7月28日③ いらないプライドはゴミ箱に
俺がサッカーをしてて感じることがある。それは『プライド』なんてゴミ当然だと感じる。
先輩だから後輩に負けてはならない。そういう正しい『プライド』を持つ人とは別だ。俺が言いたいのはぐちゃぐちゃな腐った『プライド』だ。
「ゴール前1対1!テンポ良くシュートまで行けよ!」
コーチの掛け声とともに1対1が始まった。俺の相手は順番を見れば多分伊路士だ。
「お前俺より下手だからって嫌がらせするな。キモすぎるだろ。」
伊路士が言ってきた。さっきのスポーツドリンクの件で恥を掻いた。それは諸々あいつは俺のせいにしてる。まぁやったのは俺だけど
腐ったプライド。簡単に言えば負惜しみのような物だ。一度あった事例として俺と悠真が一度だけ上級生のチームに呼ばれたことがある。
怪我人が多く、リーグ戦に人手が足りないから俺と悠真が呼ばれた。
俺と悠真は喜んだ。実力なのか努力なのか、わからないけど呼ばれた。
ただ伊路士は
「本気出せばあいつらなんか簡単に捻れるわ。下手くそだからな!あいつら!」
いつもつるんでる奴らと大声で笑いながら喋ってた。
俺はそんなひねくれものが…負惜しみなプライドが大嫌いだ。面白いとも、かっこいいとも思えないからだ。
「次!」
俺の番が来た。俺はオフェンス。伊路士がディフェンスだ。伊路士にパスを出し、伊路士は強めのダイレクトパスで返してきた。
「ディフェンス縦切れ!おい!」
キーパーが指示を出した。ただ伊路士はそんなことを聞かずダイレクトパスをした足のままディフェンスで凸ってきた。縦はがら空き、ただわかる。誘ってきてるのが…そこ来たら削るって言うのが
「来いよ!ほら!来いよ!」
煽ってきた。そんな伊路士を見て俺は少し笑いそうになった。だから俺はそのお望み通りに行くことにした。
縦に行くフリに食いついたのでアウトで股を抜いて中に入った。そのままシュートを打ったが真正面で止められた。
「ディフェンスもっと強く行けよ!」
「縦切れって言ったから縦切れや!」
「新斗ナイス突破!」
伊路士に向けたミスを指摘する声。彼はそれが許せない人間だ。
「なんで縦切らせるんだよ!取らなきゃ駄目だろ!くそが!シュートコース限定したんだから感謝しろ!だから止めれた!」
結果論、抜く方向を制限してシュートコースがなくなった。確かに事実そうだ。ただ第一シュート打たせてる時点で良くない。
キーパーの指示を聞けばよかった。ただその言うことを聞かないひねくれたプライドが伊路士にある。
「ナイスドリブル。だけどもう少しカットインをした時にシュートを打ちやすいところにおけるようにしろ。」
褒めからの改善点。俺はそういうのを素直に聞く。もう一度別の相手との一対一の時に最初っから中に入ってさっきよりいい体制でシュートを打てた。
「全員集合!」
悠真の掛け声で駆け足でコーチの回りに集まる。全員が汗だくで北海道の涼しさを感じず、日差しが背中に突き刺さって余計暑く感じる。
「明日!一年はリーグ戦だ!スタートメンバーを発表する!」
「キーパー古賀!DF右から荒波、山凪、晴久、平風!真ん中、アンカー南葉、トップ下来栖、堂木!FW3枚は右から一川、登那木、笹度。
以下のものはベンチ!」
左SBのスタートメンバーに選ばれて嬉しかった。明日はしっかり頑張ろ、そう思った矢先
「すみません。なんで俺がスタメンじゃないんですか?」
伊路士が不満げそうにコーチに問いただした。
「俺はこの夏休み中、練習今のところ全部来てます。ただ何故新斗がスタメンですか?あいつ昨日休みましたよね?」
理由はわかる。何かしらの用事があるとはいえ、俺は昨日休んだ。その事実は間違えではない。実際伊路士と俺は同じポジションだ。それはそれで悔しいだろう。わかる。
「ここ数回の練習中お前はチームメイトと問題を起こしてる。実際今日のミニゲーム中にプレーが上手く行かないからって八つ当たりに近い行動をしただろ?」
コーチが少し強張りながら淡々と説明した。さも当たり前と思ってるような顔だ。
「それは…あいつがミスしたから!」
「だからといってチームメイトを罵倒する理由は見つからない!それはチーム取って悪影響だ!」
指を指して声を荒げて答えた。その声とは裏腹に感情論ではない。実際にチームの雰囲気はその一つの罵倒で変わる。それぐらいの影響力があると思う。
監督は立ち上がってさっきの荒げた声のせいなのかわからないが少しガラガラの声で
「解散…」
「気をつけ!ありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
明日の試合が少し楽しみだ。
キャラクター設定⑤
山川 伊路士
15歳/2月10日
177/65/サラサラ流れるマッシュのような髪
学校内や部活内で問題を起こす迷惑なやつ。ひねくれており、強がったりはする。ただ自分のためなら努力もかかさないやつでもある。




