プロローグ
目を開けるとそこはただ見果てぬ真っ白な空間だった。何故自分がこんな処に居るのか不思議ではなかった。
そう、何故なら自分はもう死んでいるからだ。
ただ、どうやって死んだのかは覚えていない。気づかないうちにでも死んだのだろうか。
そうなると此処は死んだ者が来る場所なのだろうか、それにしても人がいない、どういう事だろうか。
「どこだ此処?」
呟いても変わりはしないが、何となく呟く。
だが呟いたおかげか、それとも偶然か後方から足音が近づいてきた。僕は振り向く。
「あら、久しいわね、こんな処に人が来るなんて」
そこにいたのは、僕と同じくらいの背丈の黒い髪を腰まで伸ばしている女の人だった。
女の人は僕をまじまじ見据える。
「此処は何処ですか?」
「此処は私の空間よ」
そうじゃなく……、まぁいいやと僕は質問を変える。
「何で僕は此処に?」
「亡くなってしまったからよ」
「他にお亡くなりになられた方たちは?」
「違う場所で時間をかけて転生するようね」
転生……、新しい命に変わるのだろうか。なら僕はずっと此処にいることになるのか。
「僕はどうしたら」
「わたしが今から転生させてあげるわ」
僕は今から。ほかの人はなぜ時間をかけるのだろうか。
「他の方たちは時間をかけ前世の記憶を消去させてから新しい命に変わるの」
女の人は僕の考えを見透かしたのか、他の人の転生の仕方を教えてくれた。
「なら僕は」
「えぇ、前世の記憶は残ったままね」
「良いんですか?」
「多分ね」
多分ですか。
それにしても、記憶を残して生まれ変わりか、どうなるのだろう。
「それじゃあね」
女の人はそう言い、指を鳴らした。
すると僕の視界に映る白が一瞬にして消え去った。そしてすぐに今度は真っ暗に変わった。
「うわっ」
すると急に落下感が僕を襲った。
だがそれは数秒の出来事ですぐに僕は地面かもわからない場所に着地した。しかし今度は目の前に大きな門が置かれていた。
「くぐらなきゃいかないのか」
他に行ける処もない、つまりここを通れということか。
僕はその門をくぐった。
刹那、淡い虹色の光りが放たれた。




