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梨バカの・・・

カミーネの携帯に着信音が鳴る。


天糸を開いてカミーネは内容を確認し、

返信する。




リカの携帯に着信音が鳴り、リカは飛びつくように携帯を操作して天糸を開いて

目を見開く。




『カミーネ姫様、今、すごく迷ってるんです。

近所の梨園を運営する百百さんが怪我をして、農業ができなくなりそうなんです。

わたし、ここの梨が大好きで手伝いたい気持ちはあるけど、でも、わたしなんかに何ができるかわからなくて、相談させて頂きたくて連絡しました』


『まず、聞きます、あなたはどうしたい?』


『わたしは梨を梨園をなくしたくないです、それが嫌です』


『わかったわ、

もう一つ、聞きます。


1人で石を持ち上げる気持ちがないなら、

2人でも持ち上がらない。


あなたは、1人でも"やる"気がある?』


リカはガーンと頭を叩かれた気がした。

そして、その文字を見て震える。


(あんたなんかには無理よ)

容赦なくこころの声が否定してくる。


(ごめんなさいして逃げた方がいいわ)

その方が楽なのがわかる・・・


(もう、傷つきたくないでしょ)

傷、つきたくない・・・わたし??


そっか、傷ついてたんだね、わたし。


「お母さん、もう、わたし、逃げないよ!

ありがとうね、わたしが傷つかないように守ってくれていたんだね」


リカは2年前に他界した母に誓い、

自分を守ってくれていた影の自分の声に感謝する。



リカの携帯を握る手に力が籠る

勢い良く文字を入力して返信する。


『姫様、わたし、やります!

石でも、岩でも、持ち上げて見せます!

梨が大好きなんです!

明日、学校のみんなにも声かけて

それから百百さんにお願いします!』


『わたしにも、協力させてください』


その天糸を見てリカの瞳から涙が零れた。

病院の通路で、声を上げてリカは泣く。


お母さんのお葬式の時よりも、

むしろ、その時の分までリカの涙が止まることはなかった。




その日以来、こころの声は聞こえない。

でも、もう大丈夫。


やることがたくさんある。

美味しい梨をたっくさん育ててたっくさんの人に食べて幸せになってもらう!


わたしは梨花、梨が大好きなの!



梨バカの梨花編 END

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