいでいろいろとトラブルが飛び込んできていますし。これ以上何か起こるまでにその正体をつかんでおこう。

 と思っていたのですが。


「エマーソン。」

「ひゃああああ!!」


 早速出鼻をくじかれました。


「の、ノヴェナさん。」


 背後を見るとノヴェナさんが立っていました。

  調べものに夢中になっていたので気づきませんでした。


「『聖地アルクエム回廊の変遷』、『聖人列伝』、『レフラス~世界から消えた国の考察~』……何これ?宗教学は2年生からの選択授業でしょ?」

「え、ええまあ……、これは予習といいますか……。えっと……ノヴェナさんは勉強ですか?」

「……ノヴェナさん『は』……つまりあなたがここに来たのは勉強じゃないということ?」

「い、いえいえいえいえ!!ノヴェナさん『も』勉強に来たんですか?」

「……いえ。違うわ。」


 少しの綻びを確実についてくる彼女は非常に手ごわく感じます。(私がうっかりしているだけかもしれませんが。)

 そんな話をしていると私は彼女の頭上の表示に新しい項目が追加されていることに気づきました。


「(どれどれ……………!!!)」


 気になった私は新しい項目を読んで、頭が真っ白になってしまいました。

 ・エメリー・エマーソンを警戒し抹殺を検討している。


「ひっ!!!」


 抹殺などという物騒な単語が目に入り思わず後ずさってしまう。


「どうかした?」

「い、いえいえいえ。なんでもありませんよ?」


 何でもないわけがありませんがそういう他にありません。私の人生は終わってしまいます。

 しかし、特に何かした記憶は全くないので肝心の理由が表示されていません。

 というか、あのノヴェナさんが私なんかを警戒しているということに驚いてしまいます。目の前の彼女を見てもとてもそんな感じはしません。

 そんなことを考えてだまっている私に対しノヴェナさんは淡々と問い詰める。

 

「それより答えて。あなたはどうして私を恐れているの?」

「だ、だって……私にナイフを……」


 初対面でナイフを突きつけておいて何を言っているんでしょうか?

 そう言おうとした私の口をひとにらみで黙らせます。


「違う。もっと前初めて私を見たときから【恐れて】いた。」

「……あ。」


 そういわれてようやく気付く。

 確かにその通りでした。私が彼女から逃げようとしたのも剔抉の眼で彼女が【導く者達】だということがわかっていたからです。

 もしかしてこれが私の狙われる理由なのでしょうか?


「答えて。貴方は何者なの?」


「え、えーっと……。」

「答えろ。」

「ひっ!!」


 ノヴェナさんがとてつもない怒気をぶつけてくる。

 これほどの怒気は私が小さいときに嫌いなピーマンを犬のリュートに食べさせていたことバレてしまったときのお母さんの10倍以上はあります。


「……。」


 この眼のことを喋るか喋らないか判断に迷ってしまいました。

 何しろ、自分の命がかかっているこの状況は初めてです。どう答えれば正解なのかわからない以上うかつなことが言えず黙ってしまいました。。


「え、えーと……それは……。」


 緊張のあまり思考がまとまりません。

 そのためなのでしょうか。追い詰められた私は何も考えずにとんでもないことを口走ってしまいました。


「お、お、恐れていたんです……あなたの美しさに!!」

「は?」


 一瞬呆けた表情を見せる。それほどこの言葉が予想外だったのだろう。

 ……実際私は一体何を言っているのでしょうか?と自分でも思っています。


 しかし、ここまで言った以上止まることはできません!前進あるのみです!


「そ、その!!ミステリアスな雰囲気とか!!凛とした態度とかその美しさを一目見たときから好きになってしまいました。付き合ってください!!」


 ……私は一体何を言っているのでしょうか?(2回目)

 ちなみに私はノヴェナさんに対してはもちろん女の子に対しての恋愛感情は一切ありません。(重要!!)


「………。」


 さすがのノヴェナさんも固まっています。

 これはチャンスです。自分の外聞なんかクソ食らえです。一気に畳みかけます。


「あ、あ、あなたが悪いんですよ!!あまりにも美しいから私にこんな(恋愛)感情を抱かせたから!怖くなっちゃったんですよ。」

 

 自分ですら呆れるような言い訳に顔から火が出てしまいそうです。

 しかし、ここまで来たら最後まで突っ走ります!トドメの一撃をぶつけます。


「お、お願いです!!き、ききき…………キスしてください!!!!!!!」

「な………ッ!!!」


 よしっ!!効果テキメンです!!能面だったのノヴェナさんの顔は一瞬だけですが驚愕の表情が浮かび上がっていました!!!

 これで私のやれることはすべてやったと思います。

 あとはノヴェナさんが騙されてくれるかどうかです。



 固唾を飲んで見守っている私に対してノヴェナさん。右足を一歩下がった後声を少し震わせながら一言。


「……そうだったの。悪かったわね。」


 だませたー!!と心の中でガッツポーズをしました。

 こんなばからしい嘘でノヴェナさんをごまかせるわけがない。と半ば色々と諦めて居たのですが、やっぱり諦めないことが大事ということをこんなことで自覚してしまいました。

 ノヴェナさんは見た目に反して中身は結構単じゅ……素直で純粋なのかもしれません。

 その証拠に彼女の頭上には無事に『・エメリー・エマーソンの抹殺を検討している。』の項目は消滅した。


「(よかったよかった……あれ?)」


 私はほっどしたのも束の間彼女の頭上の表示に新しい項目が追加されていることに気づきました。


「(どれどれ……………!!!)」


 新しい項目を読んだ私は内容を見てびっくりしてしまいました。

 鏡を持っていないので自分の表情を見ることはできませんが先ほど見せたノヴェナさんの表情よりも上だっただろうということは確信しております。


 それで肝心の項目の内容はというと『・エメリー=エマーソンに対し貞操の危機を感じている』とのことでした。


「………えーとノヴェナさん。」

「…………ッ!(ビクッ!!)」


ノヴェナさんを見ると先ほどと打って変わって私に対し露骨に警戒しています。もちろん先ほどとは違う理由でしょう。


「誰かから告白されたなんて今までなかったから少なからず動揺したけど、個人の趣味嗜好に対してどうこう言うつもりはないけど申し訳ないがその告白は答えられない。」


 それを聞いて少しほっとしました。本当に付き合うことになったら今後の学生生活はいろいろと終わりです。


「そうだな。とりあえず今の話は聞かなかったことにする。そしてその感情は完全に忘れることだ。ではまたあとで、」


 そう言って出て行ったノヴェナさん。

 どうやら私の戯言を完全に信じているようだった。

 そして、殺気から解放された安堵で床にへたれ込んだ。


「た、助かった……。」



 私の【剔抉の眼】から一筋の涙が流れた。

 その涙は自分の命が救われた喜び、だけではない。

 この言葉の意味は……察してください。………。


 私の命は無事に守られた。しかし。大切な何かを失ってしまいました。

 ……ぐすん。




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