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(2巻出ます)新米魔女の異世界お気楽旅 ~異世界に落ちた元アラフォー社畜は魔女の弟子を名乗り第二の人生を謳歌する~  作者: 三毛猫みゃー


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第73話 魔女、酒盛りをする

「へー、そんな話だったのね」


 食事を終わらせ今はお酒とつまみで酒盛りをしている。


「久しぶりの酒はうまいの」

「お酒ならいっぱいあるから好きなだけ飲んでいいよ」


 アルバートとスレイナは早々に酔い潰れて眠っている。と言ってもこの二人がお酒に弱いというわけではない。空になった大きめの酒樽が三樽転がっているわけで、二人は二樽目で限界を迎えた。


「それで振られた腹いせで暴れていたら痛い目を見たわけだね」

「まあ、有り体に言えばそうじゃの」

「それで倒された後に建国王との約束を守って今に至るってわけね」

「代替わりを済ませた後の話じゃがな。上の山が今の形になったのはその時じゃの」


 黒龍の話をまとめると、当時付き合っていた光龍と喧嘩別れしてこの辺りで魔物や動物なんかのやけ食いをしていたら、師匠を含む建国王たちにフルボッコにされたみたい。負けたは負けたけど龍の試練ってことにして許してもらったらしい。


 後は自分をフルボッコにした建国王に惚れて伴侶になったとか。子どもをちゃんと産んで人間として生まれた子の子孫が今の王家なんだって。今の王家が黒髪、つまり全属性均等を継承しているのは建国王の血のほうが龍の黒属性より強かったためだね。


 この黒龍、建国王との間に子供を作りたいがためだけに、あっさり闇神の眷属を辞めて黒龍になったみたい。そんな適当でいいのかと聞いたら闇神が「いいよいいよ」といった感じで気だるそうに了承してくれて、あっさり引退できたと言っている。


 少し話は変わって、龍が卵生か胎生かと考えるのは転生者か転移者だけだと思う。この世界の人にとって龍は胎生で竜が卵生というのが常識だ。


 龍も他の他種族の法則と同じで、どちらかの種族の子どもが生まれる。龍として生まれる場合は生まれた頃は人種と変わらない姿なのだけど、一歳を超える頃には鱗が生え角が生え尻尾が生えという感じで少しずつ龍化するわけだね。


 その辺りは他の種族でも一緒でエルフも産まれたときから耳が長いわけでもない。ドワーフも産まれたときから髭が生えている訳でも無いのと同じだね。


 今いるこの場所は黒龍の巣穴であり育児の場であり死を迎える場所なんだとか。闇神の眷属という立場はずっと空席だったけど、後に娘の一人が引き継いで今は娘が別の場所で闇龍として活動しているらしい。そしてこの黒龍は大半の時間を寝て過ごしている。


 黒龍と闇龍って何が違うのと思って聞いてみたら、黒龍が闇神の眷属となった時に闇龍になるとのことだった。白龍に関しても光神の眷属になると光龍になるんだって。


 他の火神や水神なんかの場合はそのままだということだけど、その辺りが光と闇の神が六神の中でひとつ上の存在だと思われている所以ゆえんかもしれない。


 あー、でも火龍なんかは変身して炎龍になったりするから、その辺りの神と龍の関係性ってよく分からない。今度火龍に会ったときにでも聞いてみようかな。


 この黒龍、今はたまに外へ出る以外は殆ど寝て過ごしている。そして王家の後継者がここに来て戦うのは龍の試練を受けさせて加護を与えるためみたい。ただし闇神の眷属ではないので火龍の時みたいに神からの祝福は貰えない。


 黒龍がここまでしている理由は、建国王の血が絶えるまで見守ると約束したからだ。だけど別になにかの縛りがあるわけではなく、好き好んで今も約束を守り続けている。数十年単位で尋ねてくる子孫と会うのも楽しみにしているみたいだね。


「それにしてもあの時のエルフが魔女になり、そしてその弟子であるお主は異界のもの、その上に魔女にまでなるとはの、まっこと面白いわ」

「面白いのかなー、まあ今のところ楽しめてはいるね」

「我の娘に会うことがあれば、たまには尋ねてこいとでも言っておいてほしい」

「もし会えたらね。今のところどこに行くかは決めていないから、いつになるかわからないよ」

「それで良い。さて今日はお開きとするかの。この様子じゃと明日すぐに戦うというわけにもいくまい」


 黒龍はアルバートとスレイナを愛おしそうに見つめている。


「この二人は明日二日酔いかもしれないね」

「そうかもしれぬの。おお、そうじゃった。我のことはアンジュと呼ぶが良い。お主のこともエリーと呼ばせてもらおう」

「わかったわアンジュ。それで明日は私も戦えば良いのかな?」

「ふむ龍の試練という意味でなら既にこの二人は戦う必要はないの。我の試練で王家のものだけでなく助っ人が許されている理由はの、その人脈も含めて試練だからじゃの。それにエリーは龍の加護は受け取れられぬからの戦う必要はない」

「それじゃあどうしたものかな」

「アルバートとスレイナが我と戦いたいというのなら相手してやらんでもないがな」

「それじゃあ明日起きてから決めましょうか」

「ふむ、我はそれで構わぬ」

「じゃあ今日は寝かせてもらうわ。おやすみアンジュ」


 寝転がっているアルバートとスレイナにポシェットから布団を取り出してかけてあげる。アンジュは寝床に向かいしばらく歩いた後に龍の姿に変わり猫のように丸くなって寝転がっている。私も自分の分の布団を取り出して就寝することに。



師匠せんせい、この布団売ってくれ」

「朝一の挨拶がそれってどうなの?」

「あっ、おはようございます」

「おはようございます師匠。私もこのお布団頂きたいです」


 スレイナまでもが布団に抱きついて離さないでいる。


「別にいいけどお城にならもっと良いのあるでしょ? なんでほしいの?」

「この布団は毒素を抜く効果があるからです」

「へっ、今なんて」

「毒素を抜く効果があるんですよ、その御蔭で二日酔いにならずにすみました」


 この羽布団の中身は少し前に唐揚げになったダーククロウの羽を詰めているのだけど、そんな効果があるなんて知らなかったわ。私自身毒とかには無縁だから気が付かなかったのかな。寝起きの頭じゃよくわからないや。


「ほしいならあげるしお金とかもいらないよ」

「「ありがとうございます」」


 テーブルと椅子をポシェットから取り出して、屋台で買っておいた食事を並べる。いつの間にかアンジュも席についていて、みんなで食事を始める。


「それで二人はアンジュと戦うの? あなた達はもう戦わなくて良いって言われてはいるけどどうする?」

「戦いますよ、俺たちのご先祖様もそして親父達も戦ってきたわけだからな、そこから逃げるなんてことはしたくない」

「そうですね、私もお兄様と同じです。それに今の私たちの実力を試したいですから」

「ははははは、良い子らじゃ。良いだろう相手をしてやろうぞ。思う存分抗ってみるが良い」

「まあ、死ななければ治してあげるから思う存分やりなさいな」


 どうやら二人ともやる気のようだね、どこまでやれるか見せてもらうとしましょうか。




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