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9 カレーライス(1)


「はい、20,000円貸すね」

「あ、ありが、とう」


 高い。高すぎる。というかなんで未来さんは20,000もぽんと出せるんですかね


「私の家はほら、オシャレには寛容だから。買い物行くって言えばそこそこくれるし」


 シーゼリアでは庶民的だったくせにこういうとこだけブルジョワである。寛容というレベルじゃないぞ


「これは私がバイトで稼いだお金だから関係ないけどね」

「バイトかぁ」


 大学までお預けだなぁ


「ということでゆっくりでいいから返してね?」

「もちろん。信用は裏切らないさ」


「(よしよし、お金貸してる間はもう疎遠にならない…よね)」

「なんか言った?」

「秘密♪」


 嬉しそうだ。まさか、やばい利息とられるのでは??


「利息は固定で頼む」

「え?無利子でいいけど」


 よかった。



 さて、3時である。ここからが本番で、未来の買い物に付き合うことになっている。

 その前に


「ちょっとお花を摘みに」

「行ってら」


 未来さんあなた俺より飲んでたもんね。


 トイレの前で待ってると、なんとなく自分も行きたくなる。買い物中は多分トイレ行けないので今のうちに行っておこう。すぐ帰ってくればいいだろ。


「ふぅ〜」


 なんか隣の奴ゴツいな。身長190超えてるだろ。というより、


「渡辺か?」

「ん?」


 隣の大男がこちらを見る。渡辺だな


「武内くんじゃないか。奇遇だな」

「そのサングラスいいね」


 見た目が完全にヤのつく自由業の方です。ありがとうございました。


 喋りながらトイレを出る。


「ふーん、お姉さんが」

「ああ、ホラーが怖いなら観なければいいのに、わざわざオレを連れて観に行くんだ」


 お姉ちゃん思いのいいやつじゃないか。


 さて、未来はもう出てるかな。


 スーツの男、早歩きの女、中学生くらいの男、厳ついおっさんくらいの男、ブランドの高そうな服の女、チャラそうで金髪に肌を焼いてる男、ハーフアップのオシャレな女

 おっ未来おるやんけと思いきや


「まあまあ、ちょっと遊ぶだけじゃん?その彼氏クンより楽しくしてあげるよ〜?」

「寝言はどうぞお家でしてください」


 絡まれてんじゃん。あ、目が合った。一瞬渡辺の方も見たな


「ユウマ〜」

「おう」


 未来が走ってきたので受け止める。


「初めまして、吉井未来です」

「彼女さんか?」

「いや「そうなんですよ〜」」

「ほうほう、武内くんも隅に置けないな」


 未来と目が合う。これはアレだな、説明めんどいでしょの顔だ。幼馴染の一言じゃだめなのだろうか。


 ちなみにナンパ男は渡辺を見てビビって逃げた。彼の視点では、ナンパした美少女の彼氏が、893と繋がりがあるというわけだ。ザマァ


「じゃあまた学校で」

「ああ、またな」

「さよなら〜」



「お前あれだろ。俺の友人利用したろ」

「いいでしょ。で、あれが親友の隆二君?」

「いんや別の人。彼は渡辺だな」


 こいつはあの一瞬で俺と渡辺がある程度仲良さそうなのを見抜き、あのナンパ野郎が渡辺にビビるだろうということでこっちに突っ込んできたのだ。ゆっくり考えることなく瞬時に思いつき、さらに実行するからすごいよな。



「いろいろ買ってくよ〜」

「お〜」


 資死堂(ししどう)。なんか最近やらかしたらしく赤字だったとかニュースで見たが。最近でもないか?


「これと、おっあったあった。んでこれも」


 値札すら見てねえ。さすがさすが未来!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!


 多分欲しい商品は全て把握しているのだろう。値段もわかってるぽいし、実際めちゃ高いやつは避けてる。プチプラというやつだろうが、それでも合計万超えそうなんだが。


「んー、どっちにしようかな」


 そう言ってなぜか俺の顔を見ながら悩んでる。今までは迷わず買ってたのに。


「人の顔見ながら考えると気が散るぞ」

「これはいいの」


 さいですか。


「こっちかな、うん」


 納得したようだ。それもカゴに入れ、


「8,720円です」

PiePay(パイペイ)で」


 今日だけで俺の金銭感覚はボロボロである。万超えないだけマシとか思ってしまった。凛果は月3,000円でいいっていってたのに


「1回揃えちゃえば月そんくらいで維持できるよ。凛果ちゃんは元がいいから尚更ね」

「なるほろ」


 なぜか袋を2つに分けてから俺に持たせる。服が入ってる大きな袋の中に2つ小さな袋を入れる感じだ。


「じゃあ次行くよ」

「うぃ」


 ドラッグストアである。資死堂だけでは揃わなかったらしい。なんでやねん


「次〜」

「へ〜い」

「鼻つまんでね」


 次、なんか香水とか置いてる店だ。一瞬鼻が死にかけるがすぐに鼻をつまむ。


「では、ユウマでもいい匂いに感じる香水を探します」

「おーぱちぱち。でも気にしなくていいぞ」


 鼻を塞ぐため片手が使えないので、ぱちぱちの音は口頭である。

 どうやら高校生になって香水を普段使いし始めたようだが、未来が今日は香水つけてないのは、多分俺に気をつかったんだろうな。嬉しみ


「あのね、私はこれでも女の子なんだよ。汗とか恥ずかしいじゃん。変な匂いとか思われたくないの」


 俺の鼻のスペックなら密着すればもちろんだが、多少離れてようが汗の匂いがわかる。変態っぽいから意識しないようにしているが、それはそれとして未来の匂いもなかなか……

 今はつまんでいてわからないけどな!


 しかしそうか、恥ずかしがっていたのか。


「それだと俺のためだけに香水買うってことになるのでは。多少匂いがキツくても好きなやつ選んでいいぞ」

「ユウマの鼻に馴染んで私も普段使いできるやつを選ぶよ。ここならいっぱい種類あるし1つくらいはあるでしょ」


 これは、これからも頻繁に俺と会う気があると考えて良さそうだな。やったぜ

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