エンディング 一
新連載になります。
毎日1000文字を目標に続きを書いています。
まだ、プロローグの部分しか書き終えていないので、更新は遅めになりますが、
この話も完結まで頑張りたいと思いますので、お付き合いいただけたら幸いです。
とりあえず、プロローグの部分が終わるまで、週3くらいのペースで投降します。
(その間に書き溜めて貯金を作ります)
次回の更新は明後日です。
『三年目の三学期、エンディング』
今日は卒業式だ。
そう言えば、この学校には卒業式にまつわる言い伝えがある。
なんでも、伝説の校長室で告白して結ばれたカップルには、永遠の幸福が訪れるとか。
どこかで聞いたことのある話だと、侮ってはいけない。
この学校には、これ以外にも伝説の告白スポットが存在するのだ。
伝説の校舎裏。
伝説の体育倉庫。
伝説の音楽室。
伝説の階段。
伝説の下駄箱。
伝説の保健室。
もはや校舎そのものが伝説なのではないかと疑いたくなってしまう数だが、これらは学校の七不思議として、在校生たちの間で実しやかに語り継がれている都市伝説なのだ。
そして、今日。
卒業式のこの日。
俺の机の引き出しには、一通の手紙が入っていた。
(っしゃ!)
思わずガッツポーズをする。
歓喜に震える手で二つ折りにされた便箋を開くと、そこにはこう記されていた。
『三年A組の天堂忍君、至急、伝説の校長室までお越しください』
まるで校内放送の呼び出しだが、そんなことは些細な問題だ。
俺はドキドキする胸の高鳴りを抑えつつ、伝説の校長室に向かった。
そこで、俺を待っていたのは――――
「天堂君、よく来たね。まあ、入りなさい」
校長先生だった。
「は?」
嘘……だよな……?
俺は言葉を失って、立ち尽くした。
(校長室で待っていたのは……校長先生?)
普通だ。
当たり前すぎて、何のツッコミもできない。
というか、こんなことが許されるのだろうか?
この学校の校長なら、校長室にまつわる伝説を知っていて然るべきだ。
それならば、毎年、卒業式の日くらいは、鍵を開けっ放しにして校長室を開放するくらいの粋な計らいがあってもよいのではないだろうか?
まさか、あの手紙をくれたヒロインは、勇気を出して俺を呼び出したものの、校長室の主が空気を読まずに居座っていたせいで、告白を断念してしまったのではないだろうか?
そんなアホな理由で、俺の三年間の努力が無駄になってしまうのか?
(このハゲがぁぁぁ……!)
俺は殺意の籠もった視線を、校長の頭頂部にぶつけた。
すると、俺の視線に気づいた校長は、照れ臭そうに自分の頭を撫でた。
「ここに来てくれたということは、手紙を読んでくれたんだね?」
「嘘だろ!?」
思わず、心の声(悲鳴)が、外に漏れてしまった。
まさか、手紙の差出人が校長だったとは……。
これは、ヒロインの攻略に成功したと勘違いさせてから、急転直下で主人公(俺)を奈落の底に突き落とす変則気味のバットエンドなのだろうか?
それとも、まさかのボーイズラブエンド?
(いやいや、落ち着け。そもそも、校長はボーイではない)
世間一般の感覚では、初老のおっさんをボーイとは表現しないはずだ。
女の子みたいな見た目の男の娘ならともかく、さすがにミドル世代のおっさんはあり得ない。
これは嘘だ。
悪い夢に決まっている。
それなのに――――
校長は衝撃の言葉を口にした。
「驚いただろう? 手紙を出したのは私なのさ」
「そんなぁ」
俺は腰砕けになって、その場に跪いた。
夢も希望も無いとは、このことだ。
だが、そんな傷心の俺に追い打ちを掛けるような出来事が、目の前で起こった。
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