第009話「アメリカからの刺客」
ポール・レオーニはついに日本の地を踏んだ。その目的はただひとつ。
グレゴリー・浅間を見つけ出すことだった。
レオーニ・ファミリーが屈指で集めた情報により、グレゴリーの店が新宿の思い出横丁にあることが判明した。
「ボスの到着までに、奴のアジトを特定しました!」
「よし、今から向かうぞ!」とポールは鋭い眼光で部下に命じマシンガンの準備をする。
夜の帳が下りるころ、ポールは思い出横丁の雑踏に紛れ込み、慎重に店の様子を探った。
そしてついに、薄暗い提灯の下にグレゴリーの姿を発見。
「あの中華店だな?」
「はい!ボス間違いありません!」
部下の指示通り、ファミリーは慎重に店の前で待ち伏せる。
「お前ら、今度はドジ踏むなよ?」
「はい!ボス!」
店から出たグレゴリーは、鋭い視線を感じ取った。しかし、その瞬間、突如として闇の中から何者かが飛び出し、ポールを襲撃した。
「おっと!危ない!そんな子ども騙しが私に効くとでも?」
グレゴリーは護身用のナイフを投げつけたのであった。
ファミリーの者たちがとっさにグレゴリーを押さえつけ、彼をそのまま連れ去る。
「見つけたぞ!」ポールの声が響く。
だが、その刹那、グレゴリーはスーツの襟につけたピンバッジの目立たぬボタンをこっそり押した。
「こんなに早く見つかるとは……私としたことが……」と、彼は呟いた。
その頃、大輔と朱華音は小深山のジムでいつものトレーニングに励んでいた。彼らは新しい装備を試しながら、ジムの仲間と3対3のスパーリングを行っていた。
大輔は相変わらず、3人の攻撃を受け続ける防御特化の練習をしていた。
「兄貴!さすがに防具を使ってもきついっす!この人ら、かなり強いっす!」
「おい!これくらいで参ってたら、アリーナでは上へ行けないぞ!」と小深山が喝を入れる。
その瞬間、新たに2人が加わり、大輔は5人からの攻撃を受ける。
「えぇぇぇーーーひえぇーー!」大輔の悲鳴が響く。
その瞬間、彼の手にしたメリケンサックが光を放ち、音声が流れた。
「この様な仕掛けをして申し訳ないですが、今、私の身に危険が迫っています。このメリケンサックには私の居場所を特定する機能を備えています。今すぐパソコンに接続してください。」
「グレゴリーさんの声だ!」彼は驚きながらもすぐに小深山に事情を話し、パソコンを借りた。
「ほら!早く繋げろ!」と小深山がノートパソコンを差し出す。
「ありがとうございます!」
接続した瞬間、地図が表示された。赤い点がグレゴリーの居場所を示している様だ。
「これってGPSじゃない?」朱華音が確認する。
小深山は画面を見つめ、「この場所は池袋付近だな。よし!俺の車で行くぞ!」と決断した。
「グレゴリーさんが危ない!ひょっとして、この前襲ってきた連中の報復かもしれない。助けに行かないと!」
「時間がない!急ぐぞ!」小深山は車のハンドルを握り、アクセルを踏み込んだ。
朱華音は後部座席でパソコンを開き、メリケンサックを接続する。「これで正確な位置が分かるはず!」
画面にはリアルタイムの位置情報が表示され、赤い点が池袋の外れを示していた。
「やっぱりここだ!」大輔が叫ぶ。
4人は車を走らせ、池袋の外れに到着した。そこは倉庫が立ち並ぶエリアだった。
GPSが示している場所には、一つの倉庫があり、黒いスーツを着た男たちが数名、見張りをしていた。
「ここに間違いないな。」緊張した様子で彼が話す。
「どうしますか兄貴?正面から行きますか?」大輔の顔に緊張が走る。
「いや、裏から入れるか調べよう。」一瞬冷静な趣で彼が話す。
4人は倉庫の裏手を探ったが、そこで見張りに発見されてしまった。
「見つかったか!しまった!」彼は皆に叫んだ。
小深山はすぐに前に出て言った。
「俺にこいつらは任せろ!お前らは先に行け!」
「小深山さん!」彼が叫ぶ。
「こいつらなら楽勝だから、いいから先に行け!早く!」
「はい!」
小深山が見張りを引きつける間、3人は倉庫の裏口から侵入し、グレゴリーを救うために潜入するのだった。
「大輔!朱華音!準備はいいか?このガラスを割って中に入るぞ!」
「押忍!兄貴!どんな武器が来ても俺が盾になりやす!」
「なんかスパーリングじゃ物足りなかったしね!あたいも準備OKだよ!」