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97  ◇それは米本美晴のいとこの結婚式でのこと

97 淡井恵子の番外編7



◇それは米本美晴のいとこの結婚式でのこと


その日、従姉の結婚式のスタートは16:00からで、早めに現地に到着した

美晴と普段から仲の良い従姉の妹の長居琴子とは、ホテルのラウンジで

寛いでいた。



美晴は久しぶりに会った琴子との話に夢中で、騒動が起きるまで

淡井恵子が同じラウンジにいたことに気付いていなかった。



『きゃぁ~っ』という叫び声と共に周りが騒然となり、声のした方に

視線を向け驚いた。


男性が床に崩れ落ちてゆく様を目の当たりにしたのだ。


男性に危害を加えたと思われる女性が次に逃げ遅れた女性に掴みかかり……

正確に言うと頭髪を鷲掴みにして氷のような、それでいて鬼気迫る表情で

語りかけていた。


そこでようやく美晴はその逃げ遅れた女性が同じ職場の先輩の淡井恵子だと

いうことに気付き、更に驚いた。


女性二人に男性が一人。誰が見ても三角関係のもつれにしか見えない。 




男性を刺した女性が今度は恵子に対して何がしかの制裁を加えるのではないかと

周囲は皆、固唾を飲んで見守った。


だが、女性が恵子を傷つけることはなく、救急車やパトカーのサイレンが鳴り響く

中、女性はようやく到着した警察官に連行されていき、目の前で繰り広げられた

狂気的な宴は幕を閉じたのである。




「男の人、大丈夫かな」


「琴ちゃん、男の人ね、ナイフ刺さったままだったし、ナイフの大きさも

それほど大きくはなかったから、きっと大丈夫だよ。


なんか、素子ちゃんの結婚式にケチが付いたような気分だけどとにかく

忘れて素子ちゃんの結婚式を目一杯盛り上げて祝福しよう?」




「ふふっ、ありがとう美晴ちゃん。

美晴ちゃんの時にはお姉ちゃんと一緒に盛り上げるからね」


「その時はお願いよー」



琴子にはそう言ったものの、男女間のもつれの一人が社内の見知った人物

だったため、式の間中も美晴は心ここにあらずで過ごした。



そして野次馬根性じゃないけれど、あれから恵子がどうなったのか

気になってしようがない美晴だった。




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