表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/186

魔導士は新型機(一人乗り)を作る。

「スタン。新しい走空車グエルだ。試験走行を頼む。」

実験室の壁を壊して半月がたったころ、カイはスタンに新たな走空車グエルの試験走行を頼んだ。


その走空車グエルは一人乗り用で、船の形をしていた。

それも、外洋に出て行ける船、竜骨の付いたものである。

流石に船の形のままでは傾いてしまう為、両側には支える為の足が付いていた。


「これは船か?微妙な形だな。」

試作機を見たスタンが微妙な感想を言う。

箱型の走空車グエルを見慣れている者にとって奇妙な物に写る様だ。


「流れを進む船を参考に作ってみたものだ。

まぁ、船に走空車グエルの部品を付けただけなのだけどね。

船はウェスリックの別荘にあった物だ。」

カイは別荘にある船に走空車グエルの部品を取り付けたようだ。



スタンはリモーデ郊外に作られた走空車グエルの実験場で走らせる。

最初思った考えとは反対に船型は箱型より早く動くことが出来た。


「スタン。動かしてみてどう思った?」

カイは試験走行が終わり走空車グエルから降りてきたスタンに尋ねる。


「そうだな。操縦系とは今までとは変わっていないので問題ない。

この走空車グエルは速度が出るな。

ただ、曲がる時や横風の影響はあまり変わっていない。」

スタンはもう何度も実験車の操縦を行っているので報告も手慣れたものである。


「そうか。後は吹き下ろしの風の場合、どうなるかだな。

・・・呪文を使うか。」

カイはそう言うと呪文を唱えた。


下降気流ダウンバースト!!」


ゴウゥッ!!!


呪文の成立と同時に上空からものすごい勢いの風が走空車グエルに襲い掛かる。


メギャン!!!


上部甲板に風が叩きつけられ、走空車グエルがくの字に折れ曲がる。


「折れたな。」

「・・・・・」



その半月後。

次にカイの製作した走空車グエルは船底を二つ張り合わせた走空車グエルであった。


下降気流ダウンバースト!!」


今度の走空車グエルは吹き下ろす風にも耐えた。


「おお、いい感じじゃないのか?」

スタンは呪文に耐えた走空車グエルを見て感想を述べた。


「いや、まだだ。氷冷暴風アイスストーム!!」


カイの呪文で氷礫が舞う竜巻が出現し、走空車グエルを飲み込む。


ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!


走空車グエル氷冷暴風アイスストームに耐えているかのように見える。

だがそれもつかの間の事だった。


バギャバギャバギャバギャッ!


けたたましい音と共に繋いであった二つの船底が引き裂かれ、その反動で走空車グエル自体もバラバラになる。



「うむ。もう少しだと思ったのだがなぁ・・・」

カイがそう呟くとスタンが


「カイさん。竜骨を横にしたらどうなのだ?」

と尋ねた。


「竜骨を横にか・・・それだと横風に強くなるな。

そうなると上下の部分、どうせならここにも竜骨を入れるか・・・。」


そして、一月後。

カイが作り上げたのは平らな紡錘形の物、アーモンドの様な形をしていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ