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幼なじみは龍でした  作者: 犬丸
別世界編
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第八十一話◇

この世界に帰ってきて三年が経った。


私は今、医大生として一人暮らしをしている。


実家から離れた都会に移り住んできた為、最初は色々苦労したけど一年も経てばさすがに慣れてきた。


「ねぇねぇそこの君!」


…こんなナンパにも最初は驚いたもの。


そこまで顔も平凡で、身体もそこそこでしかない私なんかのどこがいいんだか。


「…何ですか?」


大学からの帰りで、今日は綾香とご飯食べにいくから早く帰りたいんだけどなぁ。


「俺と遊んでかない?奢るからさ!」


私に声をかけた男は20代前半のチャラい男。


「いえ、いいで…「よーしじゃあ行こう!」ちょっと!」


駄目だ…話聞かないタイプだコイツ…。


ソイツはいきなり私の手を引いて歩き出した。


男の力には敵わないので、大人しくついていった。


でも…


「…あの。」


「んー?」


「…だんだん人気の無いところに行ってません?」


時間帯が夜なのでもともと通る人が少ないところがもっと少なくなっている。


「……。」


「ちょっと…聞いてま…ッ!?」


いきなり突飛ばされて地面にしりもちをつく。


いったいなぁ…。


男を睨み上げると男はポケットからナイフを取り出した。


ナイフ…!?


まさか通り魔!?


「……。」


「きゃあ!?」


男は無言でナイフを振り下ろしてきた。


なんとか避けたけど服の袖が斬れてしまった。


再び男はナイフを振り上げる。


素直に怖いと思った。


頭を過ったのはもうこの世界にいるはずのない幼馴染み。


「…火…音…!」


縋るような思いで彼の名前を呼ぶ。


それと同時だった。


「ぐぉっ!?」


男の呻き声が聞こえたのは。


「…ってめぇ!!」


再び鈍い音。


暗くてよく分かんないけど、誰かが男を殴ってるみたい。


「…くっ…そ…!!」


タタタ…と男が逃げていく足音が聞こえる。


完全に足音が消えると、雲に隠れていた満月が顔を出した。


よく見えなかった人物の姿が照らされる。


「…嘘。」



顔が大人びて、身体も少し大きくなった。


けど赤い髪と赤い瞳は変わってはいなかった。


「よ。久しぶりだな。」


声も少し低くなっていて。


でも笑顔は変わっていなかった。


「…火音?」


「おう!」


景色が滲む。


「…日向?…ッ!?」


不思議そうな顔をしている火音に泣き顔を見せたくなかったから抱きついてやった。


びっくりしたみたいで固まっていた火音だけどゆっくり大きな手が私の背中に回った。


「…会いにきた。」


「…っ遅い!…馬鹿。」


へへっと火音が笑った気がした。


しばらくするとまた、懐かしい声が聞こえた。


「日向お姉ちゃん!!」


「ワッフル!?」


「…ワッフル?…それ悲鳴か?」


火音の疑問なんてそっちのけで抱きついてきた人物を見る。


赤茶色の長くなった髪。


少し、背も伸びた…?


「アスカ…!?」


「うんっ!」


ニッコリ笑ったアスカはやっぱり癒し!!


「お姉ちゃん!お姉ちゃん、あたしの事大好きって言ってたよね!?」


「え…?うん。」


なにやら少し怒り気味で私を見上げるアスカ。


確かに言ったし、嘘なんかじゃない。



「じゃあ!火音様もあたしも大好きなの!?浮気!?それとも不倫!?」


「ちょっと待てぇぇぇい!!」


誰だァァァ!?純粋だったアスカにこんな事吹き込んだのはァァァ!!


「…ッ」


「おい。赤頭。」


お前か。笑い堪えてるって事はお前だな。


「成敗!!」


「だーっ!待て!殴るな蹴るなぁぁぁ!!」


夜の歩道に賑やかな声が響いた。



「なぁ。日向。」


「ん?」


場所は変わって私が部屋を借りてるマンション。


アスカは疲れちゃったらしく、私のベッドで寝ている。


「…返事、聞いてねぇんだけど。」


「あー…三年前の。」


「ああ。…どーよ?」


そんなの決まってるじゃん。


三年も待ったんだから…責任とってもらおうじゃない。


でも、言葉にするのは恥ずかしくて、再び無言で火音に抱きついた。


彼はまた笑って私を強く抱きしめた。


もう、いなくならないでね。


大好きだから。


ーEND-

終わったァァァァァァァァァァ!!


幼馴染は龍でした完結いたしました!!


今までお付き合い頂いた読者の皆様、ありがとうございました。


えー…今回の作品、出来る限り更新を早めようと思ったのですが、達成できず…。


うーん…あまり自分で納得できなかった作品になってしまいました。


次回の作品は以前書いたものの続編となるので自分が納得できる作品になるように心がけたいと思います。(こりずに更新早目を目指します…!)


そちらの方も目を通していただけたら幸いです。


ではでは最後になりますが、読者の皆様、本当にありがとうございました!


…おまけはその後の日向達ですw


























ーおまけー


ヒ「あ!綾香とのご飯忘れてた!!」


カ「おま…っ!俺より飯を優先するか!?」


ヒ「だってしょうがないじゃない!うわー…どうしよー…とりあえず携帯に連絡しとこー…。」


カ「……。(地味にショック)」


~そのころ~


ヴォルト「火音の奴…どこいったんだよ…。」


綾香「もーっ!ひにゃたどこにいりゅのよー!」


ヴ(…なんだこの酔っ払い。)


綾「ん?んん~?」


ヴ「…なんだよ(からまれたァァァ!!)」


綾「きみこうこうせいくん~?」


ヴ「まあ…。(…多分。)」


綾「らめらよ~?こんにゃじかんにほっつきありゅいてたら~。とゆーかまいご?」


ヴ「……(困)」


綾「ん~…わたしのへやくる~?」


ヴ(何故そうなるっ!?)


綾「ね~。くるでしょ~?(へにゃ笑)」


ヴ「…っ!?(照)」


綾「んじゃいこー!」


ヴ「おいっ!ちょっと待てっておい!(強制連行)」












フラグたった(´∀`)


日向の世界に来てるのは火音、アスカ、ヴォルト、ガイク、ジルク。


従者組はこっちの世界楽しんでればいいよww


そしてヴォルトは綾香といい感じになればいいww


はい。こんなくだらないおまけにまで付き合っていただき、本当にありがとうございました!!



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