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機械天使~魔法と科学と学園と~  作者: 紅きtuki
機械天使~魔法と科学と学園と~
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魔女魔人編「悪い結果を生む反発」

「非禁禁忌!?」


 那由他は驚きのあまり、思わず聞き返していた。

 今でこそ断末魔を尊敬し、慕っている那由他だが、元々、那由他は非禁禁忌に憧れを持っていた。いや、今もそうだろう。

 憧れといっても恋愛感情ではなく、アイドルに抱くあの気持ちとよく似ている感情だ。

 そんな感情を寄せる人物が目の前に居るのだ。驚いて当然だろう。


「なんで、そんなお方がこんな所に!?」


「知らないわよ! とりあえず、ここはおとなしく退散した方が……」


 葉乃愛が後退りを始めた時、非禁禁忌がこちらに向かって歩いてくる。

 それに対して葉乃愛は顔を真っ青にし、那由他は少し期待を膨らませ、待っていた。

 非禁禁忌は平然とした声で言う。


「……お前はあの時の……ここは危ない。今すぐ、ここから離れろ」


「そ、そうは行かないわよ。私たちだって、ここに何かあると思って来てるんだから!」


 葉乃愛は怯えながらも、抵抗する。本当は大人しく撤退したいのだが、相手が非禁禁忌と言うだけで、非禁禁忌の言う事に反発してしまう。これは非禁禁忌に限っての事ではなかった。気に入らない相手には、なぜか反発してしまう。

 葉乃愛はそんな自分が嫌いだった。今までその性格のせいで損をして来た。そして今回もその性格が引き金となり、望んでもいない結果を生み出してしまうのだろうと、覚悟をしてしまう。


「……Fortuna『エターナルライフ』」


 突然、魔法名を口にする非禁禁忌。次の瞬間、非禁禁忌の右肩辺りに魔法陣が現れ、非禁禁忌が左手を突っ込む。そこから、大きな漆黒の剣が抜かれ、そのまま大きく腕を払う。

 葉乃愛はとっさに、言う事の聞かなかった自分を攻撃するんだろうな、と心の中で覚悟する。

 非禁禁忌の動きが早すぎて、振り払われる剣を避ける事など、できやしない。しかし思考だけは素早く、剣が振り払われる一瞬と言う時間の間にどんどん自己嫌悪していく。


(また私の、この性格のせいで損をする。那由他ちゃんは大丈夫かな。もしかしたら私と一緒に傷つけられてしまうかも)


 もう、那由他を突き飛ばす時間も無い。魔法名を唱えている時なら、間に合ったかも知れないが、剣はすぐそこまで迫っている。あの非禁禁忌が振る剣だ、切り傷程度ではすまないだろう。


 空寂な屋上に嫌気さす音が鳴り響く。

機械天使本編、再びスタートです。この章で魔女、魔人は完結です。

相変わらずスランプですが、ちょっとずつ、投稿していきたいと思います。


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