俺の従妹(いもうと)を紹介します
俺には従妹がいる。
頭のできはよろしくないが、それを十分カバーできる愛嬌と人懐っこさを持ってる。
つまり何が言いたいかというと俺はこの馬鹿な年の離れた従妹をとても可愛がっているということだ。
だから、俺は絶対にここで頷くわけにはいかないのだ。
どんなに沙奈が可愛くともそれは妹としてであって、決して女としてではないのだから。
「寝言は寝て言いやがれ。クソジジイ」
「ええい!黙って頷け馬鹿者!
沙奈がどこの馬の骨とも知れん男のもとに嫁にいってもいいのか!!
奈緒はたまたまいい男を捕まえたが沙奈もそうとは限らんだろう!!」
「誰もんなこと言ってねぇだろうが!!」
それとこれとはまったく別だ。
俺だって可愛がっている沙奈がしょうもない男に捕まって泣かされるなんてこと許せるわけがない。
というかその前に全力で阻止してやる。結婚相手どころか彼氏だって俺が認めたやつじゃないと許さない。
「だったらお前が嫁にもらうしかないだろう!
そうすれば沙奈が他所に行くこともないし、わしも死ぬまで沙奈の顔が見れる」
「ジジイ本音が漏れてるぞ」
「うるさい!!沙奈までよそに嫁に行くなんて嫌だ!だからお前が嫁にもらえ!!」
「無理だ。妹を嫁になんてできるか。というか気が早いんだよクソジジイ」
「早いことなんてあるか!あっというまなんだぞ。あんなに小さかった奈緒が嫁に行く瞬間なん
て……ぐすっ」
めんどくさい。心底めんどくさい。
突然呼び出されたと思ったら沙奈を嫁にもらえとか言い出すし、かと思えばおばさまが嫁いだことを思い出して泣き出すし。
なんだこのクソジジイ。俺だって暇じゃねぇんだよ。
親父の野郎。仕事にかこつけて面倒なジジイを押し付けやがって。
「とにかく、俺も沙奈も結婚の相手は自分で決める。
嫌われたくなけりゃ余計なことせずに見てろ」
とは言ったものの。妙な男に引っかかられては困る。
ここはひとつ、謀ってみるか。
もともとダメもとだ。
虫よけと沙奈に男を見る目を養わせるために、あいつに協力させよう。
女運がないあいつにはちょうどいいだろう。
上手くいけばそれはそれでいいしな。
あいつなら俺も認めてやらないこともない。
「俺だ。今すぐうちに来い」
そうして俺は相手の返事を待たずに電話を切った。
ジジイの思い通りになんてさせねぇ。
ブログにあげたまま放置してたやつをこちらでも更新してみました。
楽しんでいただけたら嬉しいです^^*




