63 ◇これにて面会は終了
ひとしきり両家両親たちに桃の担当医としての助言をするも、
少しも響かない両家家族に女医は通達する。
「これで今回の面談は終了といたします。
皆さまご苦労様でした。
では面会の時間もこれにて終了としますので私と一緒に病室を出て
どうぞお帰りください」
そう言うと、女医は病室の桃にまだ未練を残している母親や姑、
そして男親たちを連れてさっさと病室を後にした。
そしてそのまますぐに彼らを帰すことはせず、話のできるスペースへと
4人を誘った。
夫とは一緒にいられないと訴える桃は、自分たちの都合を優先させた周囲のエゴからくる無理解のせいで、その後の結婚生活をずっと悲しみを抱えたまま過ごさなければならなかった。
そのような経緯を知って激怒した女医は、病室での言葉に続けて、家族へと改めて鋭い叱責を浴びせたのだった。
「あなたたちの冷たい無理解な対応が今回のことを招いたのですよ。
これ以上彼女の意志を無碍にし続けると症状が悪化するでしょう。
もう彼女を夫から、そしてあなた方から解放してあげましょうよ。
即刻、離婚させてあげてください」
確かに世間体や、自分がしんどいことに巻き込まれたくないという思い、
4人それぞれの思いがあり、それぞれが自分ファーストに動いていたのだ。
今回女医にそこのところを突かれた形になり、4人ともようやくここにきて
離婚やむなしと納得し、ふたりの離婚を受け入れたのだった。
療養1週間後に私は、女医から両家家族全員が夫と言われる人との離婚を
認めたと聞かされた。
「先生、ご尽力ありがとうございます、ほんとに……あり……」
言葉に詰まる私の頭をそっと包み込むようにして、女医がポンポンしてくれた。




