11 魔人の処遇
牢獄へ投獄されたイアはおとなしく審判の時を待っていた
たとえ死ぬことになろうとも受け入れるつもりでいた
~冒険者ギルド 会議室~
マスター「魔人の様子はどうだ」
シムカ「落ち着いているようです、とても危険な魔人とは思えないほど」
ゴシカ「油断を誘っているのだろう即刻処分すべきだと思うが?」
「部下もやられている。」
セリス「魔人自身も人を殺したと言っています」
「それに、彼女もすでに覚悟を決めているみたいです」
「でも、本当に彼女の意思だったのでしょうか...」
ディバルディ「どういうことだ?」
セリス「はい、クパル様の弟子として私と出会ったとき」
「彼女にはまったく悪意というものは感じませんでした」
「クパル様、あなたもそう思われたのでは?」
クパル「あの娘、からは、優しさしか、感じれない」
「それに、今まで、報告のあった、魔人たちと、何か、違う」
「他の、魔人は、人を殺そうと、明確に襲ってた」
「なのに、あの娘、命を奪うこと、異常に恐れてた」
シムカ「恐れる、ですか」
「そういえば、彼女に会ったとき、それとなく鑑定してみたのですが」
「見たこともないスキルを保有していました」
「命を操作するものというものです」
マスター「ふむ、聞いたことが無いな」
シムカ「鑑定によると、相手の命とスキルを奪うようです」
ゴシカ「命を奪うだと?やはり危険ではないか」
シムカ「いえ、それだけではないの」
「その奪った命を任意の相手に分け与える」
「与える量によっては、蘇生も可能のようです」
マスター「蘇生だと!?」
「そのようなことが出来るわけが!」
シムカ「それが、一人、蘇生された者がいるようなのです」
「入りなさい」
シムカが扉に向かって言った
扉が開くと、そこに立っていたのはアルマだった
シムカ「あなたは、あの魔人と行動をともにしていましたね」
アルマ「はい、あ、あの!お姉ちゃんはどうなるんですか!?」
アルマは目に涙をためて聞いた
シムカ「まだ、わかりません」
「それより、あなたが蘇生したときの状況を答えなさい」
アルマ「あの時、ザドの洞窟で、私は確かに体を貫かれて死にました」
「確実に、死んだと思います」
「あの痛みは、現実です」
「でも、気づくと、別の場所にいて、私の傷は治ってました」
「お姉ちゃんも、姿が変わってて」
ディバルディ「姿が変わっただと?」
アルマ「はい、真っ黒な体だったのに」
「まるで蛹から羽化したかのように」
「それに、人間とほとんど変わらない姿になってました」
「あの白い仮面のとこを残しては」
シムカ「どうやら、ザドの黒い魔物は彼女のようですね」
「近づかなければ攻撃されなかったという証言からすると」
「人を殺したことも彼女の意思ではなかったと思われるのでは?」
「たまにですが、強すぎるスキルを持って生まれたものに見られる現象」
「スキルの暴走かもしれません」
マスター「ふむ、人を見て逃げたという証言もある」
「暴走したスキルで傷つけないためとも考えられるな」
ゴシカ「しかし、だからといって、許すことはできない!」
「やつは人の命を奪っているんだぞ!」
荒々しく言い立てるゴシカを制し、クパルが答えた
クパル「シムカも、ゴシカも、そうだった、はずだけど?」
ゴシカ「そ、それは...」
シムカ「はい、私達も幼いころ、制御できず多くの人を傷つけました」
「クパル様のお陰で今の私達があります」
「私は、彼女のことをクパル様にお任せするのがいいかと」
ディバルディ「私もそれでいいと思うが、ゴシカ、どうだ?」
ゴシカ「クパル様とディバルディさんがそうおっしゃるなら...」
「私には何も、言うことはありません」
クパル「どうだろう、マスター、私に、彼女を、預けてくれない?」
「いざとなったら、私が、この手で」
マスター「そうですね、クパル様に任せるのが適任でしょう」
「しかし、まだ彼女を完全に信用したわけではない」
「何かあれば、即時彼女を処分する」
「依存はないか?」
クパル「ない」
全員頷いた
イオは解放された
アルマが駆け寄る
アルマ「よかった!お姉ちゃん!」
イオはなぜ開放されたのかわからなかった
人を殺してしまった自分は処刑されてもおかしくないと思ったからだ
クパル「貴方が人を、殺してしまった、のは、スキルの暴走が、原因だという、結論が、出た」
「私の、監視下で、釈放、許された」
「何かあったら、私が、貴方を」
イオは感謝した
そして、この世界の人のために生きようと決意した
何かをするにはその動機がいると思います
誰だ、周辺地域でチュッパチャプス買い漁ってるやつは!




