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彼は営業部のムードメーカーで、人見知りという言葉を知らないらしく誰とでも気軽に話をしていた。その殆どは気安い場合が多い。時々、管理職のお偉いさんにも友達みたいなノリで話すからハラハラすることもある。しかし、向こうも彼のことを憎めない奴だと思っているらしい。誰もあからさまに嫌な顔をすることはなかった。得な性格だ。
私とは正反対の人物だった。ふと、こんなふうな性格だったら私の人生は大きく変わっていただろうなんて思う。けど、それは今の私を全面的に否定することでもある。否定したいところは多々あるが、今の一匹オオカミも好きでやってるし、それも捨てがたいのだ。
「それって鹿島さんの手作りですよね。おいしそう。いいな、今度僕の分も作ってきてくださいよ」
ここまで無遠慮に言ってくる人も珍しい。ずうずうしいと思ったが、全く嫌味がなかった。本当のここが彼の長所だ。
「見かけだけでおいしくないかもしれないわよ」
「それでもいいっす。誰かが僕のために作ってくれた物に文句なんかいいませんから」
ホントに厚かましいの一言。でも、自然に笑えてくる。この偏屈な私が、作ってあげてもいいなんて考えたんだから。人懐っこいし、人に愛される性格なんだろう。イマドキの若者に多い。時々意表をつかれるが、好感を持っていた。私なんかは見習った方がいいとさえ感じる。
そんなことを考えながら食べていた。もうちょっとマヨネーズを多くしても良かったと反省もしていた。ある程度食べて手が止った。大きな食パンをそのまま使ったから、市販のサンドイッチよりパンの部分が多くてお腹がいっぱいになっていた。切り分けてある四分の一が食べられなかった。外の公園で食べていたらぽいと捨てていた部分。




