31話 妖精人の幹部就任
50,000PVとお気に入り件数が100を達成しました。
読んで頂きありがとうございます!!達成を見た時とっても嬉しかったです!!
十日ぶりの投稿です!!
いや~。どの国に行かせるか結構悩みましたよ。
結果、もう全部でいいじゃんって投げやり気味な事になりました。三カ国行かせてみせます!!
今回の機会に幾つか変更しました。
大きい変更としては側近を幹部に変更しました。
そして、全部ではありませんがエルフを妖精人と書いたりするようにしました。種族で一つだけカタカナって違和感があったんで。
ではでは、三章もよろしくお願いします!!
ローレンとミュリエルの間に双子が生まれた。
同時に災害も終わった。一安心である。
俺は配下達に今日は休むように指示した。嵐のすぐ側で待機していた実力者は勿論、村に戻っていた皆も何時でも逃げられるように待機させていたので、皆寝不足だろうと考えたのだ。きっとうまく作業も出来ないだろう。ゆっくり休んでおくれ。
主に側近等の力がある者は、体の力が一気に抜けて欠伸などをしながら小屋へと向かった。
フィアとルインは少し疲れてはいたが、はしゃぎながら屋敷へと帰った。二人はわりと余裕だったようだ。さすが大物である。
まあそんなわけで、ほとんどの者が疲れて眠る中、俺とめでたい夫婦は災害地後に残っていた。
「あら!!この子はダーリンに似て風を使えるみたいよ!!」
二人が抱える赤ん坊は、人間のそれと大差は無い。しかし、額から小さな角が飛び出していた。
ミュリエルが抱える赤ん坊の口から、小さな風が発生した。威力はミュリエルの髪が軽く持ち上げられる程度なので扇風機くらいだろう。
その赤ん坊、夏に便利そうだな。
「本当かい?それは嬉しいよ。あっ、この子はハニーに似たようだよ?今水を吹き出した」
もう一方の赤ん坊は口から水を少し吹き出した。水の威力はまるで玩具の水鉄砲のようだ。
この赤ん坊も夏に便利そうだな。
もうそろそろ夏が来るだろうと思うと、そう言った夏に使う物が欲しくなってきた。
風鈴とか無いかなー。綺麗な音が好きなんだよね。あれ。
まあそれはともかく。双子はそれぞれの特性を継いだようだ。話に聞いただけで見たことは無いが二人の特性は聞いていた。
ローレンが風に関する力を、ミュリエルが水に関する力を持っているということだった。きっとそれぞれ強くなるだろう。
自分達に似たことをキャッキャッと喜ぶ二人に、俺は声を掛けた。
割り込むのは気が引けるが、いつまでもここにいては魔物等が出るかもしれないので村に向かわせる為だ。
俺がいるから大丈夫だろうが、二人は魔力が枯渇寸前の弱った状態なので一応安全に気を使っておく。俺は二人を空いている新しい小屋に案内して、使わせることにした。
騒動はひとまず収まった。慌ただしい時間は終わって自由である。災害の後処理が色々とあるが、そこからは目を逸らす。洞窟での戦闘から、この災害。濃縮された時間を味わったので羽を伸ばしたいのだ。
さあ、自由だ!!
俺は走りだした。
「何しよう……」
一人広場に突っ立って呟く。走っている間は割とワクワクしていた。だが、ふとすることが無いと気づくと一気に退屈になったのだ。
よくよく考えたらすること無いな。何しよう。
空を見上げて考えていると、数匹の鳥が飛んでいた。
「…………あっ。そうだ」
そこで俺は思いついた。折角羽が生えたのだから、景色を眺めて楽しもうと。
羽を背中に生やし、一気に上空まで飛翔する。最高記録を裕に更新するであろう雲の高さまで飛び、羽の動きを止める。オオバトから得た特徴は羽と浮く能力なので、羽は動かさずとも落ちないのだ。
風によって体は雲のようにゆっくりと流されて行くと予想していたのだが、結構風が強いので何もしないとドンドン流される。
迷子になりそうでちょっと怖かったので羽で流されないように微調整しながら下を見てみる。
「おおっ」
思わず声が漏れた。
眼下には大きな屋敷と小さな小屋が集まり、一つの塊となっている。その隣には渦を巻いて倒れる木々の巨大なサークル。そして人口的に出来たその二つの周りには大きな森が広がっている。走っていて外になかなか出ないとは思っていたが、かなり広い。森が途切れた先には三つほどの国がバラけて見えた。村はどうやら森の端のほうらしく、すぐに近くで森がなくなり、青い海が広がっている。汚れのない、本当に綺麗な海である。
感心しながら辺りを見続ける。
遠くに見える国には行ってみたいが、オオバトとの一体化は飛べるだけであって、森を走るよりは速いがあまり速度が速くない。なので今回は諦めた。
海はルインが近くにあるとは言っていたが、本当にすぐ側だ。日帰りも十分可能だろう。塩だけで我慢しろと言われてから、なんだかんだで一回も行っていない海。今度皆で遊びにいってもいいかも。
真下には村と円形になぎ倒された木がある。
広場を中心に小屋が広がり、端に屋敷がある村。あの場所に俺の配下がたくさん住んでいるのだ。そんな集団の主は俺。そう思うと少し気合が入った。
竜の子供が生まれた後。なぎ倒された木々は綺麗な丸の形である。あそこはスペースが結構あるので、片付けて訓練場にすればいいかもしれない。ルインとか喜びそう。
そんな風に眺めていると、村から少しの位置。そこで大きな木が一本、いきなり倒れた。
何事かと駆けつけてみれば、折れた木の前に座り込んだ。疲れて息切れしたクロナがいた。
空を飛んだまま、俺は声を掛けた。
「何やってんだ?」
「ん?ああ。ジンか」
疲れた顔に笑顔を浮かべつつ、クロナは立ち上がろうとした。だが、ふらついていて危なっかしい。
「大丈夫か?」
一体化を解き、地面に降りて駆け寄て肩を支えてやる。
「ああ。ただの魔力不足だ。しばらくすれば治る」
「魔力不足か。ならすぐ楽にしてやる」
俺はアオマの実と一体化した。掌が少し青色に染まる。その部分を腕に当ててやると、クロナは驚いたような顔をした。
「これは……魔力が流れてきている?」
「その通り。どうだ?」
「なんだかおかしな気分だ。まあ、違和感があるが耐えられない訳では無い」
「そうか。じゃあ少しこのままやるぞ」
アオマの実との一体化で得られる能力は、自分の魔力を他者に渡す力である。俺からの一方通行ではあり、さらに渡すだけで魔力も消費する。初使用という事もあり、渡す魔力に大して魔力の消費量がかなり激しい。だが、俺の魔力量は多く、クロナをある程度元気にするぐらいなら大した問題では無い。
因みに、今この力でフィアに魔力を渡しても、ジンの苦労に対して大した量は渡せないと解っているので、やるつもりはない。
少しの間送り続けていると、クロナが安定して立てるようになったので一体化を解いて離れた。
「調子はどうだ?動けるか?」
「普通に動く分には十分だな。ありがとう」
屈伸をして体の調子を調べたクロナは、そう言って元気そうに笑った。それに俺も笑顔をで返した。
「で、結局何をやっているんだ?魔力が切れるまでやるなんて」
「前に言っただろう?称号を手に入れたと。それを使いこなす為の鍛錬だ」
「そう言えば言っていたな。調べていいか?」
「構わない。好きにしてくれ」
お言葉に甘えて、俺はクロナに手をかざした。
【突き進む者】……[収束]全身の強化を一部に集める事が可能。
ほう。これは[剛力]と相性が良さそうだ。同時に使えば、素晴らしい力を発揮するだろう。
「クロナに相性の良い称号だな」
俺の言葉に、クロナは困ったような顔で首肯した。
「ああ。私もそう思う。だが、扱いが難しくてな。うまくいかないんだ」
「そうなのか。まあ、あんまり無理するなよ?ただでさえ昨日の戦闘で魔力が少ないんだ。さっきもフラフラしていたんだし、もう休んだらどうだ?」
クロナは首を横に振り、近くの木の前にたった。
「後もう少しやってからにする。折角の休日だし、なっ!!」
そう言ってクロナは気を殴りつけた。だが、先ほどの威力は無かった。どうやら失敗したようだ。
「そうか。頑張れ」
「ありがとう」
その場を離れ、俺は村へと戻った。
結局その日、俺は一日ダラダラ過ごした。海という選択肢はあるが、一人で海に行って塩を作るだけというのも何だか悲しい気がしたのだ。皆が起きるまで日向ぼっこをして、起きてからは雑談していた。
◆◇◆◇◆◇
次の日の朝になり、作業再開である。とりあえずは朝礼から、いつもなら全員を集めて今日の計画を軽く話すのだが、今日はリディアとフェアリーが配下に加わった事も報告した。
朝礼に一緒にいることや、昨日の内に情報が広まっていた事で、知っている者は結構いたようだ。だが、皆新たな仲間を喜んで歓迎し、リディアとフェアリー達も嬉しそうにしていた。
しばらく経って皆が作業に取りかかり始めた。
今までの俺は「大きく構えていろ」と言われておおまかな指示しか基本的にはしていない。なんでも、一緒に働いたら緊張する配下や拝みだす配下がいて、効率が悪そうだからという理由である。まあ、確かにありそうだと思ったので俺は大人しくしていた。
だが、今日からはなかなかの重労働が待っている。フェアリー達の進化である。
男女に分け、グループ毎に呼び出して進化させる。
顔の変化を見てみると、年寄りを除いて童顔が多かったのだが、やはり進化すると美男美女ばかりに。可愛いタイプから格好良いタイプまで揃い踏みである。
進化後は勿論服を作ってやった。今までのは入らないだろうしね。
しかし、この時はやはりテンションが上がるものだ。女性が進化した後の一糸まとわぬ姿。役得である。因みに男は見た所で嬉しく無いので流した。
その日の内に全員を進化させた。今回は割と魔力に余裕がある。いままで進化後は疲れきっていたが、次第に魔力量が増えているのだろう。
さて、新しい配下が一度に増えたので、とりあえず纏め役としてリディアには幹部になってもらおうと思う。
という訳でリディアのいる場所に向かう。
フェアリーが魔法を使って補助をしつつ、他の部族が組み立てる。そんな光景を眺めながら進んでいくと、広場の端でリディアがフェアリー達に細かい指示を出していた。
俺が手を振りながらリディアに歩み寄ると向こうから話しかけて来た。
「ジンさん。仲間をフェアリー達を進化して頂きありがとうございます」
綺麗な動作で深く頭を下げるリディア。
俺は少し照れくさくなったので、左手で頭を掻いた。すると金属同士がぶつかって高い音がなった。
「俺の配下になったんだから当然だよ」
「配下……ふふ、なんだか嬉しいです」
後ろにひまわりでも見えそうな眩しい笑顔をするリディア。昨日の話からして、分かりやすい繋がりを偉く気にいるのだろう。
「そうか。改めてよろしくな」
「はい。お願いします」
またまたパアッと笑顔が咲いた。なんだか俺も釣られて笑顔になった。
そのまま少し雑談していると、そう言えばここに来た理由を思い出した。違う話しをしている内に忘れていたのだ。雑談が楽しかったせいだ。笑顔の魔力恐るべしである。
とりあえずまた忘れる前にと、話題をそちらに変える。
「あっ。そうだリディア。幹部になってくれないか?」
「……え?」
軽い雑談からの急な方向転換に混乱させてしまったようである。明らかに戸惑ってわたわたしている。まあ、普通重役を軽く渡されても困るか。
「幹部だよ。リディアには代表としてエルフを纏めて欲しいんだ」
「……え?」
帰って来た台詞は同じ。しかし、聞き間違いでは無いと確認し、戸惑いは先程を超えている。わたわたがあわあわになった。
「落ち着けって。深呼吸してみろよ。ほら」
慌てながらも、リディアは深呼吸した。少しして落ち着き、俺の方を見る。
「その、本当にいいんですか?私が幹部だなんて」
「リディアならエルフの中では強いし、族長をやっていたからうまくやれると思うんだ」
リディアは少し黙考し、口を開いた。
「では、私で良ければぜひお願いします」
「ありがとう。頼むよ」
「はい」
重役と言う不安も混ざっているだろうが、嬉しいの少し口角が上がっている。
「ところでリディア。就任祝いに撫でてやろう」
そう言って俺は手両手をリディアに伸ばす。
「就任祝い?」
よく分からずに首を傾げるリディア。
就任祝い。かつて獣耳を触るという目的を含めて四度行った事。だが、今回は獣耳では無く、エルフ耳なのだ。人間とは違って尖った耳。やはり人間と同じなのだろうか。それとも違うのだろうか。いや、今考える事は無い。何故なら、もう目前に迫っているからさ!!
とりあえず、頭に手を乗せる。そして撫でる。
「え、えーっと?ジンさん?」
「こんなのなんだけど。どう?嫌?」
さすがにここで嫌って言われたら止めるしか無い。だが、出来れば続けさせて欲しい。耳は勿論気になるが、リディアの髪はさらさらで柔らかくて気持ちいいのだ。
「いえ。嫌ではありません。むしろ少しホッとします」
スッと肩の力を抜き、顔を緩めるリディア。拒否されないで良かった。
「じゃあ続けるぞ。それと、耳触ってもいい?」
「耳ですか?別に構いませんが、どうしてですか?」
「珍しいから気になったんだ。ほら、尖ってるじゃん」
リディアに返事をしつつ、耳に手を伸ばしてみた。
感触は人間と大差無い。ただ少し分厚い。耳をピクピクと動かせていたので、きっとそれを動かす筋肉で分厚くなっているのだろう。
「ああ。人間と比べれば確かにそうですね。この耳が無ければローレン様達のように区別が付き難かったでしょうね」
確かに二人はパッ見は人間である。だが、今日生まれた双子は頭に角があった。あれはもしかしたら、[竜化]を使いこなせていない状態だから出ていたのかも知れない。
そんな事を考えながらも手は止めない。次は尖っている部分を触ってみる。ピクピク動いて少し面白い。
興味のあった部分は触れた。結構満足である。
そこからは会話をしつつ、普通に撫でた。
リディアは少し顔を赤くして、リラックスした顔をしていた。
妖精人族代表リディア。
新しい幹部が出来た。
後々書いている内に量からしてこの章は一つの国だけにしました。
違う章で他の国も行かせる予定ではあります。




