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(2巻出ます)新米魔女の異世界お気楽旅 ~異世界に落ちた元アラフォー社畜は魔女の弟子を名乗り第二の人生を謳歌する~  作者: 三毛猫みゃー


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小話 求む、使い魔 絶望編

 今、私たちの目の前には普通の森が見えている。ちょっとしたトラブルが起きたため、日が暮れるまでに次の街へたどり着けないということで野営をすることになった。ちなみにアルバスとアデレート、それからセーランはキャビンの中で寝てもらうことになっている。


 キャビンには空きがあるので私もキャビンの中で寝ていいと言われたのだけど遠慮しておいた。私の代わりにカルロ達に使ってもらおうとしたのだけど、カルロとアーサの二人も外でいいとのことだった。


 そして野営の準備が終わった所で、食事の用意をすることになった。そこで私は収納ポシェットの中から、今までに屋台で買ったものを提供することにした。


 この中で少なからず料理ができるのが、私とリリとアデレートだけだったのも料理を提供した理由だ。護衛も合わせた人数分を今から作るのが面倒だというのもある。ちなみにカルロたちは普段どうしてるのかと聞いたところ、野営のときなどは塩のスープとスープで柔らかくした干し肉を食べるくらいだったようだ。


 せめて誰か一人くらい料理覚えようとはしなかったの? と聞いた所、カルロたち三人は目をそらして力なく笑っていた。



 私は食事も済ませて少し席を外すと言って野営地を離れる。魔法で気配を探り見つけた対象へと気配を消して進む。


「それでどうしてカルロとセーランは付いてきているのかな?」

「エリーがどこに行くのか気になったのでつい」

「カルロがエリーさんの後をつけていたのでつい」

「はぁ、まあ良いけどね気配は消しなさいよ」


 三人で気配を消しながら進むと、森の切れ目から小さな池が目に入った。そしてその池の傍らには様々な獣が集まっている。


「(色々いますね、それでエリーはどれが目的なんですか?)」

「(あの黒一色の虎を狙っているのよね)」


 小声でやり取りをする。水を飲んだり座り込んだりとくつろいでいる獣達。狼やシカにクマなんかもいるがその中で異彩を放っているのが黒い虎だ。なんとかあれを捕まえて使い魔にしたい。


 カルロとセーランには隠れているように言って私はゆっくりと歩いていく。近寄るにつれて私に気がついたのか獣たちが逃げ始める。ただ黒い虎だけはその場から動かずに私を威嚇するように唸っている。


 そして最後に残ったのは目の前の黒い虎だけとなり、私は更に近寄っていく。手を伸ばせば届く距離に来た所で私は手を差し出した。黒い虎は飛びかかるように私の腕に噛みつき、腕を引きちぎろうと首を動かす。


「怖くない怖くない」


 私の腕を引きちぎることが出来なかったため、その代わりに腕をカジカジと噛んでいる。


「ほーら、怖くないでしょ(ニコリ)」


 私の笑顔をみた黒い虎は一瞬ビクリと震えたかと思うと噛むのをやめて腕を離した。ちなみに私の腕は無傷だ。ちょっとヨダレが付いてばっちいけど。黒い虎はフラフラと少し後ずさったあとにゴロリとヘソ天してひっくり返った。


「エリー、大丈夫ですか?」

「エリーさん怪我はしていませんか、すごく噛まれてましたけど」

「大丈夫だよ怪我一つしていないから、それよりこれどうしよう……」


 どう考えてもこれって怯えきっている上に服従のポーズだよね。いやそのね、使い魔にするには服従じゃなくてね、信頼関係がね。


「もういいよ、森へ帰りなさい」


 それを聞いた黒い虎は勢いよく起き上がると猛ダッシュで走り去っていった。


「あーその、気を落とさないでください。きっとどこかにエリーと相性のいい子がいますよ」

「そうですよエリーさん、その、えっと、泣かないでくださいね」


 空を見上げると雨も降っていないのに視界が歪んでいる。なんとなく気がついてはいたんだよ。街でも犬にやたら吠えられたり、猫とは目が合えば猛ダッシュで逃げられたり、鳥なんか一斉に飛び立って糞を落としてきたりしてたんだよ。


 そんなわけで私はどういうわけか動物全般に嫌われる体質のようだ。こうなったら最終手段だ。魔物をテイムして使い魔の代わりにするしか無い。


 カルロとセーランには、少し一人になりたいと言って先に帰ってもらう。二人を見送った私は杖を取り出して空へ飛び上がる。獣が駄目なら鳥だよ鳥。それも魔物の鳥が良いんじゃないかな。


 魔法で気配を探り対象となる魔物を発見する。ちょうどいいのを見つける事ができた。私の視線の先にはダーククロウという漆黒の羽を持つ魔物がいた。大きさが私と同じくらいと意外と大きいが、なんとかなるだろう。


 動物と違い私を見つけて向かってくるダーククロウを捕まえて肉体言語で説得するつもりだ。魔物は上下関係を知らしめて屈服させればなんとかなるはず……たぶん。


「さあかかってきなさい! そして私の使い魔になるのですよ!」



 翌日の昼ごはんは、私が用意した鳥の唐揚げが食卓に上がった。鳥の唐揚げはみんなから絶賛された。私の食べたからあげだけは、塩も胡椒も使っていないのに少ししょっぱい気がした。


 そして私の収納ポシェットの中には、新たに数匹分の漆黒の羽が在庫として収納されている。

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