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9話 合宿編2 (地獄のテスト)

闇の迷宮 覇牢環悪は怖いところですね

レベル40の俺では太刀打ちできませんでした。

午前中のマラソンを終え、昼食を取ることになった。

昼食は、班ごとに取るようにと決めつけられていたので、太一とタカシは、加藤クレアと聖生静と昼食を取ることにした。

3班の四人は、合宿所の食堂に集まった。

食券制になっており、食券を買い、受付のおばさんに渡すオーソドックスなタイプであった。

「随分といっぱい食べるな、太一。午前中のマラソンで腹が空いたんだな」

太一の隣に、座るタカシ。

「朝も早かったからね。食券機の欄に、ハイパービッグランチっていうのがあって、それを選んでみたよ」

皿の上には、から揚げ、ハンバーグ、ポテト、スパゲッティの付け合せ、白い大盛りのごはんがどっさり乗ってあった。

ドMな能力のせいで、力を使いすぎたせいである。

あの後、他の生徒に見つからないように、乳首の部分が破れた体操服を着替えるのはなかなか大変だった。

「まったく、マイケルの野郎、あいつが全然ペースを落とすきがないから、俺までずっと全速力で張り合ってしまった。それにしても、太一の足の速さは、尋常じゃなかったな」

「いつもより調子が良かっただけだよ。それに、マイケル君は、運動も自信ありそうだよね」

「あいつ、滅茶苦茶プライド高いからな。気をつけろよ、太一。マラソンで一番早いかったから、絶対目つけられるぞ」

「はは、気をつけなきゃ」

話していると、二人の少女が、席に着いた。

「お邪魔するわよー」

「失礼します」

クレアと静だった。タカシは、二人に話をかけた。

「ロコツンと聖生さん、やっと来たか。鶴仙人との特別授業は、どうだ?」

「ロコツンいうな!ほんと、あの鶴仙人っておっさん、最低よ。ね、聖生さん」

「そうですね、私は、お尻を触られました・・・」

「私は、胸を何度も見られたわ。で、あのおっさんなんていったと思う!?ぷっ、残念なお胸じゃなっていったのよ!?あー、マジむかつくわ」

「あの体操に、何か意味があったのでしょうか?」

「あるわけないわよ。私たちのエロいポーズが、みたいだけでしょ」

怒りながら、ガツガツごはんを食べるクレア。

エロいポーズとは、女子の人数分のヨガマットのような物が引かれており、そこで鶴仙人の取ったポーズを真似させられるというものである。

どんなポーズかは、R-15なので伏せておくことにする。

「それは、随分と破廉恥な授業だったんだね。ひどいおっさんだな」

太一は、そういいつつ鶴仙人を少しうらやましいと思った。

「風上、実はうらやましいとか思ってないよね?」

じと目でみてくるクレア。

「ないない、あるわけないじゃないか・・・。あははは・・・」

太一の笑顔が引きつっている。

「ところで、男子の授業は、どうだったのですか?」

静は、二人に尋ねた。

「男子は、普通のマラソンだ。合宿所の外に見える公園の外周を走るだけだ。部活卒業してから、大分走ってなかったから、さすがに疲れたな。太一が、男子の中で一番足早かったんだ。さすがは、俺の友人ってところだ」

「タカシ、恥ずかしいからやめてよ」

「ハハッ、恥ずかしがるなよ」

ニコニコするタカシ。

「へぇー。風上って運動できたんだ。なんだか、ひょろいから、運動できないどんくさい奴だと思っていたけど、少し見直したわ」

「はうっ」

太一は、箸を落とした。ごはんが、少し机にこぼれた。

「ちょっ、何、動揺してんのよ」

「ごめん、ちょっと手を滑らしちゃって・・・」

「気を付けてよね」

「さ、時間もないし、さっさと飯を済ませるぞ」

太一は、クレアに馬鹿にされて、感じてしまったのだ。

肉体的な苦痛だけでなく、精神的にも感じてしまうらしい。

4人は、昼食を終えると、座学が行われる教室へ向かった。

教室は、西館にある。東館は、Fクラスのメンバーが、宿泊する部屋がある。

西館に入ると、先にマイケル小西を含む数人が、先に教室を占拠していた。

太一たちが、教室に入るのに気付くと、マイケル小西がこちらに近づいてきた。

歩き方は貴族のように優雅で、嫌味たっぷりである。

「やぁ、3班の諸君。ご機嫌いかがかね?」

「うわ、やっぱり突っかかってきたか」

タカシが、嫌そうに言う。

「今は、石田に用はない。用があるのは、君さ」

マイケルは、太一に指を指した。

「君、名前はなんていうんだい?」

「俺は、風上太一。マイケル君、よろしくね」

「ふん、君によろしくされる筋合いはないよ。君は、僕の敵だ。午前中のマラソンの屈辱は、実に許しがたい。君みたいな出来の悪そうなやつに負けるなんてな」

「いや、今日のマラソンは、たまたまだよ」

「謙遜したって無駄だ。次の座学試験じゃ負けないよ。凡人が、僕に勝てるわけがないのだから」

マイケルは、笑いながら去って行った。

「マイケル君は、キャラ濃いなぁ」

素直にそう思いつつも、一つだけ引っかかることがあった。

なぜ、マイケルに馬鹿にされたのに感じなかったのだろうか、ということだった。

男子に馬鹿にされて何も起きず、女子に馬鹿にされると起きる。

ということは、女子に馬鹿にされないとドM能力は発動しないということだろう。

なんとも、性的な能力である。

「嫌味なやつね。座学試験じゃ絶対負けたくないわね」

「クレアちゃん、勉強ダメって言ってなかったでしたっけ?」

「あんまり得意じゃないけど、気持ちだけは負けないわ」

「気持ちだけで勝てたら、苦労しないけどな」

「石田アアアアア」

ドスの利いたクレアの声。

「おう、怖い、怖い」

 午後の座学試験がはじまった。浅田香奈が、試験の概要を話し始める。

「本日午後は、座学試験になります。要は、全五科目試験です。

一教科100点で、計500点満点です。平均関係なく、400点オーバーをしないと、今日の晩御飯抜き&永遠に終わりません。

まぁ、春休みちゃんと勉強しておけば、問題ありませんよね。

さぁ、みなさんテスト用紙をくばりますので、後ろの人に配ってください」

テスト問題が配られ、テスト内容をみる。

太一は、思った。

想像以上に問題量が多い。

一教科50分では、普通にこなしていたら到底終わらないであろう。

ラッキーなことに、マーク方式だった。

多分、浅田香奈しか教師がいないから、採点を楽にするためだろう。

これなら、消去法で、効率よく解いていけるだろう。

まずは、英語だった。

(えぇと、ここが、名詞になっているから、ここは形容詞でいいかな・・・?)

試験を解いていると、コロコロという音が聞こえてくる。

辺りを見回すと、加藤クレアが、サイコロ鉛筆で、答えを導いていた。

眉間にしわを寄せ、口が動いているのが見える。

テスト中なので、声を出すわけにいかないので、口だけ動いている。もしかしたら、答えを導く呪文でも唱えているのだろうか。傍からみると、変な人だった。

試験をひたすら解いていくと、気付いたら試験終了時間だった。

「テスト終了です。解答用紙を後ろから回してください」

こうして、試験が終了した。難しい問題が、かなりあった。基礎3割の応用7割といったところだろうか。手ごたえは、そこそこだろう。

「太一、できたか?」

タカシが、寄ってくる。

「まぁまぁかな?」

「そうか。俺は、ボーダーは、いったかってくらいだと思う」

「それはよかった。晩飯なしは、免れるかもね」

「だな。おい、ロコツン、コロコロうるさかったんだが。どうせ、わからないから、答えをサイコロ鉛筆で導いてたんだろ?」

タカシは、クレアのほうを向いて言った。

「し、仕方ないじゃない!私、能力とスポーツ推薦で入学したんだから!?」

顔を真っ赤にしているクレア。完全に図星だった。

「やっぱりそうか。それにしても、サイコロ鉛筆はないぞ・・・」

「う、うるさいわねぇ」

「しかも、テスト中に、ごにょごにょと口がすごく動いているし、きんもー☆」

ちゃかす石田。

「もっと勉強しとけばよかったぁ」

少し涙目のクレア。クレアは、勉強があまり得意ではなかった。

「大丈夫ですよ、クレアちゃん。わからないところは、しっかり教えてあげますから」

「静が、入学して最初の友達でよかったよ」

友情とは、美しいものである。浅田香奈が、採点を終えて帰ってきた。

「皆さん、テストの順位と点数を発表しますよ」

浅田香奈は、テストの順位が書かれた紙をホワイトボードに張り付けた。

一位 明日葉 ゆかり 495点


二位 竜ケ崎 和馬 490点


三位 聖生 静 480点


以下略

「すごい!静、三位じゃない!」

「ありがとうございます。私、がんばりました」

小さなガッツポーズをする静。

「聖生さんって、頭いいのか。うらやましいぞ。俺と太一とロコツンは、何位だ」

三人とも、順位をみる。クラスの人数は、28人なのだ。

10位 風上太一 420点


13位 石田タカシ 401点


26位 加藤クレア 290点

「ロコツン・・・」

「加藤さん・・・」

太一とタカシは、クレアを憐れんだ目で見つめた。

「なになに!?そのかわいそうな娘をみる目は、やめて!いや、よく考えてみて?サイコロ鉛筆で、五割以上の点数をだしたのよ?ある意味すごいことだわ!私って、運がいいのかもね☆」

「「「・・・」」」

「ああああ、お父さん、お母さん、そして、地球人類の皆様、頭悪くてごめんなさい!次は、がんばります!静、お願い!わからないところ、教えて。いや、教えてください」

「ちゃんと、教えてあげますよ。そんな泣きそうな目をしないでください。一緒に、晩御飯抜きの刑を脱出しましょう」

「うん、がんばるわ!」

クレアは、まだ知らなかったのだ。これから、長い闘いが続くことを・・・。

教室の片隅で、大声で叫ぶ一人の声が、教室に響き渡った。

「われら、5班の明日葉と竜ケ崎が、ランキング上位に入っていることは、嬉しい。だが、どうゆうことだい!?なぜ、この僕が、ランキング三番以内にはいってないんだい!?」

「いや、お前の実力不足だろう?」

あたりまえのことを言う竜ケ崎。

「まぁ、いいじゃない。晩御飯抜きではないよ?」

マイケルの発言に興味なさそうな仕草をするのは、明日葉ゆかりだった。黒髪のセミロングで、

「この僕が、12位なんてありえない。次は、もっと勉強して臨むぞ」

「あぁ、勉強なんて人より効率的にやれば点はとれる。自分の力のなさを喚く癖は、直したほうがいいな、マイケル」

「なぜか、竜ケ崎の意見だとすんなり理解できるな。わかったよ、竜ケ崎。明日の技能試験は、5班余裕でクリアするぞ」

「「「おー」」」

マイケル以外の5班の三人は、やる気のない返事をした。

「なんだか、マイケルのやつ、残念な点数だったみたいね」

クレアは、マイケルたちのほうをみて言う。

「それなら、こっちに突っかかってくることはないな」

「そうだね」

時刻は、六時になるところだった。

試験が無事合格したものは、食事の時間だった。

不合格の者は、合格点数を突破できるまで寝ることができない鬼畜仕様だった。

「加藤さんには、悪いんだけど、僕らは先にいくね」

「ロコツン。就寝までには、がんばって終わらせろよ」

「静がいるから、大丈夫よ。一度解いた問題くらい、楽勝よ。ね、静?」

「今から、テストのおさらいをしますよ、クレアちゃん」

「はい、静先生」

太一は、一旦部屋にもどって、手提げバックを食堂に持ってきた。

「さぁ、飯を食べるぞ!」

「なんだか、加藤さんと聖生さんに申し訳ないね」

空いている席をみて、太一は言った。

「まぁ、しょうがない。ロコツンの勉強不足だからな」

「多分だけど、加藤さんは、能力とスポーツ推薦って言っていたから、能力数値は高いのかな?」

「多分、俺らのなかじゃ、一番能力使いとしては、強いだろうな。なんとなくわかるんだよ、強いやつって」

「やっぱり、そうだよね。九曾にあの学力で、入学できるわけがないのだから、余程能力が高いってことだろうって思うよね」

「そうだな。て、太一、昼あんなに食べたのに、随分食べるんだな・・・」

「う、うん。結構大食いなんだ、俺」

タカシよりも遅くに食堂をでることにした。

太一は、大目に頼んだ食事をタッパに詰め込んだ。

タッパを手提げ袋に入れると、太一は部屋にもどった。

部屋につくと、幸い、同じ部屋のやつらは、今部屋にいなかった。

太一は、持ってきた大きなバッグを開けると、楓花が、服の上でうずくまっていた。

「あぁ、お腹すいた・・・。あ、太一。随分遅かったわね。待ちくたびれちゃったわよ」

「ごめんね、楓花ちゃん。ちゃんと、ご飯持ってきたから、さぁ食べて」

太一は、手提げ袋から、タッパを取り出した。

「いただきまーす!あ、からあげあるぅ。私の大好きなふきの煮つけもある!もぐもぐ、うん、いい塩梅で、美味しいわ。ご飯もふっくらで美味しい」

楓花は、すごい勢いで食べた。

「うーん、美味しかった。満足!」

「それはよかった。楓花ちゃん、明日は技術試験なんだ。多分、明日がきつい一日になると思う」

「じゃ、私も行ったほうがいいかしら?風椿を使うなら、私も行かないと使うことができないし」

「うーん、多分だけど、風椿は使うことはないかも。能力の強さを競う試験だから」

「じゃ、明日も暇なのかぁ。つまんない!」

「また、今度埋め合わせするから、機嫌直して」

「じゃ、発泡酒じゃなくて、来週はビール買っていい?」

「いいよ」

「わーい、それなら我慢するわ!」

太一は、明日に備えて、風呂に入ることにした。夜が明ければ、合宿二日目に突入する。










明日も再攻略しにいくかな

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