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「おはよう、俊昭」
「おはよう」
学校につく。
今日もまた、騒がしい一日が始まる。
「仲直りできてよかったな」
俊明の友人でもある平田拓斗は、俊昭にそう笑いかけた。
「ああ!」
そして、暫く他愛ない話に興じているとチャイムが鳴った。
五分前の予鈴である。
「げっ、もうこんな時間、山田、1限なんだっけ」
周りのクラスメートたちは一時間目の授業の準備をはじめている。
「古典じゃなかったか?だけどさっさと移動しないと遅刻するぞ!」
俊明と拓斗が中講義室についたと同時ににチャイムが鳴った。
「きょーつけ、礼」
担当の生徒の号令があって、授業が始まる。
この古典の教師、生徒を当てることに定評がある。
そして、出来るだけ早く答えないとちょっと怖いのである。
「この敬意の対象は誰から誰でしょうか。…山田。」
俊明は古典があまり得意ではない。だから、いつも詰まってしまう。でも、今日は違う!
この時、教室の心の声は
――作者から源氏だろ――
で、一致していた。だから。
「えっと、作者から源氏…」
心の声のままに答えを言う。
「良くできたな。」
どうやら、答えはあっていたらしい。
その後も教師は解説を続ける。
俊昭は、古典の教師に誉められ、少し嬉しかった。
心の声が聞けて、助かった!
俊明は心からそう思ったのであった。
俊明の友人の名前が平田拓斗のは完全なる私の趣味です\(^o^)/
知り合いに見られたら絶対ピンと来られる、それが平田拓斗クオリティ。




