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(2巻出ます)新米魔女の異世界お気楽旅 ~異世界に落ちた元アラフォー社畜は魔女の弟子を名乗り第二の人生を謳歌する~  作者: 三毛猫みゃー


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第83話 魔女、呪いを集める

 呪いの治療はつつがなく終わった。ポーションをどうやって飲ませたかって? 漏斗を使ってなんとかしたよ。アンリよりも症状は軽いからそれで大丈夫だった。決して口移しがしたくないからそうしたわけじゃないよ。決して男の人と接吻をしたくなかったからじゃないよ、本当だよ?


 ポーションを飲ませる度に出てくる黒い煙の回収も一緒に済ませている。これがあるからポーションだけ渡しておしまいって出来ないのは、ちょっと面倒くさいかも知れない。治療が終わり黒い煙の回収を済ませた所にアルバスがティッシモと一緒にやってきた。


「エリー殿、話を聞きました。王には連絡をしましたのですぐに騎士団が来るでしょう。私が手伝えることはありますかな」

「アルバスさんお久しぶりです。そうですね、騎士団には同じような症状の人がいないかの調査をしてもらいたいです。もし見つかりましたらどこか一箇所に集めてもらえれば私が治療しますので。それから私は今のうちにギルド区の教会の方へ行って治療してきますから、何かあったら連絡をください」

「ふむ、わかりました。私はここで騎士達を待ち、来ましたらその話を伝えることにします。それと外の馬車をお使い下さい」

「助かります」


 教会の外に出ると馬車が待機していたので、顔見知りの御者さんにお願いしてギルド区の教会へ運んでもらう。馬車から降りて御者に戻るように言って教会へ向かう。


 ギルド区の教会には既に騎士が配備されているようで、入り口の所で一度止められたけど話は通じているようで、すぐ中に案内してもらえた。教会の中に入ると闇神の神官服を着た一五歳位の銀色の髪をした少女が出てきた。


「こちらの方をご案内すればよろしいのでしょうか?」


 私を連れてきた騎士が「そうです、よろしくお願いします」と言って私を引き継ぐと教会から出ていった。


「あの、ご案内いたします」

「うん、お願いするよ」


 女の子についていきながら少し話をしてみる。


「今はどんな感じなのかな?」

「えっと、昨日ですが意識不明の方が運ばれてこられました。そこで上級神官様が治療にあたったのですが、治すことが出来ずその後に倒れられました。一級神官様が倒れられてしまい、続いて一級神官様を癒そうとした二級神官方も倒れてしまって」

「それは、何というか大変だったね」

「そう、ですね。私一人では皆様を運ぶことも出来なくて、その場に寝かせるのが精一杯でした。途中たまたま教会に来られた冒険者様に手伝っていただいてこの部屋に集めていただき、ギルド経由で王城へ知らせてもらったのです」


 アンリの呪いはたまたま私が対処したから良かったけど、この呪いは神官みたいに神の奇跡では治すことが出来ない。


「その後も少しずつ増えていき今は三十名ほどがここで保護されています。死んだ方はまだおられませんがいつまで持つかは……」

「治療は任せてよ。これでも私は凄腕の錬金術師だからね」


 そう言って少女の頭を撫でてあげる。


「皆様のことよろしくお願いします」


 少女の神官に話を聞きながら移動をし、案内してもらった部屋へ入った。少女の神官は部屋の中には入らず戻っていった。


 部屋の中に入るとそこにはシーツが床に敷かれていて、その上に三十人ほどの人が寝かされている。看病をしている人はおらず、この部屋には患者だけがいるようだ。さっそくポーションを取り出して症状の軽い人から治療していく。


 一人ずつポーションを飲ませ、出てくる黒い煙を回収する。それを繰り返し二時間ほど掛けて治療を終える。治療の途中にも何人か追加で運ばれてきたが、この呪い以外の患者も何故か運ばれてきたのでついでに治療しておく。


 流石に軽症の人はお引取り願ったけど。治療が済み症状の軽かった人から目を覚まし始める。その段階で人を呼んで引き継ぎを行う。


「治療は終わったけど、まだまともに動けないと思うから最低でも一日は安静にさせてね」

「は、はい、ありがとうございます。こんなに短い時間で治療が終わるなんて。これは一体何だったのでしょうか」


 私をここまで案内してくれた少女の神官と少し話をすることにした。


「これは呪いよ。だから神官が使う神の奇跡では対処できなかったんだよ」

「呪いですか?」

「特に今回の呪いはチェインカースと言われるタイプでね。治療をしようとした者にも伝染してしまうの」

「そうなのですか。ですから治療にあたった神官様も倒れてしまったのですね」

「そういうわけだから、もし同じ症状の人が運ばれてきても手を出さないように気をつけてね。連絡は騎士に伝えれば私が出向くから」

「わかりました。ありがとうございます錬金術師様」

「ああ、自己紹介をしていなかったですね。私はエリーよ」

「失礼いたしました、私はミーシア・ラーライトと言います。闇神にお仕えせていただいています」

「ミーシアね、よろしく」

「はい、よろしくお願いしますエリーさん」

「それじゃあ、私は貴族街の教会にいくから何かあったらそこにいる騎士にでも言って。そうしたら連絡は付くと思うから」


 私のその言葉が聞こえたのか、視線の先の騎士がミーシアに向かって一礼している。私はミーシアに手を振って教会の敷地内から外に出る。さてと、どうやって上の教会に戻ろうかな。そう思っていた所へちょうどいいタイミングとでも言えば良いのか、アルバスの馬車がやってきて目の前に止まった。


「エリー様お乗り下さいませ、旦那様が教会でお待ちです」


 どうやら一度戻ってから、アルバスに指示を聞いて私が出てくるのを待っていたようだ。御者にお礼を言って私は馬車に乗り込んだ。

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