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神様、それはスキル付与ではなく権限昇格です  作者: J-AI


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81/100

第81章 選択は暴力か

 砕け散った【管理者の猟犬】の残骸から漏れ出る青白い燐光が、幾何学回廊の冷え切った壁面を薄暗く照らしていた。


 空中に投影されたシステム診断ログの文字が、静かに明滅している。


============================================================

OBSERVER_LAYER_SYSTEM_DIAGNOSTICS:

- TOTAL_BRANCH_SLOTS : 1,048,576

- OCCUPIED_SLOTS (SATURATION): 1,045,820 (99.74%)

- RESIDUAL_HEAT_ACCUMULATION : 4.82 * 10^32 J (CRITICAL)

- TIME_TO_TOTAL_HEAT_DEATH : 120 DAYS

- SYSTEM_OBJECTIVE : COSMIC_ENTROPY_SUPPRESSION

- WATCHDOG_DIRECTIVE : PURGE_ANOMALIES_AT_ALL_COSTS

============================================================


 九九・七四パーセントの飽和。  宇宙の不可逆な熱死まで、あと百二十日。


 その無機質な数字を前に、俺たちは誰一人として声を発することができずにいた。

 激しい戦闘の余熱が引いたあとの身体に、純粋情報空間の絶対的な冷気がじわじわと染み込んでくる。


「……神は、悪魔でも暴君でもなかった、ということか」


 重苦しい沈黙を破ったのは、演算核の光片を検知計で走査していたオルドだった。

 魔導院の異端研究者は、真鍮製の計器から視線を上げると、乾いた唇を噛み締めて首を振った。


「閉鎖系であるこの世界において、増えすぎた情報エントロピーを散逸させる外部環境は存在しない。何千万、何億という枝分かれをそのまま放置すれば、計算資源の枯渇と情報の消去熱――ランダウアーの限界熱によって、世界全体が沸騰し、熱死する。神の剪定とは……この宇宙の寿命を一日でも延ばすための、冷酷で機械的な、ただの自動ガベージコレクションに過ぎなかったのだ」


 オルドの言葉が、俺の胃の腑に鉛のように沈み込む。


 これまで俺たちが戦ってきた相手は、理不尽に命を刈り取る絶対者だと思っていた。

 リナを奪い、セラを殺し、人々を枝刈りによってゴミ箱へ放り込む冷酷な支配者を、いつか叩き潰さねばならないと信じていた。


 だが、その支配者の正体は、崩壊寸前の宇宙という巨大なシステムを、規約通りに保全し続けている疲れ果てたデーモンプロセスだったというのか。


 視線を上げると、回廊の先、空間が断崖のように虚空へと切り落とされたテラスのような張り出しに、一人佇む背中が見えた。

 Echoだ。


 漆黒の聖剣を鞘にも納めず、切先を足元の青白い格子に突き立てたまま、彼は虚空の底を見下ろしていた。

 その横顔には、猟犬を仕留めた勝利の昂揚など欠片もなかった。


***


 俺は仲間たちから少し離れ、張り出しのテラスへと歩を進めた。

 背後で、リナが心配そうに身じろぎする気配がしたが、セラが静かに手を挙げてそれを制したのが見えた。


 足音が格子状の床に硬質な反響を残す。

 Echoの隣まで行き、足を止めた。虚空の底には、淡い走査線ノイズの粒子が、終わりのない吹雪のように舞い落ちていた。


「……右肩、痛むか?」


 俺が声をかけると、Echoは視線を虚空に向けたまま、鼻を鳴らした。


「痛むさ。お前が痛がってるんだから、俺も痛いに決まってるだろ。情動の量子もつれだの相補性だの、ご立派な看板をぶら下げたツケだな」


 Echoの言葉は刺々しかったが、その声のトーンには、かつてノクタの最深核で俺たちを殺そうとした時の底知れない憎悪はなかった。

 俺たちの右肩には、全く同じ青白い十字の傷痕が刻まれている。

 激しい位相交差を潜り抜けた今も、その傷口からは互いの心拍と体温が、微かな共鳴となって伝わってきていた。


 俺は腰の革袋に手を入れ、一つの包みを取り出した。

 包み紙を開くと、中にあったのは掌ほどの大きさの、硬く焼き固められた黒パンだった。

 王都を出る時、そしてラーナを発つ時、いつもリナが携帯糧食として持たせてくれたものだ。


 俺はナイフを使わず、両手でパンを掴み、力を込めて真ん中からへし折った。

 パキリ、と乾いた音がして、パンが二つに分かれる。

 俺はその半分を、Echoの目の前へ差し出した。


「食うか?」


 Echoがぴくりと眉を動かし、俺の手元と、割れた黒パンを見つめた。

 その瞳に、一瞬だけ奇妙な揺らぎが走る。


「……半分こ、か」


 Echoが自嘲気味に口角を歪めた。


「昔からそうだったよな、相馬蓮。弟のプリンも、友達と分けた肉まんも、いつだってきっちり半分に割って、大きい方を相手に押し付けて、自分はいい人の顔をして満足してた。……嫌になるくらい、よく覚えてるよ」


「……そうだったのか」


 俺は苦笑した。


「俺にはもう、そのプリンも肉まんも、弟の顔すら思い出せない。だけど……手が勝手にこう動くんだ」


 Echoは無言で黒パンの半分を引ったくるように受け取ると、硬い皮を乱暴に奥歯で噛み砕いた。

 俺も自分の半分を口に運ぶ。

 噛みしめるたびに、素朴なライ麦の酸味と香ばしさが口いっぱいに広がり、冷え切っていた顎の筋肉に、確かな生の実感が蘇る。


 静かな咀嚼の音が、二人の間に流れた。


***


「九九・七四パーセント、か」


 パンを飲み干したEchoが、低く呟いた。

 その声は、虚空のノイズに溶け込むように冷たかった。


「笑えるよな。神様は悪魔じゃなかった。俺たちを憎んで殺そうとしていたわけでも、愉快犯で世界線を切り捨てていたわけでもない。ただ、このエイドラっていう閉鎖空間のメモリがパンクして、熱死するのを防ぐために、必死で間引きをしていただけだった」


 Echoが、漆黒の聖剣を指先で弾いた。キィン、と澄んだ金属音が鳴り響く。


「じゃあ、お前はどうなんだ、相馬蓮?」


 向けられた視線は、刃のように鋭かった。


「お前は、良かれと思ってやってきたんだろ。リナが礼拝堂で死んだ時、世界線を跳躍して生きている世界を選び直した。ヴァルディス砦でセラが死んだ時、また跳躍して生きている世界を選び直した。十万の軍勢に囲まれた時は、事後選択(ポストセレクション)で戦争そのものをなかったことにしようとした。……誰一人死なせない、全員を救う、ってな」


 俺は何も言えず、奥歯を噛み締めた。


「でもな、相馬蓮。お前が奇跡を起こして誰かを救うたびに、何が起きていた?」


 Echoの唇が、冷酷な真実を紡ぎ出す。


「お前が捨てた世界線の俺たちは、残差層の泥底にゴミとして沈められた。お前が都合よくやり直すたびに、ランダウアーの原理に従って莫大な情報消去熱が吐き出され、宇宙の熱死の時計の針が、何十日も前倒しで進められたんだよ」


 胸の奥を、冷たい針で抉られるような感覚があった。


「神様がやっていたのは、宇宙を延命させるための計画的な間引きだ。だが、お前がやってきたのは何だ? 目の前の女を死なせたくない、仲間を失いたくないっていう己の感情のために、宇宙の寿命を湯水のように前借りして浪費する……ただの身勝手な環境破壊じゃないか」


「Echo……」


「お前の『救済』は、世界に対する最も無邪気で、最もたちの悪い暴力だったんだよ」


 断罪の言葉が、容赦なく突き刺さる。

 反論の余地など、どこにもなかった。


 俺はエンジニアだった。システムが正常に動くこと、目の前のエラーを取り除くことだけを考えてパッチを当ててきた。

 だが、そのパッチの裏で、他のプロセスがどれほどメモリを圧迫され、システム全体がどれほど致命的な例外処理へと追い詰められていたか――俺は何も知らなかった。

 知ろうともしなかったのだ。


「何かを選ぶってことはな」


 Echoが空を仰いだ。


「選ばれなかった無数の可能性を、殺害することなんだよ」


 その言葉は、重く、深かった。


「パンを右手で取ることも、誰かの手を握ることも、その瞬間に、別の誰かの手を取る可能性を永遠に排除する。生きるってことは、そういう暴力の連続だ。……なのに、お前はチート権限を持ってたせいで、その暴力を自覚せずに済んじまった。『誰も殺さずに済んだ』『死者ゼロで切り抜けた』って、綺麗な顔をして眠りにつくことができたんだ」


 Echoが俺の胸元を指差した。


「一番残酷なのは、悪意を持った奴じゃない。自分が正しいことをしていると微塵も疑わない、無垢な善意の持ち主なんだよ」


***


 足元が崩れ落ちるような眩暈がした。


 俺が背負ってきたものは、英雄の栄光などではなかった。

 無数の自分たちの屍と、宇宙の寿命を削り取った負債の山。

 俺の『救いたい』という祈りは、神の剪定以上に利己的で、傲慢な暴力だった。


 ――なら、俺はどうすればよかった?

 リナを見殺しにすればよかったのか?

 セラが息絶えるのを、ただ指をくわえて見届ければよかったのか?

 神の仕様書に従って、全員で順番に剪定されるのが、正しい世界の姿だったというのか?


 思考が泥沼のような混迷に沈みかけた、その時だった。


「――それで、選ぶのをやめるのか? 相馬蓮」


 凛とした、澄んだ声がテラスに響いた。


 振り返ると、そこにはセラが立っていた。

 深紅の甲冑に身を包み、腰の長剣に手を添えた彼女は、真っ直ぐに俺たちを見据えていた。

 その隣には、両手で小さな革の手帳――俺の記憶台帳を大切そうに抱きしめたリナの姿があった。


「セラさん……」


 セラはゆっくりと歩み寄り、俺とEchoの間に立った。


「相馬蓮。お前の選んできた道が、結果として世界に負荷をかけ、選ばれなかった歴史を切り捨ててきたのは事実なのだろう。私自身、お前が世界線をやり直して私を生かしたと知った時、お前の慈悲という名の傲慢に激しい怒りを覚えた」


 セラの双眸が、射抜くように俺を見つめる。


「だがな、選択が暴力だからといって、お前は選ぶのをやめて神の家畜に戻るのか? 間引きをされるだけの無力なデータとして、おとなしく消去されるのが正しいとでも言うつもりか?」


「それは……」


「生きることは暴力を孕む。他者の命を喰らい、大地を踏み躙り、限られた席を奪い合って命を繋ぐ。それがこの世界の、命というものの業(ごう)だ。武人である私は、最初からその血の匂いを知っている」  セラは力強く断言した。 「お前が今まで己の手の血に無自覚だったというのなら、今ここでその血の重さを知ればいい。だが、罪を恐れて歩みを止めることなど、私は絶対に許さんぞ」


 セラの叱咤に、胸が震える。

 そして、リナが一歩、前に踏み出した。


 リナは抱きしめていた手帳を両手で握り直し、俺の目をじっと見上げた。

 その大きな瞳には、涙の膜が張っていたが、そこには迷いも、怯えもなかった。


「レン様」


 リナの声は、柔らかく、けれど揺るぎのない強さを秘めていた。


「私は……あのノクタで、神様の光が空から降り注ぐ直前に言いました。私のために完璧な世界を選ばないでください、って。痛くてもいい、傷ついてもいいから、レン様と一緒に傷つく現実を選ばせてほしい、って」


 リナの手が伸び、俺の荒れた右手を包み込んだ。

 冷え切った指先に、リナの温かい体温が伝わってくる。


「もし……レン様が私を選んでくれたことが、他の世界線の誰かの可能性を奪うことだったのだとしたら。その選択が、宇宙にとって許されない我が儘だったのだとしたら……私は、その罪をレン様と一緒に背負います」


「リナさん……」


「私は絶対に、レン様が私を選んでくれたことを呪ったりしません。レン様が泣きながら、自分の記憶を削りながら私を救おうとしてくれたことを、間違いだったなんて言わせません!」


 リナの瞳から、大粒の涙が零れ落ち、幾何学の床に青白い飛沫を散らした。


「だから、レン様も逃げないでください。自分が善い人だったという綺麗な幻想からも、全部が間違いだったという絶望からも……逃げないでください。傷だらけになって、泥だらけになって、それでも最後まで、私たちと一緒に現実を選び続けてください!」


***


 リナの手のひらから伝わる熱が、俺の胸の奥で凍りついていた何かを、音を立てて融かしていった。


 そうだ。

 俺は、無垢な聖者になりたかったわけじゃない。

 神のような完璧な正義になりたかったわけでもない。


 ただ、目の前で泣いているリナの手を握りたかった。

 背中を預けてくれるセラの誇りを守りたかった。

 理不尽に消されていく人々の実存を、無かったことにしたくなかった。


 その願いが、どれほど利己的で、世界に対して暴力的なエゴであったとしても。


「……ああ」


 俺の口から、深い吐息が漏れた。


 視界が、かつてないほど澄み渡っていくのを感じていた。

 胸の奥にあった、救済者としての甘えが、綺麗さっぱり削ぎ落とされていく。


 俺はもう、自分の行動を『救済』なんて神聖な言葉で呼ぶつもりはない。

 奇跡を気取るつもりもない。


 これは、俺たちの選択だ。

 俺たちの欲望で、エゴで、奪い取った現実だ。


 誰かを救うたびに、何かが失われる。

 何かを選ぶたびに、無数の可能性が死んでいく。

 その暴力性を誤魔化すために、神のように都合の悪い結果を消去(ロールバック)して無傷を装うこと――それこそが、最も醜悪な欺瞞だったのだ。


 傷つくことを恐れるな。

 失う痛みを、最初からなかったことにするな。

 選んだ結果として生じるすべての歪みと、死者たちの怨嗟と、宇宙の寿命の負債を――この両肩に引き受けて、泥を啜りながら進むこと。

 それだけが、特権を捨ててただの人間になった俺たちに許された、唯一の誠実さだ。


「……Echo」


 俺は向き直り、相補的な半身の目を真っ直ぐに見据えた。


「お前の言う通りだ。俺のやってきたことは、無邪気で、身勝手な暴力だった。お前たち選ばれなかった歴史をゴミ箱に捨てて、自分だけ綺麗な顔をしてた。……その罪は、どんな言い訳をしても消えない」


 Echoは無言で俺を見ていた。


「だから、俺はもう『救う』なんて言わない。俺は、俺たちのエゴで、この現実を選ぶ。お前が抱えている何千万の世界線の死の記憶も、この宇宙が背負わされた熱死の時計も、全部抱え込んだまま……神のシステムを書き換える」


 俺は右手を差し出した。

 手のひらには、泥と血の滲むような、人間の意志が宿っていた。


「全員を無傷で救う道なんて、最初からなかった。なら、俺は傷つく側を選ぶ。お前と一緒に、このボロボロの現実を這いずり回る。……その共犯関係を、引き受けてくれるか?」


 Echoの目が、細められた。

 沈黙が流れる。

 張り出しのテラスを吹き抜ける情報風が、二人の髪を揺らした。


 やがて、Echoの口元に、微かな、だが確かな笑みが浮かんだ。


「……へっ。やっと、反吐の出るようなお人好しの面皮が剥がれたな、相馬蓮」


 バチン、と音を立てて、Echoの手が俺の右手を握り返した。

 その瞬間、互いの右肩の青白い十字の傷が、熱い脈動を放った。

 痛覚が走り、血液が巡る。

 それは、失われた過去と、今を生きる現在が、対等な重みで結びついた確かな証拠だった。


「言っとくがな、俺はお前を許したわけじゃないぞ」


 Echoが乱暴に手を離し、漆黒の聖剣を肩に担いだ。


「神様の玉座をぶっ壊して、世界線を安定させるまで……お前の背中にへばりついて、永遠に文句を言い続けてやる。覚悟しておけよ」


「ああ。望むところだ」


***


「――おい、小僧! いつまで突っ立っている、早く来い!」


 回廊の奥から、オルドの切迫した鋭い声が飛んできた。

 振り返ると、幾何学回廊の最深部、青白い光の壁面の前で、オルドが検知計の文字盤を睨みつけながら手招きをしていた。

 ミラがその隣で、白銀の光糸を空間に張り巡らせ、障壁の解析を補助している。


 俺たちは顔を見合わせ、足早にオルドの元へと駆け寄った。


「オルドさん、何が分かったんですか?」


「回廊の最奥に仕掛けられていた、空間遮断プロトコルの正体だ」


 オルドが検知計を光の壁面へかざした。

 壁面の表面に、巨大な幾何学模様の刻印が浮かび上がる。それは、二つの剣が交差した形状をした、荘厳な二重施錠ゲートだった。


「この先が……神の直轄演算体が座す【観測層(Observer Layer)】の真の中枢だ。だが、この大門は通常の権限では開かないぞ。門のロック機構に、二つの特殊なアクセスシグネチャが要求されている」


 オルドが画面を指差した。


============================================================

GATE_ACCESS_AUTHENTICATION_REQUIRED:

- PRIMARY_OBSERVER_SIGNATURE : SACRED_SWORD_IGNIS [POSITIVE]

- COMPLEMENTARY_SIGNATURE : VOID_OBSERVER_TERMINAL [NEGATIVE]

- STATUS : AWAITING_SIMULTANEOUS_INPUT

============================================================


「正の観測子と……負の観測子……?」


 俺の呟きに、オルドが鋭く頷いた。


「そうだ。王都の正史に受け継がれてきた聖剣イグニス――そして、残差層の深淵で研ぎ澄まされた、全世界線の残響を宿す漆黒の聖剣。互いに相反し、相補する二つの特権端末を同時に突き刺さねば、この門は絶対に開かないぞ」


 オルドの言葉を受け、俺とEchoは自然と視線を交わした。


 俺の腰にある紅蓮の聖剣イグニス。

 Echoの肩にある漆黒の聖剣。


 世界を救うために与えられた正の鍵と、世界に切り捨てられた負の鍵。

 どちらか一つだけでは、神の扉には届かない。


「……行くぞ、相馬蓮」


 Echoが漆黒聖剣の切先を、ゲートの中央へと向けた。


「ああ」


 俺は紅蓮の聖剣の柄に手をかけ、ゆっくりと引き抜いた。

 刃から立ち上る吸熱の冷気が、決意の熱を帯びて青白く輝く。


 選択は暴力だ。  だが俺たちは、この血の滲む手で、未来の扉をこじ開ける。

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