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9 無口な森人

 働き始めてから数週間がたった

仕事にも慣れ、常連たちとも楽しく会話できる程になっていた

 

 そんなある日、イアは店主のラオからお使いを頼まれた


ラオ「すまねぇがイオ、このパンを町外れの森にある小屋まで届けてくれんか?」

  「わしもニリャもちょいと手が離せんのでな」

  「一応道もあるし距離も大したことはない」

  「魔物もあのあたりにはいないしな」


イア「分かりました」

  「あの、その方のお名前は?」


ラオ「クパルだ」

  「ちょいと変わり者だが悪いエルフじゃぁない」


イア「エルフ?」

  (前世の映画でみたことある)

  (オーランドなんとかって役者がやってたやつだわ)


ラオ「そう、エルフだ」

  「お前さんエルフははじめてか?」


 イオはコクリと頷いた


ラオ「普通はこんな人里近くまでは出てこないんだが」

  「あいつは人間やエルフ以外の亜人に興味あるらしくてな」

  「まぁ、無口だから話は期待できんがな」


そう言って笑うと「じゃぁ頼んだぞ」と言って仕事に戻った


(エルフ、か、早く会ってみたいな)


イアは足早に駆け出した


~町外れ、トアの森~


 ラオに教えてもらった道を進んでいくと

一軒の小屋が見えてきた

周りには花が植えられていたが

手入れされている様子はなく好き放題伸びていた


突然、後ろから声がする


???「花は...自然体がいい」


振り返ると、美しいエルフがいた


(え?いつの間に...)


気配なんてしなかった


イア「あ、あの、クパルさんですか?」


エルフは頷いた


クパル「何?」


イア「え?」


クパル「何しに..きた?」


イア「あ、ラオさんに、頼まれて、パンを」


クパル「パンを?」


イア「届けに来ました」


クパル「中、入ってよ」


 イアはクパルについて小屋へと入った

中には小さな椅子が2脚と、机、キッチンのようなものがあった

クパルは椅子に座るとジーーーッとこっちを見た

よく見ると、小柄で、まるで子供のようだった


・・・・


 お互い見つめ合うだけの沈黙時間が通り過ぎていく

イアは思い切って話しかけてみた


イア「あの...」


クパル「君、人じゃない、ね」


イア「え?」


クパル「見たことない人種?、君、何?」


イア「そ、その、私」


クパル「悪い感じはない」

   「でも、不思議」


 クパルは立ち上がり、近寄ってきた

顔をイアに近づけると、仮面部分を舐めた


イア「っひ!」


クパル「感じる、やっぱり、一部、なんだ」


イア「あ、え?なにを...」


イアは激しく動揺した


クパル「君、面白い、また来て」


ニヤッと笑うクパルは奇妙な美しさがあった


 イアは小屋を後にし、不思議な気持ちながらも宿に戻った

宿内の食堂にはいつものように客が溢れていたが

とある常連の男とラウの話が耳に入ってきた


常連「おやじ、聞いたか?あの話」

  

ラウ「何のことだ?」


常連「冒険者ギルドの調査団の話だよ」

  「なんでも得体の知れない魔物が現れて」

  「全滅させられたらしいぜ」


ラウ「ほぉ、あの手練がか」


常連「そうよ、でな、その魔物、人型をしてるって話だ」

  「ギルドはこれを魔人と名付けて調査を開始したらしいぜ」

  「どうだ?昔有名な冒険者だったんだろ?親父も」

  「どう思うよ?」


ラウ「そんな昔の話を引っ張り出すんじゃねぇ」

  「おれはたまたまのし上がれただけで、有名ってほどでもねぇよ」

  「だがまぁ、人型の魔物か」

  「そんなのは見たことねぇが」


(人型の魔物...私のこと?)


イアはさらに聞き耳を立てた


常連「でな、あの調査団が一撃で全滅だとよ」


(一撃で全滅?私のスキルにそこまで出来るものはない)

(ってことは、私以外にもいるの!?)


ラウ「一撃、か...」


常連「もうじき大規模な捜索と討伐が行われるらしい」

  「ギルドは見かけたらすぐ逃げるようにだってよ」


ラウ「どんな姿してるんだ?」


常連「えーっと確か、赤い角に、真っ赤な髪の男の用な魔物だ」


(怖いけど、会ってみたい)

(私と同じなのか...)


その夜、イアは置き手紙を残し、姿を消した

皆を危険に晒さないように


アルマはしばらくお休みです

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