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 マグカップを返却口に置いて商品棚を眺めた。


 二人の言う通り、石鹸が置かれているところはきちんとディスプレイされているが、他はごちゃごちゃとラベンダー色の物が置かれていた。

 かわいい置物、ペン、財布などが置かれ、それぞれに名刺がついていた。話題になったラベンダー色のハンカチは写真に写されてその人の名刺が貼られていた。商品をここへ置いておくことは嫌だったのだろう。


 ふと目についた物があった。ボディバターという物。やはりラベンダーだ。普通は缶のような入れ物に入っていて乾燥を防止するために脚や腕に塗る。けど、これはスティックタイプで手を汚さずに直接塗れるという。


 即座に気に入った。

 千五百円、ちょっと高めだけど買おうと手に取った。



 マスターがレジに立った。

 私がカウンターに置いたその商品を見て、改めて私の顔を見た。本当にこれを買うのかと問うかのよう。何故か無性に恥ずかしくなって財布に目を落とす。なんて思われただろう。奇妙なやつがこんなものを買うって思われているのかもしれない。

 

 二千円を出してお釣りをもらう。マスターがレジの下の方に腰を落とし、何か探っている。袋に入れてくれるらしい。


「あ、このままで結構です。カバンに入ります」


 そう言ったが、彼は探すのをやめようとしない。無表情の顔が緩む。やっと見つかったらしい。



「これはちゃんと袋に入れないとこっちが叱られてしまうんで、すいませんが入れさせてください」



 そんな理由づけされていた。見るとそれもラベンダー色の小袋だ。かわいい。



「サボンのサンプル、おまけします」


 その袋の中に以前もらった小さな石鹸も入れてくれた。ありがとうございましたと言う声に背中を押され、私はまたウキウキしながらカフェを出た。ものすごく得をした気分だった。






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