魔女魔人編「とある病院にて」
あらゆる自然災害からの干渉を拒否する為に、人の足のみでは辿り着けそうにも無い場所に大きな病院が建っている。
そんな辺境の場で、断末魔と那由他と葉乃愛の3人が、治療を受けていた。
本来ならば、貴族しか治療を受ける事が許されない、豪華で近未来的な集中治療室で、液体に浸されたカプセルに投入されているのだ。
葉乃愛だけは、貴族なので、この部屋で治療を受ける事は不思議ではないのだが、断末魔と那由他は貴族ではない。
本来、貴族ではない者の立ち入りすら禁止しているこの部屋で、一般人が治療を受ける事など前例が無いほどの特例で、これだけで複雑な事情が絡んでいる、と言う事がうかがえる。
そして、その部屋に断末魔と同じく、貴族ではない別の一般人の声が響き渡る。
「病み上がりの所、わりぃんだが、おれと付き合ってくれや」
空間の歪みから姿を現したナンバー1は、断末魔が投入されているカプセルを破壊しようと、手を向ける。
しかし、いきなり断末魔の目が開き、拳をそのまま前にやりカプセルを自ら破壊する。
「言葉に甘えてお付き合い願おゥーかァ?!」
そして勢いを残したまま、ナンバー1へと殴りかかる。意表を突かれたナンバー1は、成す術無く地面に飛ばされていく。
だが、ナンバー1も無能ではない。と言うのも、そのダメージを最小限に抑える為、地面と衝突する寸前に空間を歪めたのだ。その結果、ナンバー1の体は地面へと消えて行き、姿を空間へ完全に隠していく。
「あァ……悪い夢でも見ていたかのようだァ……そンな気分わりィ中、気色悪い男に告白されちまってェ……」
断末魔は頭を片手で抱え、首を横に振る。
そして余った片手を、人の首を握るように手を前に伸ばす。そこに都合良く現れるナンバー1。
「今の俺は機嫌が悪い。気の毒だが本気で殺すぜェ?」
下に向けていた顔をゆっくりとナンバー1へ向ける断末魔。その態度は、発狂したときとはまた違った狂気を帯びていた。
次の瞬間、ナンバー1の体は空高く宙に浮いていた。それも体を大きく、くの字に曲げて。
断末魔はさらに追い討ちを掛けようと、跳ね上がり意気揚々と拳を握る。
しかし、ナンバー1の体が再び空間の歪みへと消えていく。
前回、言い忘れていましたが、この巻付近は、スランプ真っ盛りでした。
内容的にも、文体的にも酷いものになっております^^;
ご了承ください。