変な女の人の言い分 一
毎日1000文字を目標に続きを書いています。
次回の更新は明後日です。
「それで、いろいろと聞きたいことがあるんですけど……」
テーブルの上の紅茶セットを眺めながら、俺が話を切り出すと、
「何でも聞いてください! 私、何でも答えます!」
女性は「ふんす!」とガッツポーズを取って、むしろ説明させろと言わんばかりのやる気を見せた。
「……」
その女性の顔をじっと見て、改めて思ったのだが。
――――めちゃくちゃ美人だ。
美人すぎて逆にドン引きしてしまうくらいには、顔立ちが整っている。正に「近寄りがたい高嶺の花」という感じだ。
「どうしたんですか?」
「あ、いえ。何でもないです」
じっと顔を見ていたのを誤魔化すように、俺は紅茶を一口飲んだ。めちゃくちゃ甘かった。
「聞きたいことは、三つあります。一つは、貴方が何者なのか。一つは、ここはどこなのか。一つは、なぜ、俺をここに連れてきたのか」
「なるほど。もっともな疑問ですね」
女性はにこにこしながら頷いて、
「取りあえず、簡単な質問から答えますと、ここは私の仕事部屋です」
見てください、と。
女性は部屋の奥の方を指さした。
たしかに、部屋の奥には高級そうな木製の本棚と机が鎮座しており、机の上にはノート型のPCが置いてある。今、俺たちがいる場所を応接スペースだと考えれば、たしかに仕事部屋のような雰囲気はある。
「あっちは給湯室ですか? さっき、お湯を沸かしていましたけど」
「キッチンですね。そっちにはトイレとお風呂と寝室もありますよ」
「なんか、急に生活感が出てきましたけど」
とはいえ、マンションの一室をオフィスとして使っているのであれば、風呂や寝室があっても不自然とまでは言えないだろう。
「ちなみに、何の仕事をしているんですか?」
「その質問に答えるには、私が何者なのかについて説明する必要がありますね」
そう言うと、女性は急に神妙な顔になって、真っ直ぐに俺を見た。
「実はですね……」
「はい」
「私、神様なんです」
「……」
「あ、ごめんなさい! ちょっと言い過ぎました!」
俺がドン引きしているのを察したのか、女性は慌てて訂正した。
「厳密には神様じゃなくて、神様に相当する階級の天使なんです!」
「――――そうですか」
「なんで目を合わせてくれないんですか!?」
本当なのに! と。
女性は涙目になって睨み付けてきたが、俺としても、そんな突拍子もない話を簡単に信じるわけにはいかない。
「もしかして、宗教関係の人ですか? 布教が目的で……」
「違います! 仮に宗教関係だとしても、布教活動なんて末端の仕事はしません! 私、世界の管理者なんですよ!? 信仰される側なんです! とっても偉くて、神聖な存在なんですから!」
「そんなことを言われても……」
そこまで言うのであれば、せめて、何かしらの証拠を提示してほしいところだ。
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