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俺は気がつくと声を出し泣いていた。そしてある男性に抱えられていた。
手足は思うように動かず、何故か俺は泣いていた。そんな俺は頭の中で今の状況を整理することにした。
その結果、どうやら俺は、産まれたばかりのようだ。
ちなみに俺は、もしもの事があってはいけないので最高神としての記憶は消してない。最高神の力も使えるがこの世界では使う気がない。
そんなことを赤ちゃんながら考えていたが、何故か泣くのは止まなかった。『これは、赤ちゃんとしての本能なのだろう.....』俺はそう思うことにした。
あっという間に月日が流れた。
俺は2歳になり、歩いたり走ったりすることが出来るようになった。
4歳になると、喋ることができて、『成長出来るのが楽しかった』そんなことを思いながら走ったり虫を捕まえたりして遊んでいた。
ちなみに俺はこの世界では、アレックスという名前で、父さんと母さんが平民出身のため姓がない。父さんの名前はアレンで、母さんの名前はレイナである。
更に月日が流れ、6歳歳となり俺は今日から、母さんによる魔法の練習と父さんによる剣術の練習が始まる。
最初は、2階の俺の部屋で魔法についての勉強から始まった。母さんが魔法の発動の仕方を教えてくれる。
「アレックス、魔法はね、空気中に漂っている見えない魔力を自分の体に取り込み自分の魔力と合せて制御して操ることで発動させるの。この魔力の色で魔法の適性が決まってくるわ。
赤は炎魔法、青は水魔法、茶色は、土魔法、水色は氷魔法、黄色は雷魔法、緑は風魔法、黒は闇魔法、白は光魔法、になる。多いい人で3~4つの魔法を使えるわね。私は、氷と雷と炎がつかえるわ。
この魔法の他に、単純な魔力を使う無属性魔法があるわね無属性魔法は魔力制御ができれば使えるようになるわ」
そう言って母さんは、手のひらに魔力で出来た球体をつくる。魔力の球体は確かに水色、黄色、赤色の順に光っていた。
「魔力制御がしっかりと出来ていたらちゃんとした球体になるわ....。
アレックスもやってみて。
体の中に流した魔力を手のひらに集めてそれを渦巻状に集めるイメージよ....」
俺は、母さんが言った通りにやってみた。
すると、すごい綺麗な球体ができた。
俺は上手くいって『よし!』と、喜んでいると母さんは、それをみて驚いていた。
それもそうである。なぜなら、全ての色が順に光っていたからだ。どうやら、俺は全属性の適性があるようだ。
すると、母さんはなぜか父さんを呼んでいる。父さんが来ると母さんは、父さんに何か言っていた。
次に、父さんとの剣術の練習をする。
俺は剣を初めて使うため少し楽しみにしていた。剣術の練習は楽しくすぐにいろいろと覚えることができた。
そして今日したのは、剣術の型を10種類ほどだ。すると父さんは、なぜか母さんと話をしている。
そんな感じで毎日、魔法と剣術の練習をしていた。そんな感じで毎日練習をしていた....
俺が12歳になった今日は、父さんと母さんと一緒に動物を狩りに森に来ていた。
森に入って、すこし歩くと、目の前に鹿がいた。それを見つけると父さんが
「俺達は見ているから、初めは自分でやってみろ」
そう言ったので初めて1人で狩りをする。
俺は気配を消して鹿に近づき背後から鹿の首を目掛けて剣を降る。
すると、鹿の首は見事にきれた。
それを見ていた父さん達が声をかける。
「さすがは俺の息子だ!完璧に気配をけしていたぞ!」
「この鹿はどうするの?」
「こうやって、血抜きをするんだ」
そう言って父さんは、穴を掘りその穴に血を落とすように鹿を逆さにする。
「ちゃんと穴に血を入れるように血抜きをするんだぞ。血抜きが終わったら、穴は埋めるようにな」
「わかった!」
俺が返事すると父さんは笑顔で頭をなでてくる。
俺は急に、禍々しい気配を感じて後ろを向き魔力感知を発動させる。
父さんは俺が急に後ろを向いたため『どうした?』と言いながら俺が向いた方をみる。
それを見て母さんは、魔力感知を発動させて調べたようだ。すると、俺と同じく禍々しい魔力を見つけたようで驚いていた。
「アレン!獅子が魔物化してるわ!」
父さんは、それを聞いて驚いていた。
「このタイミングで獅子が魔物化したか……レイナ、被害が出る前に討伐するぞ。
アレックスはレイナの近くにいろ」
そう母さんと俺に言って、魔物化した獅子の方へと行く。
魔物化とは、ごく稀に動物が空気中の魔力を取り込んで魔法を使う動物になる事を言う。
俺達、3人は魔力化した獅子の近くまで来た。
俺は母さんの後の方に離れているが、魔物化した獅子は、普通の獅子よりも2回り大きく、そして禍々しい魔力を放っていた。
「予想より大きいな、レイナ魔法でサポートしてくれ!」
父さんはそう言って、魔物化した獅子にむかっていく。
母さんが、雷魔法により作った雷の龍『雷龍』が獅子めがけて発動する。
雷龍は、すごい速さで獅子に当たった……。しかし獅子は、雷魔法に耐性があったのかほとんど効いていない。
母さんはそれを見て驚いていたが、流石は魔法師最強である、次の魔法を発動する。
今度は、氷魔法により獅子の前足と後ろ足を凍らす『束縛の氷』を発動させる。
その隙に、父さんが獅子の首めがけていく跳ぶ。
しかし獅子は、父さんに向けて口から雷の塊を放つ。
父さんは、空気中に母さんが造った氷の足場を使い上手く上へ避けた。そして、上から首み目掛けて剣をふりきる。
ふりきった剣は、見事に首に当たったが切り落とすまではいかなかった。
獅子は怯んで、2人から距離をとる。
すると、影に潜んでいた俺に気づいて襲いかかってくる。
俺は、一瞬にして氷魔法で刀『絶対零刀』をつくり、獅子の首を斬り落とす。
父さんと母さんは、目を開いて驚いていたが、母さんは、すぐに我に返り俺の怪我を心配して俺のところまで走ってくる。父さんはその後に続いて来る。
「怪我はない?」
「母さん、大丈夫だよ」
俺が大丈夫だと伝えると、安心してその場に座り込んだ。
「しかし、見事な剣筋だったな」
遅れて来た父さんが笑いながら言ってきた。
「剣筋よりも、魔法の発動までの時間でしょ!流石は私の子よ!」
父さんの言葉を聞いて、母さんが父さんに向けて言っている。
「いや、いや、あの反射神経と剣筋それに相手の動きをみきる動体視力、俺に似て剣術の才能の方があるぞ」
「いいえ違います。あの一瞬で魔法を発動させる魔力操作に、魔力量、私に似て魔法の才能の方があります。」
なぜか、父さんと母さんが言い合っている。
俺はそのうちに魔法を使って魔物化した獅子を燃やすことにした。
確か、『魔物化した動物は、食べることが出来ない』と母さんが魔法の勉強の時に言っていたからだ。
燃やし終わって、父さんと母さんに声をかけようと振り向くと、まだ言い争っていた。
それから2年後。
俺は14歳となり、父さんと母さんに『2人みたいな冒険者になりたい』と言った。すると二人は喜んでくれたようで、総合技能学園という学園をすすめてきた。
総合技能学園とは、冒険者を育成する学園で魔法科と剣術科の2つがあり。それぞれ5クラスづつクラスがある。
学園には2年間通い最後の卒業試験に合格するとC級冒険者として活動ができるらしい……
そして4日後には、総合技能学園の入学試験である。
入学試験会場は、総合技能学園であり。俺は初めて、総合技能学園がある王都に行くことになる。
父さんは『アレックスと一緒に行く』と言っていたが、母さんが、『私達は目立つからアレックスの迷惑になるわ』と言うと、寂しそうな顔をして大人しくなった。
「父さんと母さんはそんなに有名なの?」
俺が疑問に思って聞くと……
「いろいろとあってな」
「有名になったのよ」
なぜか父さんと母さんは横目になりながら恥ずかしそうに言う。
「まぁ、俺に似て余裕だとおもうけど頑張って剣術科に受かれよ」
「私と似て、余裕で魔術科にうかるわよ」
同じタイミングで2人は、そう言い終わるとお互いに睨み合っている。
父さんと母さんは、俺が総合技能学園に行くと言ったら、何故かいつもどっちの科に受かるか睨みながら言い合っている。
俺は、そんな2人をおいて総合技能学園を目指すことにした。