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第66話「女子会?②」

 何てことなの!?


 まさか、こっそり進めていた私の計画、「シロクマを出しぬけ!後でこっそりお義兄様と結婚しちゃえ作戦!」がよりにもよって姉様本人にバレていたなんて……。


 困りました……何とかしないと。


 と言うか、お義兄様の護衛になった経緯がとんでもないですね……。


 その辺のゴロツキよりタチが悪いです。


 ああ、失礼。


 皆様、ご機嫌よう。


 マリーです。


 以下略です。


 実は、今回のお茶会はある目的の為にセシル姉様を誘い出す罠なのです。


 ですが、少しトラブルがあって近衛歩兵中隊の展開が遅れて困ってしまいました。


 そこで、エリーズに頼んで長くなりそうな話題で上手く時間稼ぎをして貰ったのですが……とんでもない内容でした。


 あのシロクマ、お義父様に何てことを……いいです、もっとやりなさい。


 最近、親バカがウザいですし。


 と、そんなことを考えていたらリゼットがやって来ました。


「マリー様ぁ〜、近衛歩兵中隊がやっと展開を完了したそうですぅ〜」


「そう、分かったわ」


 どうやらやっと準備が整ったようですね。


 ではまず、姉様を呼びましょうか。


「セシロ……コホン、セシル姉様〜、少し宜しいですか?」


 私はティーカップ片手に親衛隊の面々と優雅に談笑している姉様(セ○バーVer)に声を掛けました。


「あら、マリー。どうかしたの?」


「はい、実はお伝えしなければならないことがありますの」


「そう、何かしら?」


「あ、少しデリケートなお話ですので、こちらへ」


 私は姉様をお茶会の席から連れ出しました。


 流石に他の娘達に聞かれる訳にはいきませんしね。


 そして、久しぶりに妹分達と楽しく会話をしていた姉様が、上機嫌でやってきました。


「お待たせしました。それで、どうしたの?」


 笑顔の姉様に促されました。


 さあ、始めましょう。


 あと、出来れば何も起きませんように祈りましょう。


「では姉様、少しお耳を拝借……」


 私はそう言って耳元まで近づき、


「……リアンお義兄様を暗殺をしようとした首謀者はフィリップ兄上です」


 事実を告げました。


 すると姉様は、一瞬で無表情になり、


「……ねえ、マリー。それは間違いないの?」


 確認をしてきました。


「はい、間違いありません。併せて、今回の婚約破棄騒動も煽動したのはあの男です」


「……そう」


「そうなのです。ですから、この件について今後の方針について話をしたいのですが……」


 と、姉様に提案をしたのですが……、


「ごめんなさい、マリー。私、用事を思い出したから失礼するわね」


 断られてしまいました。


 ああ、これはダメそうです。


「姉様、どちらへ?」


 まあ、分かっていますが一応聞いてみます。


「え?ちょっと、フィリップ様を殺しに」


 いい笑顔でそう答えてくれました。


 ああ、やはりこうなりましたか……。


「姉様、お願いですから冷静に。一緒に戦略を考え……」


「では、ご機嫌よう」


 姉様は強引に会話を打ち切って建物の方へ歩き出してしまいました。


「姉様〜!……もぅ!」


 ああ、最早何も聞こえていないようです。


 ……はぁ、仕方ありません。


 やりたくはありませんでしたが、始めましょう。


 「セシロクマ捕獲作戦」を!


 私は覚悟を決めて、サッと右手を上げ、周囲に潜んでいた近衛歩兵中隊に合図を送りました。


 すると、茂みや木の影、建物の中からフルプレートの鎧に身を包みシールドを持った完全装備の近衛歩兵達が飛び出して来て姉様を包囲しました。


 そして、髭を生やした厳つい感じの渋い中年の中隊長が私の元へやってきて、敬礼しました。


「マリー様、対象の包囲完了しました」


「大尉、ご苦労様。後は指示の通りです。さあ一気にやっておしまい!」


 報告を受けた私は、バサァ!と扇を振り下ろし、攻撃命令を出しました。


 このセリフ、ちょっと言ってみたかったのですよ。


「はっ!畏まりました、マリー様!」


 そう言うと、中隊長は部隊の側まで移動し、行動を開始しました。


「全員、シールドを構えて突撃だ!あの赤い奴を押し潰せ!」


「「「はっ!」」」


 そして、近衛歩兵達は剣を抜かずにシールドだけを構えた状態で、姉様に向かって行きました。


 これ実は私が考えた作戦なのです。


 もし普通に剣を構えて攻撃したら、恐らくあの脳筋に撃退されてしまいます。


 なので発想を変えて、最初からシールドだけを構えて全方位から質量で押し潰してしまうことにしたのです。


 流石の姉様も芝生の真ん中で逃げ場もありませんし、二、三人シールドごと斬り倒しても全方位から壁が迫ってくればどうしようもありません。


 ふふ、完璧です。


 そんなことを考えているうちに、近衛歩兵百二十人が姉様に迫っていきます。


「ふっ、戦いは数だよ姉貴!なんちゃって」

 

 さあ、貴重な姉様の敗北シーンを見物すると致しましょうか。


 ……と、思った次の瞬間でした。


 包囲された姉様は周りを確認し、そして、


「む?これは……とぅ!」


 敵が迫った姉様は、何と……ジャンプしました!


 ば、馬鹿な!マ○オじゃあるまいし!


 まず、一番手近かな歩兵に向かって跳躍し、そしてそれを踏みつけて、包囲の外側へと飛び出したのです!


 ああ、これはマズいです。


 と言うか、鎧を着たままジャンプするとか……一体あの人は何なんですかね……。


 そして、予想外の事態に部隊は、


「俺を踏み台にしたぁ!?」

 

 とか叫びながら大混乱です。


 そこで姉様はシールドしか持たず、しかも背中を向けている敵に向かって容赦なく攻撃し始めました。


 ですが、まだ損害は殆ど有りませんから、落ち着いて立て直し、もう一度包囲すればまだ勝機は……あら?


 と、ここで想定外の事に驚いた中隊長がとんでもない命令を出してしまいました。


「ぜ、全員シールドを捨てて抜剣!師団長の仇だ!突撃!」


 ば、馬鹿!陣形が崩れた状態で何てことを!?


 そして、冷静さを欠いた中隊長の命令で現場はとんでもないことになりました。


 ああ、こんな状態でバラバラに斬り掛かったら……。


「師団長の仇だ!くたばれ!」


「……」


 一閃。


「ぎゃー!」


 次は、


「貧乳の赤い奴は化け物か!?」


「あ゛あ゛ん?」


 更に一閃。


「へぶぅ!」


 一番マズいNGワードを口にしたアホは吹き飛ばされました。


 最後に死を覚悟した残りが悲壮な覚悟で突撃を敢行しますが……。


「「「ランス王国に、栄光あれぇ!」」」


「スービーズ流奥義!」


「「「ぐはぁ!」」」


 あっ、と言う間に全滅しました……。


「そんな、百二十人の歩兵が全滅?三分も経たずに?」


 この惨状を見た私は思わずそんなことを口にしながら、頭を抱えました。


 そして、気付けば残っているのは池の淵に追い詰められた中隊長一人だけになっていました。


 しかも、ちょうど姉様に剣を弾き飛ばされたところでした。


 ああ、なんてこと……。


 すると中隊長は、


「く、最早これまでか。いいか、よく見ておけ!戦いに敗れると言うことは、こう言うことだぁ!」


 とか言って背中から池の中へ倒れて行きました。


 鎧のまま池に飛び込み、潔く自害するつもりなのでしょうが……。


 ごつん!


「ぎゃあ!」


 池の底で頭をぶつけて気絶しました。


 池のあの辺りって、水深が十センチぐらいしかないんですよ……。


 全く、役立たずの無能め!


 クビです!解雇です!免職です!


 そして、姉様は無能を冷たく一瞥すると、再び建物の方へ歩き出しました。


 こうして作戦の第一ラウンドは見事に失敗してしまいました……が、しかし!


 まだまだ勝負はこれからです!


 さあ、第二ラウンドを始めましょうか。

お読み頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] パロディって良いよねぇ(*´ω`*)
[一言] 指示が出てるのに抜剣しちゃうのは練度不足ですね~ そもそも帯剣を許しちゃったマリーの落ち度かも 王家の権威を考えるなら同じ相手に対する再度の婚約よりも マリー案の方が傷は浅そう
[一言] この国、ヤバくね。 王女といい、王子といい、貴族といい。
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