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「なんだ、よ、これ、、」
一瞬で違う世界に来た。そんな気分だった。いや、気分ではなく本当に違う世界なのか?
先ほどまでの自分の状況と比べても明らかにおかしい。上ってきたはずの階段はないし、何よりも明らかに景色が違う。混乱するだけだった。
「だからダメって言ったのに」
震えるような細い声が聞こえた。さっき聞こえた声と同じだ。
「誰だ!ここはどこだ。どうなっているんだ」
矢吹は取り乱し、訊ねた。
「私はミース。ごめんなさい。私が巻き込んでしまったの」
声はまだ震えている。見るとそこには綺麗な銀髪に見慣れないような服を来ている女の子が立っていた。歳は矢吹より下、17~8歳くらいに見える。
「ここはあなたのいた世界とは違う世界。異世界?って言うのかな」
異世界という言葉に最初は信じられなかった。しかし、この状況を前にして信じるしかないと思った。夢だとも思った。
「本っ当にごめんなさい。私、祠であなたのいた世界を繋げていたの。この世界ではたまに違う世界との隔たりが薄れることがあって、それで、他の世界に興味があって、、」
「祠、、」
気が動転していて気づかなかったが、そこには祠があった。全く同じもののように見える。
「ちょっと待ってくれ。全然分からない。ちゃんともう1回説明してくれ」
「えっと、、だから祠が依り代になって他の世界と繋げちゃって、それであなたを連れてきちゃって、それで、えっと」
何も分からない。だが、時間が過ぎるほど、なんだか楽しみになって来ている自分がいる。
「よし、じゃあ異世界を案内してくれ」
「えっ!?」
思っていた返しと違ったのか、ミースは裏返った声を出した。
「怒ってないの?私、君を私の勝手な興味に巻き込んじゃったのに」
「別に。びっくりはしているけど、なんだか気持ちが高揚してきたんだ」
ミースの表情が少し緩んだ。ずっと申し訳なさでいっぱいだったのだろう。矢吹の言葉に救われたようだ。
「あ、そういえばあなたの名前は?」
「リュウ、矢吹龍だよ」
「ありがとう。リュウ。私についてきて」
ミースは矢吹の手を引いて歩き出した。女の子との接点など数年なかった矢吹はドギマギしたが、ミースと一緒に歩き出した。




