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Sランクギルドを追放された魔導士、田舎でスローライフもくろむ・・・が?!  作者: 士口 十介
魔導士はスローライフを始めたつもりらしい。
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魔導士はコアの報酬を分ける

「カイさん、どちらへ?」

「どこへ?」

後片付けも終わったのかフィリアとルリエルが訊ねてくる。


「ちょっと、ギルド長の部屋へ」

「判りました。私は先に工房に戻っておきますね。」

「すまない。助かる。」

「私、どうする?」{私はどうしたらいいでしょうか?}

「そうだな。この間の事を聞くから一緒に来てもらった方が良いかな?」

「わかった。」


カイはルリエルと共にギルド長の部屋を訪れた。

部屋の扉をノックする。


「カイです。ギルド長、ご在席ですか?」

「いてるにゃ、入るといいにゃ。」


カイ達が部屋に入ると

「よく来たにゃ。何の様にゃ?今日も報酬は受付でもらえるはずにゃ。」

「ギルド長。単刀直入に伺うがこの間のダンジョンコアはどうなった?」

「うみゃ、入って来るなりその話題か・・・ちょうどいいにゃ。他の二人も呼ぶにゃ。」


しばらくしてギルド長の部屋にバハル、ニライの二人がやって来た。


「うむ。四人そろったにゃ。」


ギルド長のヴァニアはそう言うと四人に数枚の紙を渡した。


「ギルド長、これは?」


「ダンジョンコアの明細にゃ。」


砕かれたダンジョンコアは大小約1000個になっている。

その一つ一つに番号が振られ、大きさと買取金額が併記されている。

それを見たバハルとニライは大騒ぎだ。

「一番小さい物は小指の先ぐらい。この大きさで10GPだよ!!」

「親指ぐらいの大きさで30GPですね。」

「これだけあれば当分の間困らないねぇ。」

「一番大きなものは・・・?」

「???」

バハルとニライは首をかしげた。

何故なら、その部分の買取金額が空白になっていたからだ。


「ギルド長、一番大きなものに値段の記載がありませんが?これは?」

カイは空白の理由を尋ねた。


「それは・・・無理にゃ。」

「無理?」

「大きすぎて査定が無理にゃ。」


通常、精霊石にするダンジョンコアは砕かれたコアの一部でしかない。

コアは砕かれても瀕死の状態であるが完全に死んでいる状態ではない為、

空間収納付き鞄に入れることができない。

従って、コアを砕くとダンジョン自体の崩壊が始まる為、

”手に持てる大きさの物”しか手に入れることが出来ないのだ。


だが今回、ダンジョンの外でコアを破壊できたため、通常では手に入らない大きさの物が手に入ってしまった。

これを精霊石に加工した場合、どれぐらいの価値があるのか想像もつかないのだ。

それが3つある。

大きさは微妙に異なるが、大きい物は一抱えぐらいの大きさがある。



「これをどうするかは君たちで決めて欲しいにゃ。

辺境伯にも打診中だが、三つ全てはダメだろうにゃ。

それがあるおかげで全ての清算ができないのにゃ。」


ダンジョン攻略およびコア破壊に代表される特殊な依頼はすべてが終わってから精算される。

コアの売却から始まり、武器や防具の修繕、使用した回復薬の補充、難易度に合わせた手当などが付く。


ダンジョンが出来て一日もたっていないとコアも小さくモンスターはいない。

1週間ぐらいで一層増えゴブリンが2、3匹、コアも少し大きい。

ここまでが辺境の標準的なダンジョンだ。

今回のように五層あり敵の難易度が上がれば特別に手当てが出る。


「カイ、これ幾らぐらいの価値があると思う?」

少し心配そうな顔をしながらバハルが訊ねてくる。


「王都だと・・・多分、100万GPは下らないでしょう。」

「ひゃく!」

「まん!」

「王都での話ですよ。」


「で、このギルドに100万GP払えると思うにゃ?」

「「「「無理ですね。」」」」

四人が異口同音に言う。


「この大きさとなると加工は専門家で無いと厳しいですね。」

「うみゃ、カイ殿はコアの加工が出来るのにゃ?」

「ええ、ギルド長。コアについてだが、大きいもの以外の取り分は自分で使いたい。」

「魔導士なら仕方がないにゃ。バハル、ニライ、ルリエルはどうするにゃ。」


「あたしの分はギルドに買い取ってもらうよ。持っていてもしょうがないし。」

とバハル

「私は、1、2個持って置くけど、後は全部売る予定です。」

とニライ

「半分、ギルド、売る」{半分だけギルドに売ります。}


「うみゃ。よくわかったにゃ。あとはデカブツをどうするか・・・。」


ギルド長の言う通り、ギルドには買い取るだけのお金はない。

辺境伯が買い取る可能性はあるがそれでもせいぜい1つだろう。

それこそ王都、貴族や豪商で無ければ買えない物である。


「王都のオークションに出すしかないか・・・。」

カイはポツリと呟く。


結局、辺境伯に打診後、残りを王都のオークションに出す予定になった。


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